堺さんにもメッセージです。
神奈川県の方です。
「真田丸」待ちに待っていました。
2016年は堺信繁様の大河を見るためにいきます。
大好きですということです。
(すみれ)お兄ちゃん大事な報告いうて何?
(政春)あっ…。
(エリー)マッサンがウイスキーを造る会社に入る事になりました。
(早苗)ウイスキ?
(エリー)ウイスキー。
親父お母ちゃんわしゃようやっと鴨居商店いう会社に入れてもらえて本格的にウイスキーが造れる事になりました。
(拍手)えかったねお兄ちゃん!それから4年後。
京都大阪の境にある山崎に国産初のウイスキー工場が誕生。
いよいよマッサンのウイスキー造りが始まりました。
そして同じ頃エリーとマッサンは新しい命を迎えました。
エリーの「エ」とマッサンの「マ」をとってその子をエマと名付けました。
そんな明るい話題があふれていたちょうどそのころ…。
(春さん)いや〜いよいよいよいよじゃのう!これお祝いせんにゃいけんのう。
(大作)ほんまやな〜。
(春さん)おっ社長!来週ぐらいがええな。
(春さん)は?いやお祝いの宴やがな。
わしが貸し切る。
仕切ったるがな!えっほんまか〜?何ちゅう言い方やそれ。
いや〜社長無理せんで貸し切らんでもええって。
無理!?何ちゅう事言うんじゃ。
じゃけどのうやっとマッサンにも運が向いてきたのう!ええ事言う。
マッサンもこれからやで!今思や住吉酒造辞めて大正解じゃったのう。
ああ。
あの会社辞めてよかった。
…誰がや?誰が辞めてよかったんや?これほんまの事じゃろう。
何がほんまの事じゃ!ほんまの事じゃ!このラッキョウ!誰がラッキョウじゃい!どっから見たってラッキョウやないかい!器の小まい…。
(秋)お父ちゃん!社長さん!許せん。
絶対…絶対許せん。
お前…許せん!絶対許せん!今度会うたらなお前はラッキョウの酢漬けにしたろほんまに!危な!あっああ…。
道の真ん中に立っとったら危ないで。
すいません。
おっ…。
お嬢さん…大丈夫?はい。
けがなかった?あ〜あかんあかんあかんねん今日は。
あかん?堪忍な。
あかん…。
あかん…うちもあかん。
(おなかが鳴る音)おなかすいたのう。
(春さん)おどりゃぁ!わしのさばき方に文句あるんか!
(秋)ちいと意見言うただけじゃろ。
広島の…?・「なつかしい人々なつかしい風景」・「その総てと離れてもあなたと歩きたい」・「嵐吹く大地も嵐吹く時代も」・「陽射しを見上げるようにあなたを見つめたい」・「麦に翼はなくても歌に翼があるのなら」・「伝えておくれ故郷へここで生きてゆくと」・「麦は泣き麦は咲き」・「明日へ育ってゆく」・「麦は泣き麦は咲き明日へ育ってゆく」いつからそがなかばちをたれるようになったんじゃ!うちがかばちたれになったんじゃのうてお父ちゃんの腕が鈍うなったんじゃないんね?何じゃと!あの…。
あっごめんなさい。
まだ開店前で。
いらっしゃい!どうぞどうぞ!お父ちゃん!あっすみません。
お店の中からくにの言葉が聞こえてきたんでつい…。
何じゃねえちゃん広島か?じゃったらなおさらじゃ。
座れ座れ。
もう…。
同郷のよしみいうやつじゃ。
でねえちゃん広島のどこね?竹原です。
今朝汽車に乗って着いたばっかりで。
おっ!竹原っちゅうたらマッサンと一緒じゃないか。
マッサン?マッサン知らんのか?えっ…あ…。
ああこれじゃこれじゃい!山崎に工場出来たん知らんか?日本初のウイスキー工場でのうその工場長がマッサンじゃ!あ…お知り合いなんですか?おう!このマッサン大阪で男にしたんはこのわし言うてもええぐらいじゃ。
(秋)すいません。
いきなりなれなれしゅうて。
あの何にしましょう?まだ支度中じゃけんできんものもありますけど。
じゃあエリーさんの事も?
(秋)ん?あ…いえ…。
すいませんうちやっぱりええです。
(春さん)おいちょっと…。
(秋)ちょっと…。
(キャサリン)こんにちは〜!
(秋)あっキャサリンさんこんにちは。
ハウアーユー?キャサリンさん?
(春さんキャサリン)え?はあ…こんにちは。
こんにちは。
ちょっと春さん聞いてぇな。
もうたまらんわもう。
何がじゃいきなり。
エマがなエリーんとこのエマがもうかわいいて…。
エリーのエマ?ねえちゃん煮魚定食でええか?あっ…うちはほんまに。
(おなかが鳴る音)
(春さん)ハハハハハッ!ほら!船場土産やで。
うわ〜ありがとう!はい。
べっぴんさんもパン食べるか?ありがとうございます。
気ぃ遣わんでつかぁさい。
あ…えっ「つかぁさい」?こちらさん広島の竹原の人じゃって。
あっ竹原いうたらマッサン知り合い?あ…。
あっ…亀山酒造は知ってる?あっ古い酒蔵ですね。
マッサンいうアホがご近所に住んどってなそのお母さんいうんがこれまたえらい人でな。
はあ…。
でもまああのエマのかわいらしい顔見たらあのお母さんも少しは柔らこうなるんちゃうかな。
ハハッ!
(秋)エリーさんも元気にしとって?そらもう…もうあのエリーの幸せそうな顔見たらな涙出そうになったわ。
あの…子どもいうのはほんまにええもんやな。
ほうなんですか。
赤ちゃんがおるんじゃ…。
あんた何や?ひょっとしてもしかしてエリーの知り合い?いえ…。
ほうよさっきも確か…。
違います。
あの人の事は竹原でも有名じゃけん。
知り合いもおらんのにわざわざ竹原から?分かった!住吉さんにお参りに来はった?住吉さん?うん。
ああ…。
住吉大社。
あっお参りじゃ…。
じゃあ誰かの結婚式とか?違います!あ…ごめんなさい。
違います。
(春さん)はいよ!煮魚定食。
ありがとうございます。
頂きます。
うん。
おいしい。
ほうか。
えかったのう。
ほんまにおいしいです。
うん。
お代わりしてもええど。
ハッハハハハ!
(泣き声)えっ…ちょっとどないしたん?
(春さん)あっあのみそ汁が熱すぎたか?
(秋)大の大人がみそ汁が熱うて泣く訳ないじゃろう。
(泣き声)すいません。
おみそ汁…おいしくて温こうて…。
何かあったん?べっぴんさん。
ごちそうさまでした。
ほんまにおいしかったです。
おおそりゃえかった。
お粗末さま。
えっとお勘定は…。
どないしたん?あの…うち…ここで住み込みで働かせてもらえませんか?
(2人)ええっ!?何やの?急に。
あのちょっと…お金がなくて。
ほんまに?全然?ごめんなさい!でもうち決して怪しい者じゃありませんけぇ。
あのじゃあ一つだけ教えて。
何でたった一人で広島から出てきたん?家出してきたんです。
理由は聞かんとって下さい。
お願いします。
皿洗いでも何でもやりますから…ここに置いて下さい!よし分かった!お父ちゃん!何があったか知らんがとにかく涙拭け。
しばらく落ち着くまでうちにおったらええ。
おっ!春さんよう言うた!それでこそ大阪の男や!キャサリンさんまで!べっぴんさん安心してええで。
ほい。
このおっさん顔はラッキョウみたいやけど情にはあついから。
じゃけ顔は関係なぁじゃろが。
ありがとうございます。
あっ…とにかく2階まで荷物持っていきんさい。
おっ秋!ご案内してあげ。
もう調子ええんじゃけん!ごめんなさいねうち狭いけど。
こっち。
足元気ぃ付けてぇね。
はい。
布団はこの押し入れにあるの使うて。
あと何か足りんものがあったら言うてくれたら。
ほいじゃ。
ありがとう。
(池田)ほな何か?1人で広島から来たんか?はい。
(巡査)へえはるばる大阪まで?ええ。
訳は聞くな!
(池田)えっ?
(巡査)何でや?
(好子)分かるやろ。
いわゆる訳ありってやつや。
なあ?ええ…まあ。
訳ありって嫌らしい言い方すんな!嫌らしいのはあんたや。
妙な色目使て。
うるさい!逮捕するぞ!上等じゃ!やめんか!すみれさん表に一升瓶が置いてあるけんちょっと取ってきてくれて?はい!すみれちゃんいうんか。
かわいいな。
ややこしいもめ事抱えてなかったらええねんけどな。
おっマッサン出勤前に何か用か?ああ。
すみれはどこじゃ?すみれ言うて…。
マッサン!
(政春)あ?お前まですみれちゃんに色目使うんか!何の話じゃ?許さんぞ!お前にはエリーちゃんいう恋女房がおるじゃろうが!おおっ…何をするんじゃ!なんぼ同郷のよしみじゃいうてものうあがな可憐なすみれちゃん…許さんど!じゃけん何の話じゃ言うとろうが!
(春さん)こらやかましい…!もうお父ちゃん!シャラップ!全く!早とちりしなさんな!すみれちゃんはマッサンの妹!…え?妹?ほうじゃ。
亀山すみれ。
正真正銘わしの妹じゃ。
え〜っ!?似とらんの。
うちはお母ちゃんがそもそも似とらんのじゃ!おはようございます。
秋さんすいません掃除…。
お兄ちゃん?おおおおすみれ!何で?すみれどういう事なんじゃ?ほんまに家出してきたんか?お父ちゃんお母ちゃんにも何も言わんと出てきたんか?ええ?あかん!すぐ広島帰れ!嫌!すみれ…。
お兄ちゃんには関係ないじゃろ。
関係なぁ事なかろうが。
これはうちの問題じゃけん。
ああ…ほうか?よっしゃよっしゃ…それじゃったらもう勝手にせえ!ええよ勝手にするけん!頭来るのうお前はもう!やっぱり!似とるの。
そっくりじゃね。
うん。
すみれ…すみれ。
ごめん。
お兄ちゃん悪かった。
もう広島にはわしから連絡入れとくけん。
とにかくうちに来い。
お兄ちゃんの世話にはならん!家族に頼ったら駄目なんよ。
うちは自立した一人の女性を目指しとるんじゃけん。
何を言うとるんじゃ。
すみれがここにおったら春さんや秋ちゃんにも迷惑かかるじゃろうが。
エリーさんに迷惑かけとうない。
ただでさえ赤ちゃんの世話で大変じゃのに。
え?エマの事か?そんな大丈夫じゃって。
わしじゃってエマの面倒ぐらい見れるし。
とにかくうちに来てくれ。
お兄ちゃんにうちの気持ちなんか…。
え?何でもない。
とにかく広島には帰らん!お兄ちゃんの所にも行かん!おいすみれ!のうマッサンしばらくすみれちゃんうちで預かるわい。
え?どうもその方がよさそうやね。
いや…春さん種子さん。
すみれちゃんさえよかったら手が増えてうれしいぐらいじゃ。
のう?秋。
ほうよ。
うちは全然構わんよ。
春さん秋さんありがとうございます。
いやあかんあかんあかん…。
じゃけど…。
ごめんお兄ちゃん。
え?あれマッサンそろそろ仕事に行く時間ちゃうの?忘れとった!あ〜いかんいかんいかん…。
工場長が遅刻したらあかんやろ。
後で鴨居の大将にどやされんで!いや〜すまんの春さん。
へじゃちいとの間ここに置いてやってもらえんか?ああ心配せんでもええ。
わしに任しとけ。
それはちょっと心配じゃけど。
やかましい!秋ちゃんも申し訳ない。
よろしゅう頼むの。
すみれ!とにかく落ち着いたら家出の事ちゃんと説明するんで!ええの!ほんまにすまんの。
よろしゅう頼む!
(エリー)こちらで…。
やっぱりマッサンの妹や。
えっ何?何ですか?いやあんたなもうちょっとこの皮を薄く…。
・お邪魔を致します。
島爺!
(島爺)あっすみれお嬢さん!あっえっと…どなた?実家の酒蔵の番頭さんです。
あっどうも!この度はお嬢さんがごやっかいになっておりまして。
(春さん)あっあっ…こりゃどうもご丁寧にの。
(秋)こちらこそ!じゃけど何で島爺ここが分かったん?はい。
ご一緒に参りました。
一緒?誰と?
(エリー)あっすみれ!エリーさん!こんにちは!いらっしゃい!エリーさんいらっしゃい!エマ!エマちゃん!キャサリンとこおいでほら。
おいでおいで…。
おっおお…来たわ来たわおっ。
ちょいちょいちょいちょい…。
じゃけど何で島爺まで?はい。
奥様にお嬢さんを連れ戻してこい言うて。
お母ちゃんにうちの気持ちは分からん。
お嬢さんそがな事言うもんじゃありまへん!奥様もお嬢さんのためを思うてお見合いのお話を進めとりんさるんですから。
(春さん秋キャサリン)お見合い!?
(島爺)はい。
ヘイヘイ!あ〜笑った笑った。
(秋)どうぞ。
あっありがとがんす。
ありがとう。
ごゆっくり。
本当にお見合い?はい。
女学校を卒業したあとまだ進む道も決まらんのならお見合いの一つでもしてみいと。
進む道なら決まっとる。
うちは女学校の先生になる。
(島爺)へじゃそう奥様に申し上げてみちゃいかがですかの?お母ちゃんにうちの気持ちは分からん。
ほいでも言うてみん事にゃさすがの奥様もお分かりにはなられんかと。
とにかく!家のために結婚するのなんか絶対に嫌じゃ!すみれ…どうして?
(島爺)お嬢さんうちを出んさった訳この島爺に教えてつかぁさい。
お願いでがんす。
このままじゃ爺は広島へは戻れまへん。
すみれ。
うちは…この人に会いに大阪に来たんよ。
(島爺)「山村信吾」…。
(島爺)このお名前は確か…お嬢さんの女学校の先生じゃ?あっ知ってるの?はい。
お嬢さんの尊敬しとられる先生ですのう。
山村先生はうちらに新しい女性として生きる道を教えてくれた。
自立した女性としての生き方を教えてくれたんよ。
教師になるよう勧めてくれたのも山村先生じゃった。
それが何で家出につながるんじゃ?
(秋キャサリン)シ〜ッ!じゃのに…先生教師辞める言うて。
どうして?結婚する言うて。
(2人)ええ〜っ!?シ〜ッ!家業のために教師を辞めて結婚するんじゃって!ひどい!信じとった先生に裏切られたんじゃね!
(2人)シ〜ッ!許せん!うちは先生の言葉を信じて教師を目指したのにその先生が家のために教師の道を捨てるじゃなんて。
うち先生の口から説明してくれるまで納得できん!それでその先生には会えたの?昨日行ったんじゃけどお留守で。
じゃけんうちこのままじゃ広島には帰れんの!ほいでもお嬢さんこれじゃ爺も奥様に申し開きができまへん。
旦那様にも説明がつきまへんし。
嫌!絶対に帰らんけん!
(島爺)お嬢さん…。
お気を付けて。
はい。
ありがとがんす。
ほいじゃ。
エリーちょちょちょ…。
何ぞあるなすみれちゃん。
キャサリンもそう思った?え?家出の訳はきっと別にある。
うん…。
え!?何ぞあったらすぐうちに知らせて。
分かりました。
エリーうちに任しとき!ありがとう。
(好子)なるほどな。
裏切られた怒りをぶつけに来たって事!さすが猪突猛進。
猪みたいなマッサンの妹さんですね。
でもまあそういう事やったら助太刀するで。
男にガツ〜ンと言いに来たやなんてちょっとええやないの。
ええな〜ガツンとな。
わしにも任せとけ!あんたはガツ〜ンと言われる方やろ。
はあ!?ありがとうございます。
えかったねすみれさん。
大船に乗った気でおったらええど。
本官は自立を目指す女性の味方であります!頼りにしてます。
はっ!命を懸けて守り抜く所存であります!ほうじゃすみれちゃん大阪の男と一緒になったらどうじゃ?え?ええよ大阪の男は。
何しろ情が深いし。
それに懐も深い深い!もう底見えへんくらい。
懐は「広い」や!何やの底なしの懐て?怖いわ!結婚はちょっと…。
ほうよ!親からの見合い話を断って自由に生きよういうすみれさんに結婚勧めてどうするんよ。
いや…わしはなわしは別に結婚したからいうて嫁さんの夢邪魔したりせえへんよ。
教師でも何でもなってもろて構へんし。
何であんたの嫁さんの話聞かなあかんの!
(巡査)懐広さをやな…。
(みどり)こんばんは!
(みどり)席空いてます?あっ!
(一同)ああっ!あのポスターの!どうもその節は…。
ここ空いてますよ。
何やの?その変わりよう。
おおきに!せやけど連れがおりますので。
連れ?
(英一郎)すみませんお待たせしてみどりさん。
(みどり)英一郎さん。
連れってお前か?おい社長の息子やからって女優に手ぇ出してええんか?はあ?調子に乗るなよお前!ちょっと前ここで泣いとった男がええ気になりおって。
違いますよ!さっき鴨居商店の社員一同で住吉さんにお札をもらいに行ってたんです。
そこにみどりさんも列席されてて。
それでおなかすいたなってなって…。
うるさい!社員ほかにもおるやろが!せやのに何で…何で2人で来るんや!たまたまです。
何を言うてはるんですかこの人は!すんません。
ちょっと今取り乱してまして。
べっぴんさんと見ると見境ないんで。
ほんますみません。
全くじゃ!さっきまですみれちゃんにちょっかい出しとったくせに。
すみれさん…?あっほなあなたが工場長の?亀山すみれです。
兄がいつもお世話になっております。
初めまして。
鴨居英一郎です。
エリーさんから手紙で聞いとります。
頼もしい後輩ができて兄も喜んでるいうて。
ほんまですか?あっでもエリーさんからの手紙という事はすみれさん英語ができるんですか?あっ女学校で習った程度でまだまだ勉強中です。
そうや。
確か教師を目指されてるんですよね?はい。
それが何でここで?
(みどり)そういう事は聞かへんの。
あっ…すみません。
英一郎どういうつもりや?どこまでわしの邪魔するんや!すみれちゃんにまで手ぇ出そうとしやがって!あら!英一郎さんに手ぇ出されるんならうちうれしいわ。
ええっ!?いや…何を言うてはるんです?僕はその…そんなつもりは…!ハハハッ!もう英一郎さんかわいらしいわ。
(春さん)ハハハハハッ…!色恋にかけちゃみどりちゃんの方が一枚も二枚もうわてじゃのう!ありがとうございました。
みどりさんはどんなお仕事されてるんですか?女優やってます。
女優さん?うん。
父が作った劇団のね。
鴨居商店の?はい。
宝塚に女性ばっかりの劇団があるのを知ってます?あっはい。
話題になってますよね。
確か大阪に鉄道を造られた方の。
はい。
それで父もこれはきっとええ宣伝になるって鴨居商店でも劇団を作ったんですよ。
女優さんって楽しいですか?う〜ん…大変よ。
演出さんにいつも怒られてばっかり。
せやけど舞台に立ってる間は違う人生を生きられる。
違う人生?
(みどり)うん。
すごいわ。
よかったら今度の芝居見に来ませんか?お芝居?
(英一郎)はい。
ご招待しますよ。
ええな〜芝居か。
よし!英一郎わしとすみれちゃんの2人分頼む!何でやねん!英一郎君うちもええ?何で邪魔すんねん。
わしもええか?春さんまで!店どないすんの?店閉めりゃええ。
ちょっとお父ちゃん!お前もたまには芝居見物ぐらい行ったらええんじゃ。
えっうちも?ならええけど。
ええんかいな!よし!みんなで行こうで。
すみれちゃんもええ気分転換じゃ。
分かりました。
それでは皆さんの分ご用意します。
やった!みんなで行こみんなで。
みんなで行こ。
なっ。
あっすいません。
よし行こ行こみんなで。
あっあかんわ!あんた勤務中やで!無理やな。
ああ〜!よしよし。
「ロミオとジュリエット究極の愛の物語」じゃって!究極の愛。
(桃子)あっ!ちょちょちょ…ひょっとしてあんさんがすみれさん?はい…そうですけど。
(梅子)ほんまにマッサンの妹さん?はあ…。
いや全然似てないな。
似ても似つかんわ。
全くもって辛気くさないわ。
(2人)ハハハハハッ…!あっあの…。
あっごめんなさいね。
うちらお兄さんとエリーさんのご近所のもんで。
こんにちは。
兄がいつもお世話になっとります。
いや…マッサンにはもったいないようできた妹さんやな。
ほんまやな。
ハハハッ…。
あの何か?あっそうそうそう。
忘れるとこやった。
マッサンの家にあんさん訪ねてきた人がおってな。
うちを?
(2人)うん。
あっそやそや。
おにいさん!こっちこっち!
(桃子)すみれさんいたわ!早よ早よ早よ!すみれ君。
山村先生…。
いや〜会えてよかったね。
よかったよかった。
お前らこんなとこで油売ってないでさっさと帰れ!何がいな!うちらエリーちゃんとキャサリンさんにちゃ〜んと伝えなあかんの。
この一件うちら三丁目べっぴん同盟に任せてもらう!お前入っとらんじゃろう。
うん。
ええっ!?ひどっ!うそやん。
シ〜ッ!
(山村)いや家族から君がうちに来たと聞いてね。
確か大阪にお兄さんがいらっしゃるというのを思い出して方々を訪ねてそれで…。
結婚するいうてどういう事ですか?え?結婚して家業を継ぐけん教師を辞めるいうてどういう事ですか?すみれ君…。
うちらにこれからの女性は家の職業や親の決めた結婚に縛られんと自由に自分の生き方を決めるべきじゃいうて教えてくれたのは先生じゃないんですか?それは…。
じゃのに…あっさり家のために結婚して教師を辞めるいうてどういう事ですか?先生の教育への思いはそがなもんじゃったんですか!うち…先生には失望しました!すまない。
君の言うとおりだ。
僕は家のために結婚する。
先生…。
失望させて本当にすまない!だけど君はきっといい教師になる。
頑張って勉強を続けて下さい。
僕の分も。
勝手な事言わんで下さい!うちは…うちは先生がおったから教師を目指したんです!先生はうちの目標でした。
希望でした。
先生…うちは…。
そうだね。
君の希望を踏みにじった僕に何も言う資格はない。
本当に申し訳なかった!ふ〜ん…ほな例の先生には会えたんや?
(秋)うんまあ…。
よかったんちゃうの?思いの丈ぶつけられて。
それが…。
え?ほなすみれちゃん広島に帰ってしまうん?あっ…ひょっとしてもう帰ってしもたん?違うわい!ちいと使いに行ってもろうとるだけじゃ。
何やよかった!何か言いたい事言えてすっきりいう感じでもないし。
へえ〜何でやろ?ただいま!大根と里芋買うてきました。
おっおお。
ありがとのう。
皆さんいらっしゃいませ。
(池田)こんにちはすみれちゃん。
お元気?はい!いや〜よかった。
てっきりすみれちゃんが広島に帰ってしもたと思てやな…。
嫌じゃわ。
皆さんにご挨拶もせんと帰ったりしませんよ。
・お邪魔します!
(秋)あっ番頭さん。
島爺。
いらっしゃい!どうも。
あのマッサンの実家の酒蔵の番頭さんじゃ。
どうも初めまして。
はい!初めまして。
お嬢さんと坊ちゃんがお世話になっております!ああっ…。
ちょちょちょ…。
よかったらこっちどうぞ。
そうですよどうぞ!ありがとがんす。
お嬢さん。
島爺何か食べる?おなかすいとるなら春さんに。
あの…奥様からお聞きしました。
お見合いの相手が結婚されても教師のお仕事がされたいんじゃったら続けても構わんとそう言うとりんさるそうですよ。
(秋)ほいじゃ女学校の先生目指してもええんじゃね?
(好子)へえ〜よかったやないの。
いやようないです。
そや!そんなん言うたらすみれちゃん広島に帰ってしまうやんか。
しょうがなかろうが。
すみれちゃんの幸せを思や…。
帰らん。
帰らん…うちは広島には帰らん!お嬢さん!何で?女学校の先生なんてもうどうでもええ!どういう事じゃ?うちはまだ広島には帰らんけん!
(島爺)お…お嬢さん!いや〜えかったのうみどりちゃんの芝居!すてきじゃった〜。
ロマンチックやったね。
なかなかの熱演でしたね。
なあなあなあなあ…!どやったん?みどりちゃんの芝居。
面白かったど〜。
ええなええな。
どんな話やった?どうしても知りたいという事ならば。
教えてあげてもよくってよ。
知りたい!どうしても知りたい!
(開演のブザー)時は14世紀舞台はイターリア!町の名家モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットは互いに深〜く愛し合う仲。
だが互いに激しく争う両家は2人の愛を許さない。
そこでジュリエットが言うんじゃ!ああロミオあなたはどうしてロミオなの?いやせやけどそういう名前やからしゃあないんちゃうの?どうぞその家の名をお捨てになって。
名前捨てたらあかんやろ。
迷子なった時困るやろ。
うるさい!黙って聞け!ロミオとジュリエットか…。
お兄ちゃんとエリーさんみたい。
ほんまやね。
2人手に手を取ってスコットランドから帰ってきたけど…。
広島でお母ちゃんに大反対されて。
外国人の嫁は絶対認めまへん。
でもお父ちゃんに背中を押されて。
(政志)世界一うまいウイスキーを造って新しい時代を作ってみい!大阪ではキャサリンさんに何から何までお世話になっとるってエリーさんが。
おっ!そや。
全部うちのおかげやで。
ほいでものう大阪へ来てからも順風満帆じゃった訳じゃなかったけぇのう。
ほうなんですか?うん。
山あり谷ありどん底ありや。
うちが世話してようやく2人暮らし始めたはええけどなまあ仕事はないわ金はないわで毎回夫婦げんか。
分かっとるんじゃったら何をゴチャゴチャ言うとるんじゃ!外国人のエリーにはなんぼ話しても分からんわ!何じゃ?ちょっと待って!マッサン!マッサン!う〜っ…!そがに何べんもけんかしたんですか?そりゃいっぺんやにへんじゃきかんわい。
ほうですか。
そうやで。
うちなんかこの2人絶対続かん思てたもん。
せやけど男とおなごっちゅうのはどうなるか分からんもんやな。
フッ…何言うてんの。
池田君あんたほんまに分かってんの?いや…僕かて。
ラブや。
2人にあるんはラブや。
ラブ?そう。
ほんまのラブ。
2人は楽しい事もつらい事もようけ乗り越えてきたんよ。
ほんまのラブは人を強うするんやで。
人を強う?それは僕にもよう分かりました。
人が人をいとおしく思うその強い気持ちこそが一番大事なものだと僕はお二人から教えてもらいました。
(エリー)マッサン子ども欲しい。
英一郎みたいな子ども欲しい。
だけど私…私ママになれない。
わしゃエリーといたい。
ずっとずっと一緒にいたい。
そのためじゃったらほかな〜んもいらんわ!エリーがそばにおったらわしゃ何もいらん。
そばにおって一緒に夢を追えたらわしゃ何もいらん。
はい。
アイラブユー。
やっぱりすごいわ。
お兄ちゃんとエリーさん。
まあ何というても本物のラブで結ばれてますからね。
ラブか。
ええな〜。
あんたみたいに安売りしてたらほんまのラブなんか一生見つかるかいな。
うるさい!じゃけどうちは駄目じゃ。
ロミオとジュリエットにはなれん。
え?すみれさん?そんな事ないで。
すみれちゃんがやったらすごいすてきなジュリエットになれる思うで。
ほうですか?ちょっとあんた!
(池田)せやで!女優さんにかて負けへんで。
ほうじゃろか。
ちょっとあんたらやめなさい。
そや!いっその事女優目指したらどないや?女優さん?ああ!こんな店手伝うよりずっとええ。
こんな店とは何じゃい!そうやね。
女優さんなら数少ない自立した女性の職業やし。
そんな…ええんですか?すみれさん。
ほんまに女学校の先生になるのはやめてしまうんですか?あっ…はい。
それはもうええんです。
もうええって…。
目標見失ってしもうたし…。
すみれちゃん…。
ほいじゃやってみようかのう。
よし!そうと決まったら善は急げじゃ。
ほんまにええん?はい。
英一郎さんどうしたら女優さんになれるんですか?それはまあ…。
うちの劇団に入るんやったらオーディションを受けてもらえば。
(巡査)オーディション?あっ選考会の事です。
ああそうや。
せっかく英一郎君おる事やしここでひとつオーデッションしてもろうたら?えっ!?そや!未来の社長のお墨付きやったら間違いない!ええんですか?英一郎さん。
まあ見るだけなら…。
(好子)あ〜やろやろ。
おおジュリエットあんたのためじゃったらのうわしの名前なんか…。
何でお父ちゃんが練習しとるんよ。
ジュリエットジュリエット!えっこっちも!?ああロミオあなたはなぜロミオなの?好子さんまで!?悪い?いえ…。
よし!それじゃすみれちゃんいってみようか!よろしくお願いします。
やってみなはれ!
(開演のブザーと拍手)ああロミオあなたはどうしてロミオなの?どうかその家の名をお捨てになって。
家の名を…家を捨てられないのには訳があるんです。
えっ?
(巡査)えっ誰?初めまして。
川野妙子と申します。
で誰?あの貼り紙しとったんじゃがの。
今日はあの臨時休業なんじゃ。
私…山村信吾の…婚約者です。
山村から聞いて参りました。
すみれさんは…?
(秋)どうぞ。
ごめんなさい。
あの人が家を捨てられないのは私のせいなんです。
え?どういう事ですか?私の実家は代々続いた呉服屋なんです。
あの人とは幼なじみでいいなずけでした。
いずれ結婚したら私もあの人について広島へ行くつもりでいました。
ところが家業を継いだ私の兄が病で亡くなり商売がいきなり傾いてしもて…そんな時あの人が教師を辞めて私と結婚して実家の呉服屋を婿養子として継いでくれるって。
(春さん)へぇで女学校の先生急に辞めたんか。
家業いうんは自分やのうてこの人の家の仕事やったんやね。
でももういいんです。
え?すみれさんのように広島からわざわざ駆けつけてくれる生徒さんができるくらいあの人は教育に情熱を傾けていました。
私がいけなかったんです。
あの人との結婚は諦めます。
家の事は私一人でなんとかします。
あの人には広島に戻って先生を続けてもらいます。
ほんまにそがな事できるんですか?え?ほんまに好きじゃったら何で諦められるんですか?好きじゃったら…ほんまに好きじゃったらどうしても諦められないものじゃないんですか?たとえ相手に裏切られてもたとえ相手が結婚してしまうとしてもそれでも諦めきれんのが恋なんじゃないんですか?本当に好きだからこそ諦められるんです。
あの人が幸せになるのなら私の気持ちなどどうなっても構わない。
あの人が夢をかなえるのを見る事ができるのなら私は私の気持ちをずっと抱き締めたまま生きていけます。
だからいいんです。
諦められます。
どないする?すみれちゃん。
え?山村先生連れて広島帰る?そんな…。
この人は諦める言うてはるで。
あの人の事どうぞよろしくお願いしますすみれさん。
すみれさん!
(エリー)すみれ?エリーさん。
どして?キャサリンから。
ああ…。
先生の事好きなんでしょ?何で?分かるよ。
かなわん。
エリーさんにもキャサリンさんにも何もかもお見通しじゃ。
それにあの婚約者さんにも…かなわんわうち。
すみれ…。
うちは好きじゃっていう思いだけで突っ走ってきたのにあの人は山村先生の幸せの事だけを考えとった。
完璧にうちの負けじゃ。
失恋決定。
すみれ…。
恋愛は勝ち負けじゃない。
何やっとるんじゃろうち…こがな大阪まで来てたくさんの人巻き込んで大騒ぎして…。
ほんまバカみたい。
いや…。
人を愛する事はすてきな事。
でもうちは山村先生の事も婚約者さんの事も傷つけて…。
あのね…すみれ。
私マッサンと出会う前に好きな人がいたの。
それで…その人はクリスマスに帰ってきたん?いいえ…。
亡くなった戦争で。
でも…その人を好きになった事後悔していない。
傷ついてもまた誰かを愛する事ができる。
エリーさんとお兄ちゃんみたいに?そう。
だから…その気持ち大切にして。
それはあなたの宝物。
(エリー)すみれ…。
(泣き声)そろそろすみれちゃん支度できたかの?今番頭さんが呼びに行った。
ほうか。
あっお嬢さん支度はできましたかの?うん。
もうすっかり。
ああ。
忘れ物はがんせんか?ないよ。
もともと何にも持ってきとらんもん。
嫌じゃ島爺。
しっかりしてよ。
こちらの忘れ物は大丈夫でがんすか?島爺…。
忘れますとなかなかやっかいでがんすで。
大丈夫!ちゃんとしもうたけん。
(島爺)ほうでがんすか。
・
(足音)あの…すみれさん下にお客さんが。
お客?うちに?先生。
すみれ君。
今日すみれちゃんが帰るいうて聞いて祝言の前に駆けつけてくれたんじゃと。
妙子から聞いたよ。
聞かせなくてもよい話まで聞かせてしまって本当に申し訳なかった!うち先生に謝らんといけん事があるんです。
え?うち自分の気持ちにうそをついとったんです。
うそ?うち先生の事が好きでした。
ほんまはまだちょっと「でした」じゃのうて「です」なんじゃけど。
ほいでももう自分の気持ちにうそはつきません。
先生の事好きになった気持ちずっと忘れずに大切にします。
それで教師になった時うちの生徒たちに教えてあげたいんです。
人を好きになるいう事がどれだけすてきな事かいうて。
うちが先生に教えて頂いたように。
すみれ君。
本日はまことにおめでとうございます。
ありがとうございます。
お元気で。
末永くお幸せに。
君も元気で。
いい教師になって下さい。
さようなら。
さようなら。
いや〜ほんまに…。
おおっ…。
お世話になりました。
お気を付けられて。
わしがもうちいと若かったらのうすみれちゃんに立候補したんじゃがのう。
もうお父ちゃん何言うとるんよ!出来た!それっ!2015/12/31(木) 14:00〜15:00
NHK総合1・神戸
マッサン スピンオフ(前編)「すみれの家出〜かわいい子には旅をさせよ〜」[解][字]
マッサン(玉山鉄二)の妹・すみれ(早見あかり)は広島から家出をして大阪へ。女学校時代の教師・山村信吾(須賀貴匡)に会うためにやってきたらしいのだが…。
詳細情報
番組内容
大正13年のある日、マッサン(玉山鉄二)の妹・すみれ(早見あかり)はなぜか大阪の食堂「こひのぼり」の前にいた。実は広島から家出をしてきたのだった。どうやら、広島ではすみれの見合い話が進んでいるらしいが、それだけが家出の理由ではないと感じた島爺(高橋元太郎)は、家出の本当の理由を教えて欲しいとすみれに懇願する。すみれは女学校時代の教師・山村信吾(須賀貴匡)に会うために大阪へやってきたのだった。
出演者
【出演】玉山鉄二,シャーロット・ケイト・フォックス,早見あかり,濱田マリ,江口のりこ,浅香航大,マイコ,須賀貴匡,高橋元太郎,及川いぞう,バッファロー吾郎A,しるさ,前野朋哉,柳ゆり菜,ちすんほか
原作・脚本
【作】坂口理子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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