イッピン ミニ「金沢の金箔(ぱく)」 2016.01.01


モノづくりの技を紹介する…薄くて美しい。
金色の輝きを放つ石川県金沢の金箔が今回のイッピン。
金箔は今さまざまなアイテムに使われています。
モダンなデザインの食器や貝殻の置物。
そしてバッグ。
金ならではの圧倒的な存在感。
しかしその薄さはまさにミクロのレベル。
一体どうやって作られているんでしょうか。
さあ輝く金箔の魅力と技をご覧頂きましょう。
石川県金沢市。
国産の金箔のほとんどを作っています。
町には金箔を使ったこんな場所が。
黄金の化粧室や畳まで。
金箔の町金沢ならではです。
金を極限まで薄くした金箔。
その薄さは肌に触れても気付かないほど。
でもどのくらいの薄さかピンと来ませんよね。
お札と比べます。
お札の厚みはおよそ0.1ミリ。
実は金箔1,000枚分がお札と同じ。
金箔は1万分の1ミリほどの薄さなんです。
どうしたらこんなに薄くなるんでしょうか。
金箔は金の延べ棒から作られます。
金の相場によって価格が変動しますが1本で数百万円する高価な代物。
少しも無駄にできません。
ここから数万枚の金箔を作るんです。
まず延べ棒を熱した炉の中に入れ溶かします。
銀や銅を僅かに混ぜ合わせ色合いを調整するんです。
それを冷やして固めたものをロール圧延機と呼ばれる機械を使ってどんどん薄くしていきます。
1,000分の数ミリに広げられた金箔。
ここから更に1万分の1ミリにまで薄くしていきます。
箔打ち職人山崎茂さん。
30年を超えるキャリアの名人です。
箔打ち機という1トンの力で1分間に700回たたく事ができる機械で金箔を延ばします。
特別な和紙に1,800枚ほどの金箔を挟み込んで3日間たたき続けるんです。
均一に延ばすために満遍なく打つ事が重要。
しかし目では金箔の状態は確認できません。
一体どうやっているんでしょうか。
それにしても極薄の金箔を長時間たたき続けても破れないのはなぜなんでしょうか。
秘密は金箔を挟むこの和紙にあります。
つるつるとして滑らかな表面。
極限まで薄くなった金箔を保護する役割を果たしているんです。
金箔作りに欠かせないこの紙は職人自ら半年を費やして仕込みます。
ここに紙を浸します。
そして乾かしてはたたく。
この作業を何度も繰り返します。
こうする事で紙の強度が高まり表面のざらつきがなくなるんです。
和紙に守られてついに1万分の1ミリになった金箔。
あとは形を整える作業です。
最後の工程は箔移し。
極薄の金箔は手で触れると崩れてしまいます。
そこで竹で作った道具で慎重に扱います。
金箔が最も嫌う静電気が起きにくいんだそう。
余った部分も無駄にはしません。
息で飛ばして集めます。
こうして幾人もの職人の手を経て極薄の金箔が出来上がりました。
なぜ金を薄くする技術が金沢で伝えられてきたのでしょうか。
金箔作りの技術は江戸初期には確立されていたといわれます。
しかしその後幕府に禁止され金沢の職人は隠れて作らざるをえなくなりました。
そこで手に入りにくい金を効率的に使うため極限まで薄く延ばす技術を磨いたといいます。
金箔は昔から仏壇などの細かな装飾に使われてきました。
複雑な形にどうやってこんなにきれいに貼り付ける事ができるんでしょうか。
試しにこの犬を黄金にしてもらいます。
あらかじめ接着剤を塗った犬に切り分けた金箔を貼り付けていきます。
随分と豪快ですが大丈夫なんでしょうか。
大まかに貼り終わりましたが隙間が目立っています。
ここで登場するのが切り回し。
先ほど息を吹いて集めた切れ端です。
刷毛を使って隙間に当てると…。
みるみるうちに表面が輝いてきました。
切り回しが細かい隙間に入り込み更に刷毛でなでる事で極薄の金箔がならされ密着していくんです。
金箔は極薄だからこそ複雑な曲面にぴったり貼り付き金色の輝きをもたらしました。
今金沢の金箔は新幹線にも用いられるなど暮らしのさまざまな場面を彩っています。
できるだけ薄くきれいに。
金沢で生まれた金箔が日本を輝かせます。
2016/01/01(金) 04:50〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン ミニ「金沢の金箔(ぱく)」[字]

まばゆい輝きを放つ「金箔(きんぱく)」。1万分の1ミリという薄さを誇る金箔は、どのように作られるのか?古都金沢に伝わる究極のワザの秘密に迫る。

詳細情報
番組内容
日本のモノづくりのワザを紹介する「イッピンミニ」。今回は、まばゆい輝きを放つ「金箔(きんぱく)」。国産の金箔のほとんどを製造するのが、石川県金沢市だ。最近は、新幹線の内装など、さまざまなところに使われている。光にかざすと透けるほどの金箔は、1万分の1ミリメートルという薄さ。それを可能にするのが、数百年にわたって受け継がれてきた職人の気の遠くなるような作業だ。古都金沢に伝わる究極のワザの秘密に迫る!
出演者
【語り】平野義和

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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