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 北朝鮮が水爆実験の実施を発表したことを受け、国連安全保障理事会(15カ国)は6日、緊急会合を開いた。実験を強く非難するとともに、制裁強化を念頭に、対北朝鮮の新決議に向けた協議をただちに始めることを全会一致で決めた。

 緊急会合は理事国の日米に、韓国を加えた計3カ国の要請で開かれた。非公開協議の終了後、議長国ウルグアイのエルビオ・ロセリ国連大使が会合での決定内容を報道声明として記者団に読み上げた。報道声明に法的拘束力はないが、安保理の統一した意思を示す。

 報道声明ではまず、今回の実験を過去の一連の安保理決議に対する「明白な違反」と位置づけて「強く非難」した。そして、北朝鮮が核実験を再度実施すれば「さらなる重大な措置を取る」と過去の決議が宣言してきたことを改めて確認。「安保理は新たな決議の中で、こうした措置を取る作業をただちに始める」と表明した。

 報道声明で言及した「さらなる重大な措置」をめぐり、日本の吉川元偉・国連大使は「既存の制裁の継続だけでは、北朝鮮に政策変更を求める上で効果はない」と記者団に述べ、制裁を強める必要性を強調した。ただ、具体策については「これから議論する」と述べるにとどめた。

 国連外交筋によると、この日の非公開協議では、中国を含む全理事国が核実験を強く非難し、報道声明は約2時間でまとまった。理事国は今後、決議案づくりに入る。常任理事国の米国や、今月から非常任理事国を務める日本は、北朝鮮への制裁強化を目指す立場だ。これに対し、従来は北朝鮮の「最大の後ろ盾」になってきた中国も今回の核実験に「断固反対」と表明しており、どこまで強硬な対応に出るのかが、今後の焦点になりそうだ。

 また、潘基文(パンギムン)事務総長は6日、記者団に対し、核実験は「数々の安保理決議の違反であり、地域の安全を脅かし、国際社会の核不拡散の努力を台無しにするものだ」との認識を示し、実験を「明確に非難する」と述べた。その上で北朝鮮に対し、さらなる核開発をやめるよう求めた。(ニューヨーク=金成隆一)