今も古い家並みが残る人情厚い浪速の下町にある問題を抱えたお宅がありました
この家が抱える問題それは…
そんなことないそんなことない
間口が狭く奥行きの長い長屋が軒を連ねていたかつての町並みがしのばれる一画
その中でもひときわ古い白い屋根の家
里井家はこの界隈でどの家よりも間口が狭い築63年の二軒長屋
扉3枚分の幅しかない細長い家で20年前までカーテンを作る縫製業を営んでいました
ここに1人きりで暮らすのは里井敏子さん83歳
仕事をやめた今もなおそのまま残る作業場
その壁際に掛けられたレースのカーテンの向こうには…
なんと台所が!
コンクリートの土間に板を敷いただけの作業場に無理やり作られた台所
しかしおばあちゃんはここで食事の支度をするだけではありません
隣にはなんと洗濯機まで!
冬場は底冷えが厳しいこんな場所で日々家事をこなしているのです
でも一番大変なのはここから2階の物干し場に行くまでの動線
不自由な足を引きずりながら重たい洗濯物を抱えいくつもの障害を越えていかねばなりません
物干し場へと向かう83歳のおばあちゃんを待ち受けているのは…
なんと傾斜が60度以上もあるまるで崖のようにそそり立つ見るからに急な階段
しかもかかとがはみ出るほど踏み板の幅が狭く気をつけて上がらないと足を踏み外して下まで転げ落ちてしまいます
やっとの思いでたどり着いた2階
でも物干し場があるのは…
なんと高さが90cmもある窓の外
古い木枠の窓に手をかけ壁際に置いた不安定な台を足場にしてよじ上っていくのです
こんな危険な毎日を繰り返すおばあちゃんのことを心配でならないのが…
ただいまただいま
13歳も年が離れた妹の喜美代さんとその家族
今も毎日必ずおばあちゃんの様子を見に来ていますがもうこれ以上1人にしておくわけにはいかないと今回喜美代さんの娘と孫も一緒にここで同居することに決めました
でも家が今のままではあまりに不便で危険だらけ
女4人で安心して暮らすことなどできません
そんな家族の不安を拭うべく1人の男が立ち上がりました
独立して個人事務所を持つ前は大手ハウスメーカーに勤めリフォームを専門に扱う部署で数々の実績を積んできた進藤
携わったリフォーム物件は4年間でなんと250軒以上にも及びます
リフォームの打ち合わせとか設定ってカウンセリングに似たところがあるんです住み方自体を僕らの目で「あっこんな工夫されてる」「これは生かしましょう」という部分もありますしすごくここはいい場所になりそうなのに悪い使い方をされてるというのも僕らは見つけることができる一番満足度が上がるというのはマイナスだと思ってる部分をプラスにしてあげることなんですそうすると欠点が長所になるので人も一緒じゃないですか欠点だと思ってた部分が長所って思われるとすごく幸せじゃないですかそういうことをなるべくくみ取るというのがリフォームの最大の魅力じゃないですかね
「マイナスをプラスに変える」そんな逆転の発想こそリフォームの一番の魅力
そう語る彼を人は「夢生む住まいのコンサルタント」と呼びます
そんな経験豊富な匠に託されたのは極端に間口が狭い大阪の古い長屋
(スタッフ)今回お願いした里井さんのお宅は長屋なんですね
(スタッフ)じゃあ得意?得意というか
(スタッフ)こちらの二軒長屋右側のほうが里井さんちの今回のお宅ですこれですかあぁ…すごい一間半ですねスケール的には電車ぐらいのスケールなのかなこの間口を手がけたことはちょっと今までないですね
(スタッフ)進藤さんでも…はいそうですね二間まではあるんですけどこれ一間半だと思うので…
(スタッフ)里井さんのほうからもともと四軒長屋と聞いてます最近切り離されて二間長屋になったみたいですねそれでこちら2軒でこっち側に今新しい家建ってますけども同じ間口で2軒あったんですね四軒長屋でしたらもともと4軒を1棟として考えてますから構造上の話も気になりますねはいはいどうも
83歳のおばあちゃんと一緒に匠を出迎えたのはこれから同居する妹の喜美代さんと姪の史枝さん
(敏子さん)どうぞお入りくださいませここが玄関になる…そうなんです失礼します
カーテンなどを縫製していた元の作業場には長屋で窓もないのに東側の壁一面におばあちゃんが作ったレースのカーテンが…
カーテンの奥に台所のようなものが…ボロ隠しみたいなもんですみんな散らかしてこんなんですねんけどね開けてすぐに台所やからもう恥ずかしいここが火元ですけど換気扇がこの上にないですよね換気扇があっちなんですね
(敏子さん)そうです窓のとこに油煙がここをずーっと通っていってるんですねここ通り道になってますよね
(敏子さん)もうドロドロでしょ
換気扇が遠いだけならまだしもガス台のすぐ真上に戸棚が付けられこびりついた油とすすで真っ黒
目の前の壁にガス管が剥き出しで配管され油煙が舞い上がる天井付近は油まみれ
万一これに引火したらひとたまりもありません
まずそれが…近くを通るとそれが心配おっ…あそこに冷蔵庫ありますけどこれ玄関框の上ですか?ここは土間だったんで昔はここが玄関…
(敏子さん)そっから上がってたんですよ
(敏子さん)ほんとの冷蔵庫の幅がないからね足りないだけ板を置いてこれ片っぽ脚ふんばってないから不安定…ちょっと揺れた時に転倒したりそういう不安もあるし冷蔵庫の置き場が段差がある所にあるから
(敏子さん)そうですねんよいしょいうて上がらんなんでしょ届かないからね
そして食事をとるのはその段差を越えた奥の部屋
間口が狭いせいで小さなちゃぶ台1つ置くのがやっと
それでも1人で食べるだけならまだいいのですが…
妹家族と同居するとなれば話は別
4人で食事をする時はふだん通路として確保している部屋の真ん中にちゃぶ台を移動
みんなで食卓を囲むともう身動きひとつできません
間口が狭いせいで部屋に押入れが取れないため奥に増築した物置部屋
そこにトイレがあるのですがその扉はアコーディオンカーテン
(スタッフ)史枝さんお手洗いがアコーディオンカーテンですけど…すっごいやりにくいですよちょっと離れたとこにみんなのいる居間じゃないですかやっぱり音とかもこっちの音も聞こえるしねこれ聞こえてるってことは「ちょっとやばい?」とか思ってすごい思います
それより困るのはお風呂がないこと
近所に銭湯があるので若い頃は苦になりませんでしたが年を取るにつれその行き来がつらくなってきました
何よりもそれが一番うれしいですよこれさっきからちょっと気になってたんですけどこれは2階に上がるための階段ですよね?そうなんです
(進藤)急ですねだいぶ
(敏子さん)急です
(喜美代さん)姉はね洗濯かご持ってこれ上がっていくんですよ
(進藤)持ったまま上がるんですか?1段ずつこう…もっと重たいけどねこう上がってこんなんですよ片手しかこうできへんから
(進藤)全部足が載ってないですもんねかかとがかかってない状態1人の時を想像するとめっちゃ心配になりますね多少の段差っていうことじゃないですもんねこれ両手塞がってこれまた下りるわけでしょ?蹴り落とす
(敏子さん)ごめん!そやって蹴り落とすねん
(進藤)確かに早かったですよね
(スタッフ)進藤さんどうですか?この毎日の生活
(スタッフ)進藤さん横から見ると角度がえらい分かるすごいですねこれが動きますもんねもうだいぶぐらついてますねんこのぐらつきは怖いですねこの上に干すんですよこっちここへ置いて開けて
(進藤)窓が腰高なんですよねよっこいしょ…このために脚立が…脚立代わりに
(進藤)頭打つ…窓が低いんでね頭打ったりもしそうやしね手すりもないしこの台自体が固定されたものじゃないですね
(敏子さん)ただ置いてるだけです右に足かけて左の時にこの箱に足かけてましたねこれ押すだけで…ちょっと上がってみてもいいですか?意外に広いのは広いですね日当たりも…日当たりからいうといい所になってるんですねここにもカーテン出てきましたね猫除けです
(進藤)バルコニーにカーテンをしてる感じが
(敏子さん)ないでしょ?
(進藤)この辺もおばあちゃんの得意技が出てるんですね斬新ですよね
(敏子さん)恥ずかしい
(進藤)間口が狭いこともさることながら今度は4人が同居するということになりますお風呂とかそういう水回りもなかったものも集約して生活していかないといけない状況なので構造面・機能面・スペースそれから同居するというシチュエーション含めて最強じゃないでしょうか
間口の狭さを克服し妹家族と仲よく安心して同居できるよう里井家が用意したのは1600万円
「夢生む住まいのコンサルタント」進藤の挑戦が今始まります
(所)浅田さん・ジローラモさんこんばんはいらっしゃいませこの細さ両手広げたぐらいの所ですよそこに今度4人住もうっていうんですよ1人でもあれだけ大変なのに4人ってどうするんです?それが今日おもしろいんですけどこんな感じですよ開けるとここ電気消したら真っ暗になるんでしょうね
(浅田)…っていうか危ないこの階段乾いたやつを階段から落とすんですよこうやってあとお風呂もないんですよお風呂入りたいですね自分の家の中で匠どうすんのかなぁだってトイレがアコーディオンカーテンでしたよそーっと出すんでしょうねアハハハッ
(江口)今回ご依頼がありましたのは里井家隣が切り離された築63年の二軒長屋ですここに1人きりで暮らすのは戦争が激しさを増した女学校時代学徒動員に駆り出されてほとんど学校に通えず戦後は貧しい生活の中5人きょうだいの長女として弟や妹の面倒を見ながらカーテンなどの縫製業を営む両親の仕事を手伝う毎日父親がなくなって仕事をやめる20年前までひたすら家族のために働き続けてきましたそんなお姉さんのことをずっと気にかけていた妹の喜美代さんが今度は自分が年の離れた姉の面倒を見る番と近所で一緒に暮らす娘家族と実家に戻り女4人で同居することを決めましたしかし将来の介護のことなどを考えると今のままでは同居など到底無理60年以上も住み慣れた土地を離れることもできず建て直しを含めこれまで数々の住宅メーカーに相談してきましたが間口の狭さを理由にことごとく断られすがる思いで番組にご応募頂きましたそんな難題に立ち向かうのはかつて有名ハウスメーカーのリフォーム部門に勤め今まで250軒以上ものリフォームに携ってきた「夢生む住まいのコンサルタント」進藤勝之さん果たして匠はどのようにリフォームするんでしょうか皆さんで推理してみてください今までいっぱいリフォームしようと試みたんですねでも断られてたと今回それに挑むわけでしょ?すごいことですよね構想があるんですかねあの匠に階段の場所だなこんな真ん中にはいらない
(浅田)…でこんな急じゃなくねもともとあと2軒あったじゃないここ切っちゃってるから構造的にダメだと思うんですよちょっと弱ってるまずは構造補強のVTRからだと思うんですよこれ正解ですから知ってたんじゃないですか?私知らないですよ打ち合わせってスタッフが来るけどお茶飲んでるだけですから
入り口の扉3枚間口が1間半しかない里井家のリフォーム前日
足が悪いのにイスの上に上がって作業場の棚を片づけるおばあちゃん
20年も前に廃業したにもかかわらず当時カーテンの縫製で使っていた仕事道具が今もずっとそのまま
残しておきたいミシン針や糸だけ選んで袋に詰めていました
(スタッフ)愛用のミシンはどのぐらい使われてたんですか?
(敏子さん)もう何年使ってるかね
(スタッフ)すごい年季入ってますよね
家計を助けるため縫製業を営む父親を手伝ってミシンを踏み60を過ぎる年までずっと働きづめだったおばあちゃん
ひと回り以上も離れた妹の面倒や仕事に明け暮れ自分は結婚することもなく家族のために尽くしてきました
うれしいですはい
里井家のおばあちゃんが二十歳の頃から暮らす築63年の長屋がついに生まれ変わります
引っ越しの荷物でごった返す家の中にはこれから同居する妹と姪の姿も
(スタッフ)喜美代さん引っ越し始まりましたね始まりましたね大変ですねやっぱここは古いから
(スタッフ)妹さんとか姪っ子さんが来てくれてますからね
(スタッフ)じゃあ史枝さんもリフォームしておばあちゃんと一緒に暮らすことになりますけどそうなるやろうと思ってしてたんで
間口の狭い家の中で幅を取っていた家具やおばあちゃんの人生そのものともいえる愛用のミシンも運び出されます
ただいま!
同居するもう1人の家族・結羽ちゃんも手伝いに駆けつけました
はい
(敏子さん)疲れてんのになぁごめんね
地元の軟式野球チームに所属している結羽ちゃん
小学2年生から始めて今年で4年
男の子ばかりのチームで活躍し目指すはエースで4番
(スタッフ)このおうち新しくなるけど
(スタッフ)どんなことしたいの?野球
休みの日にはなんと1日12時間も練習しているという結羽ちゃん
野球で鍛えた体力はだてじゃありません
引っ越しでも立派な戦力になりました
こうして家中に詰め込まれていた荷物がすべて片づくと…
ありがとうございました
引っ越しスタッフに丁寧に頭を下げるおばあちゃん
すると今度は60年以上暮らしてきたわが家に向かって…
ありがとう…
古い長屋が残るこの界隈で最も間口の狭い里井家
その極端に幅の狭い家の中で解体が始まりました
台所で油まみれになっていた鉄のガス管は手で簡単に折れるほどもろく
薄っぺらな天井を剥がすのにも手間はかかりません
あの急な階段もようやくお役御免
こうしてかつて家族でカーテンの縫製業を営んでいた里井家の解体はあっという間に終了
あらわになったのは両側に窓がなくトンネルのように縦に長い長屋特有の空間
しかし問題は家の幅が狭いだけではありませんでした
(スタッフ)進藤さん解体ひととおり終わりましたけどどんな印象ですか?
(スタッフ)壁の位置がちょっと違う…
(進藤)この壁の位置とここの壁の位置が1個手前に来てるでしょここはですね
里井家は63年前に建てられた当初は平屋の四軒長屋でしたが50年前に真ん中の2軒が先に2階を増築
その際中央の壁は2軒で共有できましたが左隣の壁は手をつけられず構造を別にする必要がありました
そのため里井家は左側だけ2階の壁が内側にずれ込んでいたのです
(スタッフ)全然ないですねあとはもう足元はですねご覧のとおりその当時も
経験豊富な匠も予想していなかった深刻な事態
まずは長屋で隣と共有している基礎からやり直すことに
川砂利の混じったもろいコンクリートを取り払って新たに基礎を打ち直します
以前は地面がむき出しだった床の下を全面鉄筋コンクリートで覆い…
長屋で隣家と共有する布基礎を頑丈に再生
しかし古い基礎を打ち直しただけではありません
その内側にも基礎を増し打ちして上に新たな土台を
これは支えが足りなかった2階の壁を補強するため新しく組んだ土台の上に柱を立て内側に飛び出ていた「胴差し」と呼ばれる2階の土台を下からしっかりと支えます
長屋が切り離された右側にも同様に構造が不安な既存の壁の内側に基礎を築いて土台を組み柱を立てると…
こちらはその柱を新たな胴差しでつなぎます
そこに太い梁を渡して左右でバラバラになっていた構造を一体に
無理な増築や切り離したせいでバランスを崩し2階を支えるための柱も不十分で基礎もボロボロ
まさに満身創痍だった里井家は…
長屋の古い壁の内側に独立した骨組みを作って頑丈に
しかしそのせいでそれでなくても狭い家の間口がさらに狭くなってしまいました
(スタッフ)進藤さん構造補強終わりましたけどいかがですか?
(スタッフ)そんな印象を受けますけどそうですねご覧のとおりそうですね狭いですね届きます
まずは不安だった構造の補強を終えた匠がこの日リフォーム中の現場を離れ何かの工場らしき場所へとやって来ました
匠が足を踏み入れた広い敷地の中にはなぜか電車が…
実はここ…
これは
ここはJR西日本の関西圏を走る鉄道車両を管理する車両基地
東京ドームおよそ3つ分に当たる広大な敷地に毎日さまざまな電車が集まってきます
ふだんなかなか見ることのできない電車が一堂に集まるため鉄道ファンにとっては夢のような場所
しかしそんな所に匠はどんな用があるというのでしょうか?
こんなとこなかなか見れないですもんねえぇ〜やっぱり基礎に問題ありましたねでもあんだけしっかりしたらもう怖くない感じこれでもう独立してますからね基礎が…ちょっと安心ですねあとおばあちゃん丁寧でしたね引っ越し屋さんにも「ありがとうございました」今度こっち向いて「60年どうもありがとうございました」やっぱりああいうところ見るとこっちからも感動しますね結婚もしないでずっと面倒見てきたんですもんね匠はなぜか電車の点検や整備を行うJR西日本の車両基地を訪れました一体何をしに行ったのでしょうか皆さんで推理してみてくださいえぇ〜なんで?電車からヒントもらうんじゃない?パンタグラフ?洗濯物を干すのに…もしくはレールの仕組みレール動くじゃないですかこっち行ったりこっち行ったり変えられるじゃないですかお風呂が出てきてお風呂がへっこんでトイレが出てくるとかこういうふうに入れ代わる…何かここでイメージするんですよねただの鉄道ファンだから行きましたじゃないですもんね
里井家の構造補強を終えた匠がリフォームの途中にわざわざ現場を離れて訪れたのは電車の点検や整備を行うための車両基地
しかし一体リフォームと何の関係があるのでしょう?
どうもこんにちは今日はよろしくお願いします
事務所の前で待ち構えていた職員から安全ベストとヘルメットを手渡されその場で身に着けると…
そのまま敷地内の線路へ
(口々に)よしよしよし…
安全確認をしながら線路を渡っていく2人
一体どこへ?
リフォーム中の現場を離れ匠がやって来たのはJR西日本の電車が集まる車両基地
ふだん関係者以外は入れないこの施設を匠が訪れたのはある特別な用事があったからでした
(進藤)あっきました「トワイライトエクスプレス」
(スタッフ)進藤さん
「トワイライトエクスプレス」は大阪〜札幌間を結ぶ日本一距離の長い寝台列車
平成元年の運転開始以来25周年を迎えた今も多くのファンに愛されています
旅情に浸りながらのんびりと車窓の景色を堪能できるのが寝台列車の醍醐味
しかしそれにしてもなぜ匠はわざわざこの電車を見学させてもらいに来たのでしょうか?
あの里井さんのお宅はですね間口が狭いんですけども実測内法測りますと2m55cmほどなんでね列車というのが製作限界みたいなのがありましてそうするとやはりこの電車自体が旅客列車・寝台列車ということなので
これまで一度も寝台列車に乗ったことのなかった匠
その中には間口の狭さを克服する驚くような工夫が車内いっぱいにちりばめられていました
大阪〜札幌間を結ぶ人気の寝台特急
その車両の幅はリフォーム中の里井家の間口とほぼ同じ
1両分の客室の奥行きも細長い長屋がちょうどすっぽり収まる寸法でした
そこで匠はリフォームに生かせるような工夫がないか見学にやって来たのです
乗り込んだのは先頭車両
こちら客室ですかねこれがね
(徳田)これがBコンパートと呼ばれて個室風に4人でも使えるし知らない者どうしも一応部屋として仕切れるという
(進藤)入っていいですか?
(徳田)どうぞこれすごいですねおっ!はしごですね
(徳田)それが上に登るためのはしご
(進藤)ここにもちゃんとこう…気の利いたとこに取っ手が付いてますよ
(スタッフ)あっここつかまれるように…
(徳田)これはスペースの問題で開いてると車窓を見る時にどうしても邪魔になるんでね窓際にどうしても座るじゃないですか
(スタッフ)景色をなるべく遮らないようにと
(徳田)あとベッドなんでねその下に引き出せる転落防止の柵が付いてるそれです立てて頂くとロックがかかる
(進藤)カチャッあっこれでこっち側落ちないとなるほどあっここにもテーブルありますねあっこれも…ヒャッ…随所にフックがあるんですけどこういうのもやっぱり収納とか上着を掛けたりとかちょっとした小物を掛けれたりするんですよね入ってみないと分からないですがこの通路が低くなっててこの上なんですけど実は収納になってます
(スタッフ)廊下が低いのを利用してこういうとこもちゃんと手すりが付いてるから
(徳田)その取っ手引っ張ってください
(進藤)これはイスですか?
(徳田)寝台列車なんで車窓っていうの両方景色楽しめるんで通路といえども1人たたずむスペースがあってこれいいですね景色もそうですし
(スタッフ)徳田さんこの先の車両は…
(徳田)扉開けてくださいこちらでいいですか?ガラスでもなくなってますしここは完璧に個室という扱いなんですね
(進藤)木目調でちょっとグレードが上がりましたね下がソファーになってて上がベッドですねこれもまたいいですねこの部屋はベッドがねやっぱり天井頭狭いんでこのボタンを触って頂くとベッドが上昇しますおっ…おっ!電動
(徳田)こういう感じで昼間はこういう形ですごいしかもここにこういうテーブルがあってちょっと足元失礼致します上げると…手動なんですけどテーブル…これが昼間の状況ですね
(スタッフ)どうですか?進藤さん天井上がるのここにスイッチ類があって電気等を切ったり入れたり暖房があったりとか…
(進藤)暖房も個別で…
(徳田)ソファーの下に温風暖房機が付いてまして
(進藤)これが空調になってるんです足元がさっきから涼しいなと思ってたんです
(スタッフ)その下に空調が入ってる?
(徳田)入ってますこのレールっていうのがこの扉がやって来るレールですよいしょ…すごい広々ですよこれ
人数によって間仕切りを開閉できるこのB個室
ベッドの下の対面式になっているソファーは…
これはもう単純に金具付いてましてこれを上げると…こういうふうに下りてきますこちらも上に上げるとロックが外れて引っ張り出すとこういうふうにベッドに…
(進藤)うわようできてる何?これほんとださっきと同じ状況になりますねこれちゃんとこうフットライトが付いてますね
(スタッフ)イスの中に入ってるんですか?
(徳田)はめ込んでますグレードがグッと上がるんですねここがA個室のロイヤルなので…ちょっと入らせてもらっていいですか?はい
(スタッフ)あっ個室感が…なるほど
(スタッフ)壁面にいろいろ機能を持たせて
(進藤)そうですねテレビありますもんねスイッチ関係があってドライヤーもあるのでそこもしかすると…
(徳田)ここはシャワーと洗面とトイレもありますほっ…すごいなぁシャワールームですねすごいハイテクな感じですねシャワーやってここにも置けますし高さも変えれますし
(徳田)下が便座トイレになります
(進藤)うわっ…出てきましたかっこいい「洗面台」って書いてますねおっ…すごいトイレも小ぶりですけど僕らぐらいの体格の人やったら全然問題ない感じですねこれをベッド押しますと…
(進藤)すごいすごい
ソファーの背もたれが自動で手前に倒れてダブルベッドに
そう言って構想を練る匠が客室と廊下を合わせた車内の幅を測ってみると…
(進藤)ちょうどねハハハハ…ですよねおっ開きました自動ドアですここからサロンカー
(徳田)ここからはぜいたくに空間を使ってるっていう
(進藤)それからほかの車両と違ってこのラインですねこっから上も窓になってますのでほかとは違う開放感もあるし実際の明かりも取り込むっていうことができますよねしかも段をつけるということ立体的になるっていうことでちょうどこっちに座った時に前のお客さんの頭が気にならないぐらいの位置にありますから床のレベル差っていうのは効果的になってますよね
サロンカーの次の車両は「トワイライトエクスプレス」が豪華寝台列車と呼ばれるゆえんでもあるフレンチのフルコースも楽しめるきらびやかな食堂車
(スタッフ)このレイアウトって完全に里井さんのお宅と同じといいますかこっちにベッドがあってみたいな感じでしたもんね
(進藤)そう考えるとすごく広く感じるんですけどこっから例えば28cmぐらい
(スタッフ)手応えを感じたと…
そして最後尾にあるのがスイートルーム
きました突き当たりにドアが…「1号車A−1」いいですか?・はいどうぞ・失礼しますおぉ…すごい!これは…全部サイドだけじゃなくて180度ビューが
(スタッフ)すごいっすねすごいっすね
(進藤)先頭か後ろしかないですもんね進行方向を見れるっていうのは
(進藤)そうですよね一番ここから埋まっていくんじゃないですか?
(スタッフ)進藤さん先頭車両から後方車両まで見てこられましたがどうですか?
(進藤)受け取る側も狭いのに楽しいなっていう
間口が狭くてもこんなに充実した空間を作ることができる
そんな確かな自信と手応えをつかんだ様子の匠
でも里井家は寝台列車よりもさらに間口の狭い家
現場では長屋の壁の内側に組んだ頑丈な骨組みの上に構造用合板をかぶせて2階の床が組まれていました
しかし通りに面した南側の3畳分のスペースだけなぜか床が70cm低く下げられているではありませんか
そこに届いたのは高さが2m20cmもある大きなガラス窓
それを床を下げた2階の南向きの開口に設置
まるでベランダに出る扉のような大きさですが実際にはその外にベランダはありません
しかも床から70cmの高さがあります
そこに匠が運んできたのは鏡
四角い大きな鏡が全部で4枚
これをどこに付けるのかというと…
1階の西側の壁
それも人の姿が全く映らない天井いっぱいの高い位置
ちょうど柱と柱の間にぴったりはまるサイズ
4枚すべての鏡が横一列にして張り付けられました
20年前に廃業したもののカーテンの縫製をしていた作業場がずっとそのままだった里井家
コンクリートの土間に板を敷いただけの寒々しい作業場が木の温もりに包まれた明るい居住空間へと生まれ変わりました
実はこの複雑な空間作りは匠の緻密な計算に基づいたもの
(進藤)天井だけでも三間になってるという
(進藤)寝台列車を見学に行った時にサロンカーっていうのがあったの覚えておられますかね?
長屋の構造上両側の壁に窓を取れない里井家で最も採光と通風に恵まれていた通りに面した2階の南側の部屋
そこから入る光と風を家全体に行き届かせるためにあえて段差をつけた2階の床
しかしその効果はそれだけではありません
(スタッフ)ほんと特等席というか…
(進藤)そうですね窓を生かすためにここがやっぱりポイントになってきます
(スタッフ)寝台列車に負けず劣らずという…
「トワイライトエクスプレス」を見学して得たアイデアを見事に生かし間口の狭い暗い長屋に立体的な広がりと明るい光をもたらした匠
次なるアイデアを形にするため再び現場を離れ今度は家具工場を訪れました
こんにちはどうも今日はよろしくお願いします
そこに用意されていたのは幅10cmの細長い杉板
1ヵ所小さな四角い穴が開けられたものもあります
こうして杉板を組み合わせて作ったのは角が1つだけ欠けたような形の四角い木枠
その木枠の両面に化粧板を張り付ければ完成
角が1つ欠けた90cm四方の箱が2つ
こんな薄っぺらな木の箱を一体何に使うのでしょうか?
明かりをうまいこと考えましたねやっぱり明かり大事ですねああいう狭い所でも光が入れば目線が広く感じるんですだからすごい気分が違うんですね狭くなってるんだけど広く見えてます鏡も使ってるしあの寝台列車乗ってみたくなりましたね一番いいスイートがあったでしょ一番お尻のあそこよりも2つ広がる所あったじゃないですかあそこで4人で旅したいですね友達とわいわい言いながらねあそこからたくさん勉強したんですよ匠は家具工場で角が1つ欠けた90cm四方の薄っぺらな木の箱を2つ作りました一体何に使うんでしょうか皆さんで推理してみてください列車からヒント得たんですよきっとまただからどっかから出てきて組み上がるんじゃないですか?あっテーブルだテーブルですよねベッドじゃちょっと狭いよねテーブル以外に思えないですもんねでもなんでこんな厚みがあるんでしょう
羊毛を特殊な方法でプレスして作ったマットに生地を張りそれを2つ並べてみる匠
一体これは?
リフォームも終盤を迎えた里井家
この日現場で待ち構える匠のもとに到着したのはワゴン車2台
どちらも先日訪ねた家具工場の車です
届いたのは里井家の内装の仕上げに使う作りつけの家具
ワゴン車2台分の車内いっぱいに隙間なく積み込まれていました
(スタッフ)お車2台で家具いっぱいっすねいっぱい来たでしょう
匠も手伝って1つずつ家の中へ
新しくできた玄関を上がると…
天井の低い廊下を抜けて奥へと進み向きを変えて緩やかにかけ替えた階段を上がり2階にできた新しい部屋に運び入れました
1つずつが引き出しになっている同じ大きさの木の箱が全部で12個
さらに階段で持って上がれない大きな木枠を2階の窓から
その木枠も同じものが3つも…
届いた家具はすべて2階に運び込まれ部屋の中がいっぱいに
窓から入れた大きな木枠には裏に板を張り天井の高さにまで持ち上げて壁に固定
ここで1発打たせてもらいますはい
3つを横一列にして並べると壁の幅ぴったりに収まりました
そしてあの角が1つ欠けた薄っぺらな箱
その裏側に開けた穴から電気の配線を通し前の小さな四角い穴から引き出すと…
柱に沿わせてついたてのように立てて設置
もう1つも手前の柱に立て壁際を3つに区切ります
そしてそのついたてで区切った3つのスペースの床に12個届いた引き出し付きの箱を並べていきます
1つのスペースにつき4つずつ3ヵ所すべてにぴたりと収まりました
羊毛をプレスして作った弾力があって通気性のいいマットはこの上に敷くためのものでした
こうして一続きのワンルームになった2階の部屋に匠がデザインしたオリジナル家具をすべて設置し終えました
3つに区分されたスペースが壁際に沿って縦一列に並んだ細長い部屋
身動きできないほどたくさんあった家具が整然と収まり狭さを感じることはありません
(スタッフ)進藤さんこちらのお部屋はどういったお部屋になるんですかそうですこれベッドになります
(スタッフ)縦並びなんですね3人はい9畳といえば狭いんですけれども
(スタッフ)なるほど
(進藤)ちょっと電車っぽいでしょそれでですね今回ヘッドボードを作ってますこのフットライトはここのスイッチをつけますと足元がつくようになってますまずですねベッドの下なんですがこのように引き出しの収納になってます日頃使う下着であるとかそういう隠したい衣類を想定してでベッドの上も収納になってましてこちらを開けますと…それでですねまだもう1つちょっと作ってるものがあって
(スタッフ)あっ!
さらにこのベッドマットを半分壁に立て引き出しを2つ反対側の壁に移動させればソファーに早変わり
これで匠の作業はすべて終了
寝台列車のような機能性と楽しい工夫をふんだんに盛り込んだそのリフォームの全貌をご覧頂きましょう
2年前に四軒長屋の右側半分が切り離され左隣の家と2軒だけが残った里井家
間口が僅か一間半しかない極端に幅の狭い家でかつてカーテンの縫製業を営んでいました
ここに1人きりで暮らす83歳のおばあちゃん
仕事をやめたのはもう20年も前
昔も今も食事の支度や洗濯など家事をこなすのはすべてこの古い作業場
足の悪い83歳のおばあちゃんが一番苦労するのは2階の物干し場へ行くまでの動線
傾斜が60度以上ある崖のような急階段
さらには高さが90cmもある窓を乗り越えていかなければなりませんでした
こんな危険な家で1人にしておくわけにはいかないと13歳年下の妹が娘と孫を連れて同居することを決意
でもこのままでは姉の世話をしながら4人で暮らすことなど到底無理
そんな里井さん一家のために奮闘したのはリフォームの匠・進藤勝之
「夢生む住まいのコンサルタント」が挑んだリフォームの全貌をご覧頂きましょう
狭い間口のせいでリフォームはおろか新築ですらどこの住宅メーカーからも断られ途方に暮れていた里井家
それが…
なんということでしょう
見事念願のリフォームを果たし基礎から頑丈に構造補強
外観もガラリと印象を変えてモダンに生まれ変わりました
ひときわ目を引く2階の大きな窓のおかげで間口の狭さも以前ほど気にならなくなりました
天井の高さまである大きな玄関の格子戸はプライバシーを保ちながら最大限南向きの明るい光を導き入れ家の一番奥まで一直線に通した動線は気持ちのいい風の通り道にもなります
玄関らしい玄関もなくコンクリートの土間に板を敷いて台所や洗濯機を置いていた作業場
そこに家族用の立派な玄関ができました
土間の広さを3畳も取ったのは2階の床に段差をつけると同時に玄関に自転車を2台置きたいという家族の要望に応えるため
壁一面の大きな靴箱には外出用の上着やバッグも入れておけます
以前は料理を作る所と食べる所が遠く離れその境に大きな段差もあって行ったり来たりが大変でした
それを1つの空間にまとめて段差も解消
これからは対面式のキッチンで作った料理を目の前の食卓へサッとすぐに出せます
家族4人で囲むテーブルの脇の壁には柱の厚みを利用して自由に位置を変えられる可動棚を設け天井にはつり戸棚も
狭い間口を圧迫することなく生活空間を少しでも広く使えるよう工夫しました
反対側の壁には柱の厚みを利用して手すりを設置
玄関から家の一番奥まで途切れることなく一直線につなぎました
これでおばあちゃんも家の中を安全に行き来できます
以前よりもさらに間口が狭くなったにもかかわらず窮屈さを感じさせず通路まで確保された里井家
新しい対面式のキッチンはコンパクトながら大きなシンクと十分な収納を備えています
おばあちゃんでも安全に使えるようにと家族が希望したIHヒーターの下に家電を置くスペースを設けその下にも引き出しや床下収納が
踏み台としても使える引き出しに上れば換気扇のダクトを避けて作った高い戸棚にも手が届きます
キッチンの壁にも柱の厚みを生かしてスパイスラックを備えるなど空間のむだを徹底的に排除した匠
狭い間口に収まるようギリギリのサイズで作ったこのシンクもスライド式の天板を閉じれば作業台を広くして使えます
玄関の格子戸だけでなく2階から入る光が壁の鏡に反射して明るさと開放感を生み出すこの空間
ここが窓のない長屋であることを忘れてしまいそう
玄関を閉めたままでも2階から爽やかな風が通り抜けます
その間口の狭さゆえ廊下を作ることなど以前はとても考えられなかった里井家
匠はそんな先入観を振り払い理想の間取りを実現
里井家にできた初めての廊下に面して作られたのはこれもまた築63年の里井家で初となるおばあちゃん念願のお風呂
これまでは洗面所さえありませんでしたがこれから始まる女性4人の生活
大きな鏡の付いた洗面台も欠かせません
83歳にして人生初の内風呂
足の悪いおばあちゃんでも楽に入れるよう通常よりも少し高さの低い浴槽にして手すりも付けました
寝台列車からヒントを得た匠
あえて廊下の天井を低く抑えたのは天井裏収納を確保するためでした
お風呂の隣はトイレこれからはもう扉がアコーディオンカーテンだった以前のトイレのように音やにおいを気にする必要はありません
間口が狭いせいで押し入れが作れずあとから増築した北側の物置部屋
本来は玄関以外に光と風が入る唯一の場所
そんな条件のいい場所に今回匠が用意したのはおばあちゃんのための独立した寝室
大きな北側の窓のほかにもう1つ東側にも窓を設けることができたので朝日が差し込む気持ちのいい部屋になりました
窓に付けたカーテンはおばあちゃん自身が作ったもの
引っ越しの際に片づけるのに手間取っていたかつての作業場
実はその作業場には天井裏収納がありました
手伝いに来ていた匠が中をのぞいてみると…
20年前からそのまま置きっぱなしになっていた真っさらなカーテン用の生地がいくつも出てきました
全く傷も汚れもないきれいなままの生地
これを使わない手はないと考えた匠
おばあちゃんに好きな生地を選んでもらい自分の部屋のカーテンを作ってもらうことにしたのです
裁ちばさみを持つ手も堂に入ったもの
さすがこの道一筋の職人
仕事をやめて20年たった今でもその腕は健在でした
60年もの長きにわたって人生を共にしてきた愛用のミシン
まだまだこの先もおばあちゃんの相棒として活躍します
おばあちゃんの古いたんすの引き出しを再利用して作りつけた壁一面のクローゼット
洋服や小物など身の回りのものはここにほとんど収まります
かかとが乗らないほど踏み板の幅が狭くはしごのように傾斜が急なため持って下りられない洗濯かごを蹴り落としていた階段は…
廊下に面して向きを変えてかけ替え踏み板の幅を広げて傾斜も緩やかに
回り階段となった新たな動線
実はこれ2階へ上がるためだけのものではありません
その階段の途中に浮かぶ扉
これはおばあちゃんの部屋の屋根裏にできた新しい空間への入り口
そこは4畳もの広さを誇る大きな屋根裏収納
窓を付けたので湿気がこもらずふだん使わないものを何でも押し込んでおけます
50年前に増築した2階は構造の不安をなくし縦並びで3つの部屋に間仕切られていた間取りを一変
ここは同居する妹家族の寝室
寝台列車の客室をイメージして親子3世代が仲よく楽しく過ごせるよう縦に長いワンルームの部屋に変えました
綿密に寸法を計算して作った3人分のオリジナル家具を一分の隙もむだにせず配置し縦の空間も最大限利用してそれぞれの収納を確保
幅を取るクローゼットはベッドの上の邪魔にならない場所に作りつけちゃんと出し入れしやすいよう工夫しました
ベッドがソファーになるのも寝台列車と同じ
まるで電車の旅をしているかのような遊び心を加え単に寝るだけの場所ではなく生活を楽しめる空間に仕上げました
両サイドに窓が取れない長屋のリフォームで匠が目指したのはとにかく明るくて風通しのいい家
低く圧迫感のあった天井を取り払い屋根の傾斜を上げて北向きの小窓を設けました
そこから入るやわらかな光が真っ白な壁に反射して下まで落ちてきます
天井を少し残して屋根裏にスペースを生みそこへ上がるためのはしごも用意
間口の狭い長屋のありとあらゆる空間を使い切る匠の飽くなき挑戦
広さが3畳もあるロフトスペースは結羽ちゃんの遊び場にもなりそうです
そして「トワイライトエクスプレス」の展望サロンカーをほうふつさせるのが2階の一番南側に作ったこのスタディーコーナー
3畳分床を下げることで1階にも日の光を届けることができました
ここは結羽ちゃんの勉強部屋
これから中学校に上がって試験勉強で夜遅くなった時でも寝室とカーテンで仕切ることができるので寝ているお母さんたちを気にせず勉強に集中できます
大きな窓の向こうに公園の景色が開け季節の移り変わりが楽しめるこの場所は里井家で一番の特等席
それとは反対の北の端に以前あったのはおばあちゃんが危険な思いをして洗濯物を運んでいた窓の外の物干し場
その窓を塞いで作ったのはなんと洗濯機置き場
左側にかけた階段を6段上がって外へ出ればそこが新しくなった物干し場
洗った洗濯物を無理なくすぐに物干し場へ持って出られるよう動線を最短にしたのです
床のコンクリートがひび割れ雨漏りしていたかつての物干し場は広さが6畳もありました
それを2畳削っても物干し場としては十分な広さ
その足元に描かれていたのはなんと野球のバッターボックス
しっかりと防水処理が施された床一面を覆うのは実際にプロ野球の球場でも使用されているクッション性や耐久性に優れた芝の長い本格的な人工芝
住んでいるマンションのエレベーターホールで毎日素振りをしている野球少女の結羽ちゃん
新しい家でも練習できるスペースが欲しいと言っていた結羽ちゃんの願いを匠はちゃんとかなえていました
物干し場をあえて広く残したのはこのため
ピッチングの練習や素振りができ左利きの結羽ちゃんに合わせてバッターボックスも左打席に
女子プロ野球選手の夢に向けここでの練習がきっと身になることでしょう
同じスケールの寝台列車からヒントを得て間口が狭くて欠点ばかりだった里井家をむしろ狭さを楽しめる家へと変貌させた匠
もはや長屋だったとは思えないほどすっかり生まれ変わったこの家を果たして家族は喜んでくれるでしょうか?
ずっと一人暮らしだったおばあちゃんがこれから同居する妹家族と一緒に4人そろって久しぶりにわが家に帰ってきました
どうなってるかな?楽しみやなぁうわぁ〜!いやっ!すっご〜い!
(史枝さん)めっちゃ広いあら〜すご〜いうわ〜すごいなぁ
(スタッフ)おばあちゃんちょっとこっち見てください
(スタッフ)下の時は下の手すり
(喜美代さん)上へ上がる時はここ
(スタッフ)こっちも手すりになってますからあら〜これは?
(スタッフ)2階の床が玄関のとこだけ低くなってまして南側に大きい窓があったじゃないですかあそこから段差を作ることでこっち側に光を入れるとすごいなぁわっ!
(史枝さん)お風呂やきれいきれい明るいなぁ
(史枝さん)それやったらお風呂入れそうか?十分十分うわ〜
(スタッフ)念願のうわっ!
(スタッフ)そうですねこれ昔あった
(史枝さん)残ってた生地で
(スタッフ)おばあちゃんこうしてみるとなかなか部屋に合いますでしょ残したいんやけど何にもできへんからね袋とか何かでもするんでも
(スタッフ)楽しみ増えましたねそうやな扉もあるやん何?これ
(スタッフ)それ段になってますからそっから入れるように十分!十分十分・いける?おばあちゃん・うわぁすげぇうわっなんかすごい
(スタッフ)史枝さん真ん中とかね結羽ちゃんがこっちとかこっち側?
(スタッフ)そうすると…こうだ
(スタッフ)そうそう…ソファータイプにもなる発想がもう
(スタッフ)まさにさっき電車のようっておっしゃってましたけど寝台列車を見に行ってそれでいろいろなことを勉強しながら
(スタッフ)結羽ちゃん奥気になるでしょいいよ奥見てみてここさっきの段になってるとこですね
(史枝さん)できる?パチパチパチパチ…
(拍手)圧迫感がないねん全然
(スタッフ)そうですね収納がたっぷりあるんで
(史枝さん)うれしいわこうやって座れる…お〜い!あら〜!
(史枝さん)洗濯機どこに置くんかなと思っててそのまま干しに行けるんや・いっせ〜の〜せ!・うわぁうわぁ…すげぇ!これね進藤さんに結羽ちゃんがむちゃ振りしてた
(スタッフ)ベランダはね限られたスペースですけどもこれほんとえぇ〜!すごい!
(スタッフ)結羽ちゃんフルスイングできそう?
(スタッフ)おぉ〜!
(スタッフ)おぉ〜!いいね〜結羽ちゃんどうですか?どないなってるかな思て…あっこんにちは〜
(敏子さん)どうも座ったままで失礼しますご無沙汰してます
(史枝さん)ありがとうございますいやいやどうも
(敏子さん)天井も高いしねよかったです
(スタッフ)おばあちゃん楽しんで暮らせそうですか?いやいやありがとうございますただうれしいありがとうございましたそれぐらいの言葉しか出ませんありがとうありがとうございますうれしいですどうも「はい」としか言ってないですよねありがとうございましたありがとうね
新しくなった台所に2人仲よく並んで立つ妹思いの姉と姉思いの妹
ずっと願い続けてきた同居生活の夢がようやくかないました
家族が4人に増えてにぎやかになった里井家
みんなで楽しい未来に向かって新しい人生の旅へと出発進行
(スタジオ内拍手)すてきに仕上がりましたねこれね
(浅田)よかったおばあちゃん感動してましたねこの幅ですよこの幅で4人が楽しく暮らすってすごいですよねあの3人のベッドは楽しそうですね夜しゃべったりしながらね親子ででも「トワイライトエクスプレス」かなりヒントになってましたね逆に今度は「トワイライトエクスプレス」があのやり方もいいなとか1両をああいう編成で作んのもいいかなって考えるんじゃないですかね今情報入りましたよ「トワイライトエクスプレス」今年で終わりですってえぇ〜!
(浅田)乗っとかないとダメじゃないですか春で終わり?春ってもうすぐじゃないですか老朽化何の?線路の?あっ車両の?リフォームするわけにはいかないんですかねうちの匠がやればできますよこれ基盤からやりましょうと
明石家さんまのコンプレッくすっ杯
芸能界6大コンプレックススペシャル!
2015/12/31(木) 06:50〜08:55
ABCテレビ1
大改造!!劇的ビフォーアフター 極細狭小リフォーム2時間SP[再][字]
間口が狭すぎる“両手広げた幅の家”▽過密!三世代女4人▽匠が挑戦!9畳弱に3ベッドルーム▽予約殺到の寝台特急!驚きの機能を家に応用▽匠も涙!83歳人生最高の喜び…
詳細情報
◇出演者
所ジョージ、江口ともみ、浅田美代子、パンツェッタジローラモ
◇おしらせ
番組ではリフォーム依頼を大募集!家の大・小、予算は問いません。詳しくは番組HPまで!「劇的ビフォーアフター」で検索!!
☆番組HP
http://www.asahi.co.jp/beforeafter/
◇監督・演出
高橋章良
◇音楽
松谷卓
◇制作
ABC
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
バラエティ – その他
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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