(テーマ音楽)いよいよ年の瀬おせちを手作りしませんか?でも年に一度の事ですから失敗は嫌ですよね。
おなじみの王道おせちを誰でも失敗せずに作れる「イロハ」。
料亭主人が楽しく指南します!最終日の今日は素朴な味わいでおせちをどっしりと支える…料亭主人田村さんに教わる王道おせちの3日目。
今日は「煮しめ」ですね。
「煮しめ」でございます。
煮しめってねひらがなで書くと「にしめ」って書きますけども漢字で書くとね「煮て染める」っていう字書くんです。
だからものすごくきれいだなと思うんですけどね。
食材の色とか形とか味を生かして一つ一つを煮てやるのがいいんですけれども一つ一つ煮ていくと結構大変じゃないですか。
だからね今回はですねちょっと考えました。
それぞれの食材の色や味わいを生かしつつ作りやすくて失敗なし。
田村さんが考えた煮しめの「イロハ」早速教えて頂きましょう。
イロハの「イ」!イロハの「ロ」!イロハの「ハ」!チーム分けした上にローマとは?その意味詳しく教えてもらいましょう。
どんなチーム分けをしていくのか気になるので早速教えて頂きましょうか。
まずですね「彩りごとにチーム分け」という事でございます。
イロハの「イ」からですね。
まずですね白っぽいもの。
高野豆腐。
それかられんこんですね。
それから淡い色としてはにんじんも一緒にね入れてしまおうかなと…。
赤いけれども淡い色。
それから今度は黒いもの。
しょうゆの色がついても大丈夫なもの。
そして素材が黒いもの。
干ししいたけですね。
それからごぼう。
それからこんにゃく。
もう一つこれは白なんですけどもちょっとヌルヌルしてるのでこれと一緒に合わせないでこの3つのチ−ムに分けてお鍋3つで煮しめを作っていきたいと思います。
まず白いチームからいきましょうか。
お願いします。
高野豆腐ですがお水でよく戻してもらってね。
これを戻したらギューッと絞って…。
ギューッと絞ります。
はい。
絞ったらこれをですね6等分。
6等分にしていきますね。
1枚を6等分にしていくと。
入れちゃいます。
その次れんこん。
皮をむいて…。
れんこん皮むいて酢の入ったお湯でゆでておきます。
酢ですか。
へえ〜。
お酢を入れてゆでると白く上がりますから。
こうやってゆだったら…。
れんこん2節です。
これも切っていきますね。
はい。
ゆでるとバリバリッて割れないので。
そうですね切りやすいですね。
切りやすいですね。
1cm幅ぐらいですかね。
そうですね。
これも入れておきます。
さてにんじんなんですよ。
問題はにんじんなんですね。
皆さんよくねにんじんをこういう型抜きなんかでねお正月使います。
その時にねここのにんじんの真ん中のところをこういうふうに抜くんですよ。
そうするとこれ花弁の…雄しべと雌しべみたいに見えるじゃない。
にんじんのこの黒い部分がね。
一番なんかきれいだなと思う感じなんですけども実はよ〜く考えてみるとここすの入ってるところで一番あんまりおいしくないところ。
一番おいしくないところをね梅にしてね一番おいしいところをまた違うとこにしちゃってるでしょ。
だからね私はこうやってこれを4つに切るんですよ。
はい。
縦4等分して…。
4等分してこれを…。
中央部分を切り落として…。
切り落とすの。
切り落とすでしょ。
そうするとどうなるかっていうと今度これをですねここにこうやって合わせて…。
へえ〜。
そうするとこういう梅形になるでしょ。
ふ〜ん。
はいはい。
へえ〜。
そしてこれをですねこの中心に向かってね包丁するの。
切り込みを入れていくんですか。
こういうふうに切り込みを入れながら切り込みのところにこうやって包丁を…。
ああ薄〜く…。
斜めに。
そうです。
そうすると「ねじ梅」ってこういうのが出来る。
わあ〜きれいですね。
爪もきれいですけどね。
こういうふうにしましてこれも一緒に白いところに入れていきます。
はい。
では煮ていきます。
はい。
おだし入れますね。
はい。
お砂糖ですね。
それからうす口しょうゆですね。
これをですね沸かしていきます。
にんじんは生のままでも大丈夫です。
もうこのまま火が…煮ている間に火が通っていきます。
それで沸いてきましてアクをすくってから落としぶたをしていきます。
はい。
次里芋。
この間に沸く前に里芋をいきましょうね。
里芋はですね六方にむくってよく言うんですけども…。
こう上下にこうね。
上下にこう…。
ここをこういうふうにむいたらこっちに60度…。
60度。
60度6×6=36ね。
360度。
60度回すんですよ。
そしてここの皮を見ながらちょっと実をつけてこういうふうにむくんです。
はい。
また60度回すんです。
それでまた皮を見ながら実を見ながら皮を残さないように切っていく。
大事な事はゆっくりグチュグチュやんないで一気にシュッと。
スッと…。
シュッとむくという事。
そうすると六方になりますよね。
これをお酢を入れたお湯の中でゆでていきます。
こちらもお酢ですね。
お酢の中でゆでますとね白く仕上がります。
れんこんもそうでしたね。
そうですね。
仕上がりましてこうやってちょっと箸でスッとやってくとスーッ通ります。
はい。
そしたらお水の中で一度締めます。
お芋をね。
でさらしましょう。
軽くさらしてぬめりを取ります。
はい。
米のとぎ汁なんかでやっても結構ですけどもね。
今日はお酢で真っ白に上げていきますね。
そしたらこれを並べていきますね。
重ならないようにねお鍋とかフライパンとか…。
広げて…。
広げてできるようにして下さい。
おだし入れま〜す。
お砂糖が大さじ3ですね。
それからうす口しょうゆ。
では先ほどのにんじんと高野豆腐とれんこんですがこうやって今沸いてきてアクを取ってありますのでこれを落としぶたをします。
何で落としぶたをするかというと上の方に頭出てますね。
それから浮いてきてます。
それが落としぶたをする事によって全体が煮えていくという。
そういう仕組みになってますからね。
蒸気を外に出さないようにする。
弱火にしてですね中で対流をつくるんですね。
3〜4分間煮て3〜4分間煮たら今度は落としぶたを取って冷まします。
火から下ろして…。
冷めながら先ほどの入れた調味料がジワジワと中に入っていきますので味が入っていくと。
それを3〜4回繰り返して仕上げていきます。
必ず落としぶたを取ってね冷ますんですね。
冷ましてる間に味が入る。
つまり…イロハの「ロ」が出ましたね。
煮ない時間が煮物をつくるというそういう事ですよね。
なるほど。
いよいよこれ3〜4回…4回目かな。
繰り返したものですね。
最後ですね落としぶたを取って煮しめていくんですね。
はい。
このおだしがあまり残らないようにず〜っと今度落としぶたを取る事によって蒸気としておだしの中に入ってるうまみだけをここに閉じ込めていらない水分を出していくわけです。
その時は全開ですよ。
強火。
強火で。
強火で今度は照りを出しますね。
こうずっと入れまして一番最後にねみりんを…。
照りを…。
それから品のいい甘さを。
最初からみりんを入れると野菜の繊維がギューッと締まってしまいますから。
だからお砂糖だけで仕上げますよね。
最後に仕上げにみりんですね。
最後に仕上げにみりんを入れていきます。
いやぁいい感じに…。
こんなに艶が出てきたほら。
出てきましたね。
ツヤツヤになりましたね。
はい。
だいぶ煮汁もねもうなくなって…。
今僕フライパン使ってますけどご家庭でね平べったくって面積が広くって浅くってなおかつ回せるお鍋ってフライパンが一番いいんですよ。
そうですね確かに。
こんなもんでいいかな。
これを移しますね。
わあ…。
移しました。
はい。
これもですねお芋も…。
里芋ですね。
煮ては冷ましを繰り返しをやっていくとこんな感じに仕上がります。
さっきむいた時にキュッとむいてって言ったのは結局キュッてむく事によって煮崩れがしにくいという事。
それから艶が出やすいって事です。
これがザラザラザラザラしてると表面からどんどん煮崩れていくんです。
そして艶もなかなか出ないです。
なぜかと言うとザラザラしてるから。
これもですね3〜4分間煮る。
それから落としぶたを取って冷ます。
それからまた煮る。
冷ます。
煮る。
冷ます。
それでみりんを入れて艶を出して頂いて終了と。
見てこれ。
もう〜…。
わあ〜!ほんとですね艶が…。
艶やかですねぇ。
はい。
この味出来ました!白チーム…白チームね。
はいOKですよ。
里芋も出来ましたね。
という事で残るは黒いチームですね。
黒チームいきましょうか。
これはですね一晩水につけて戻したしいたけですが…。
ちょっとだけちょっとだけお砂糖入れると浸透圧で戻りが早い。
砂糖1つまみ。
それでこの軸を切っていきますね。
軸が取れましたね。
軸が取れましたのでフライパンに入れま〜す。
はい。
そしたら今度はごぼうもねもうほとんどゆだってますけど斜め切りしてちょっと厚めにこんなふうに切って…。
米のとぎ汁でもいいし米ぬかでもいいし。
これをちょうど刺してみて火が入ったの確認したらですねお水でさらします。
はい。
はい。
これも入れていきますね。
さあこんにゃくです。
こんにゃくも黒いチームでしたね。
こんにゃくはね蛇腹に目を入れます。
これがねこういうふうに蛇腹になる…。
細かいですね。
こういうふうにする事によってちょうどこのぐらい半分ぐらい…。
高さの半分ぐらい…。
45度で入れていきますよ。
蛇腹なので「蛇の腹」って書くんですけどね。
裏返してまたこうやって目入れるんですよ。
同じ方向に…。
同じ方向に。
こんにゃくの中に入ってる水分が包丁の切れ目から出ていきます。
出ていくという事は味が入りやすいって事です。
これをですね油少々。
表面のツルツルしたところにね焼き色をつけていく。
ステーキみたいにして…。
今こんにゃくこのぐらいの大きさなんですけども少し縮んだ感じになります。
はい。
何でかって言ったら切れ目から水分が出てくるので少し小さくなります。
これを10等分にするとねちょうどさっきの高野豆腐と同じぐらいの大きさになる。
なるほどなるほど。
どうして表面焼くんでしょうか?表面を焼く事によって水分が出るのと表面に香りがつきますよね香ばしい香りが。
それと味がしみ込みやすくなります。
ツルツルしてるから焼くとザラザラするでしょ。
そうすると味がしみ込みやすくなる。
あっ!わあ焼き色つきましたね。
これぐらい…。
両面を焼きました。
そしたら今度はですね油抜きっていうのします。
ここで余分な油を抜きます。
はい。
そしてこれを10等分に…。
あ〜高野豆腐と同じぐらいの大きさになるんですね。
これをこの黒チーム…。
黒チームの参上!一緒のフライパンに入れましたね。
またこれおだしですね。
お砂糖ですね。
おしょうゆ。
さっきのと違うところはさっきうす口色がつかないです。
今度は黒チームはこい口しょうゆで色をつけながら煮ていきます。
そして沸いたらアクを取って落としぶたをする。
それでまた煮て冷まし煮て冷まし何回か…。
これはねできたらねさっきの白チームよりもみんな煮崩れしないもんですよね。
ですから3〜4回といわずできればもう少し何回かやって頂いても結構です。
そうしますとどうなるっていうとこんな感じになります。
うわぁクタクタに…。
クタクタですねもう。
それでもう最後は火全開しますよ。
落としぶたを取って最後は全開ですね。
黒チームは一番大事な事はですねこの一番最後の最後…。
さっきはみりんで艶を出しました。
今度はこい口しょうゆを入れて艶を出します。
あっへえ〜。
そして香りをつけます。
おしょうゆの香りを…。
これはね最後の仕上げのね…あれですよグロス。
グロス。
あっ…。
ピュッと。
女性の口紅の上に重ねる仕上げ。
これをねシャーッと。
だからこの分このしょうゆの分だけ最初のおしょうゆ減らして入れて下さい。
そうするとバーッとしょうゆの香りが広がって色艶が光る。
ほらほらほらほらほら…。
「おいちちょう」に出来ましたね。
そうですね。
さあ黒いチームも出来上がりましたね。
わあ…。
黒チームも出来ました。
はい。
7種類の食材煮終えましたので盛り方も教えて頂きましょう。
こちらご覧下さい。
まず里芋をね一番奥に置いて白いものの隣に黒いもの。
それから黒いものの隣に白いもの。
にんじんはこうやって1つの山にして1コだけポッと離してあげるのね。
そうすると非常にきれいに見えますね。
それから絹さやの緑もすごく効いてますよね。
そうですね。
素材の色と持ち味を生かした「煮しめ」の出来上がりです。
「イロハ」をしっかり守ればご覧のとおり失敗はありませんよ。
食材は彩りごとにチーム分けし淡い色の食材はうす口しょうゆで色を生かし黒い食材はしょうゆでしっかり色をつけます。
冷ます時間に味がしみ込むので煮て冷ますを繰り返すのがポイントです。
イロハの「ハ」がまだ今回出てないですよね。
華やかに詰めて新年を迎えましょうという事でお重の詰め方もご紹介します。
はい。
ではまず一の重からですかね。
一の重はですね裏白の葉っぱ。
これは一年中緑色で左右対称。
繁栄と仲むつまじい夫婦の象徴としてひきます。
黒豆などの器でお重の対角線に仕切りをします。
空いた大きいスペースにはかまぼことぶりを並べる。
そのかまぼこ…。
左右ね右紅左白っていってね左側が白右が赤。
これはもう決まりですので。
よく祝儀袋なんかもそうですよね。
左が白から始まっていくっていうのが決まりですね。
大きいもんポンポンとのせたら小さいものを少しずつ間に挟み入れていって彩りよく。
きんとんの近くに数の子があるとどっちの黄色だか分かんなくなるでしょ。
だからちょっと離してそれで盛っていきます。
続いて二の重も同じように奥から手前に向けて順に詰めていきます。
まず大きい里芋。
そして高野豆腐とこんにゃくは大きさが同じになるように市松にして…。
それからごぼうとれんこんは方向をそろえてそれで断面を見せて…。
黒いしいたけと赤いにんじんで色を締めていきます。
これもやっぱり1コポンってね花がちょっとずれていくときれいに見えますね。
きれいになりますね。
イロハの「ハ」。
華やかに詰めて新年をお迎え下さいとそんな盛り方でございました。
今回は煮しめを彩りでチーム分けして作るやり方を教えて頂きました。
7種類のものをね3つの鍋でやるっていう事がね手を抜くという事ではなくてうまく時間を使って無駄なく作るというそんな工夫もねして頂くとお料理が楽しくなると思います。
おせちを作る時間というのも大切にしたいですよね新年に向けて。
なかなかねおせち料理を挑戦しようという方も少なくなってきました。
それからいろんな所で売っていたりもうお正月からお店もいっぱいやってます。
昔のようにねお母さんのおさんどんを3日間はお休みしてそのためにっていうのもありますけれども今はそんな時代じゃないかもしれないけどでもこれがあってこそお正月だよ日本のお正月だよっていうのも伝統として忘れてはいけない逸品ではないかと思います。
全3回田村隆さんに教えて頂きました。
どうもありがとうございました。
(テーマ音楽)2015/12/30(水) 21:00〜21:25
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きょうの料理 王道おせち 失敗なしのイロハ「煮しめ」[字]
年に一度のおせち料理は失敗せずに作りたいもの。料亭主人の田村隆さんが、伝統的なおせちを失敗せずに作るコツを「イロハ」で語呂よく解説。最終日は「煮しめ」と重詰め。
詳細情報
番組内容
「煮しめ」を失敗せずに作るイロハのイは、「彩りごとにチーム分け」。素材の色や味わいを生かすため、具材によって3つのチームに分けて煮る。ロは「ローマも煮しめも一日にしてならず」。煮物は煮る時間だけでなく、味を染みこませるための冷ます時間も必要。これを何度も繰り返すことで、しっかりと味が染みこむ。ハは「華やかに詰めて新年を」。重箱に詰めるときは、同じ色合いが隣同士にならぬ様にしながら、全体を華やかに。
出演者
【講師】日本料理店店主…田村隆,【司会】高橋さとみ
ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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