洋上の激闘!!巨大マグロ戦争2015〜誇り高き挑戦者たち〜 2015.12.30


今年も津軽海峡でマグロ戦争が勃発。
マグロをめぐりしのぎを削る男たち。
狙うはそんな津軽海峡に27歳美人漁師が誕生。
過酷な修業に密着。
美人漁師の激闘を見よ!巨大マグロ釣り上げの瞬間を激撮!更にあの大間いったい何が!?安くておいしいマグロ料理ももりだくさん。
旨すぎるマグロバトルも必見!東西線浦安駅から徒歩3分。
ボリュームあるマグロを超お手ごろなお値段でいただけるお店が…。
こちらお昼どきはお客さんでギッシリそのわけは?男性客に特に人気他店には負けない大きさでなのに安い!マグロのエキスたっぷりのお吸い物これも付いて790円!そしてこちらは女性客やお子さんに人気。
細かく刻んだ赤身をりんごをベースにした自家製のタレでからめた逸品。
更に何ですか!?まぐろのカツ丼って!豚に見えるけどまぐろ。
おいしさのわけはマグロの種類にこだわっているようです。
インドマグロは流通量が非常に少ないことから築地では赤いダイヤと呼ばれています。
お店の名前がついた自信作。
驚きのなんでここまで安くできるの?築地でマグロを卸すこと34年の実はだから安く提供できるのです。
こうしたわけありマグロがまぐろやに毎日届きます。
そして解凍方法も独自に編み出しました。
水洗いしたあとに使うのが…。
バリアラップ?ええ。
解凍する際空気に触れてしまうと酸化して黒ずんでしまう。
がこうした酸化をバリアラップでは防ぐことができ更には余分な水分を出すことなく旨みを残してくれるといいます。
常温で半日更に紙を換えてもう半日解凍。
こうして手間ひまかけて解凍することでインドマグロ本来の旨みを逃さず食感も最大限に引き出すことを可能にしたといいます。
更にこのお店では他ではめったに使わない珍しい部位を使うんだとか。
それは?形大きさからして刺身にはなりませんしかし…。
まぐろやではこのめくりを衣に包みサッと油で揚げてジューシーなカツレツに華麗なる変身を遂げてご提供。
そうカツ丼で使っているのが脂のたっぷりのったこのめくりなんです。
更にこちらも市場には出ないというわけでサイコロ状に切り分けてフライパンでサッと炒めます。
これでもかと盛りつけたらサイコロステーキ丼の出来上がり。
たったの650円。
パンチのきいたどんぶりは若い男性などリピーター続出。
曜日ごとに違う味が楽しめ更にテークアウトはお吸い物が付かないのでお値段なんと500円。
驚くのはまだ早い。
今年マグロ専門店がオープンラッシュで戦国時代へ突入。
安うまバトルを制するのはどこだ!?そして…。
世界中の海であがったうまい魚を超一流の目利きが品定めする世界一シビアな市場築地にこの秋マグロ専門店をオープンさせた男がいるという。
築地ですよ!世界でいちばんマグロが集まる築地ですよ。
ここでマグロ専門店をやるっていうことは…。
誇らしげに掲げられたどでかいマグロ専門店の看板。
店の名は店内は連日大盛況。
わずか3か月で客の煩悩と胃袋をわしづかみにした。
客を次から次へと笑顔にするそのメニューは?さすが専門店と銘打っているだけあって鮪の生ハムに白子の天ぷら胃袋の酢味噌などなどよそではなかなかお目にかかれない料理がズラリ。
自ら陣頭に立ち客の反応に目を光らせるこの男こそがマグロバカのニューフェースそれでメニュー作ってます大丈夫です。
早速お手並み拝見。
お〜!?はいお待たせしました。
こちらが伊助盛りでございます。
ほっ!えっ待ってくださいえっ?全部マグロです。
看板メニューは大トロなど定番のなかに何やら見慣れないものが…。
そう伊助は築地のなかでも扱う店が少ない希少部位にこだわっている。
はいこれがほほ肉ですね。
まずは文字どおり目の下の肉。
そのままでももちろんうまいが陶板で焼くと更にうまいという。
じゃあ。
はい焼いてください。
サッと焼いて。
自らの脂で香ばしく焼き上がりその様はまるで焼き肉。
それを醤油ではなくゆず胡椒・藻塩・わさびで食べさせるという趣向。
じゃあゆず胡椒でいってみようかな?ん?うん!ありがとうございます。
それは?目ん玉ですね。
目の下の肉陶板で軽くあぶれば旨みが凝縮され筋も気にせず食べられる。
そうですねはい。
なぜそんな希少部位が手に入るのか?それはその日あがったばかりの新鮮なマグロを丸々1本買い付けているから。
名物伊助盛りには更にこんな希少部位が三役揃い踏み。
タラの白子はよくあるがマグロの白子はそうそうお目にかかれる代物じゃない。
お味は?あっ!うんそうですよ。
これほんとにお勧めです。
うん。
大トロ中トロ希少部位。
あの手この手を尽くした全9点の伊助盛り。
さあいくら?安い!安い!続いての登場はこれまたなじみの薄いニンニクとゴマ油を合わせた特製ダレで召し上がれ。
その味は?これほんとにおいしいんです。
でもよそにはないメニューばかり揃えてみせたこの男何者?は?ごめんなさいね本当に失礼かも…。
そうですねド素人です。
マグロを触るようになってわずか2か月のド素人がなぜ店を繁盛させることができたのか?築地のマグロ専門店人気の秘密は店長の意外な経歴にあった。
2か月。
は?ごめんなさいね本当に失礼かも…。
そうですねド素人です。
もともとところがある日マグロのマの字も知らなかったにもかかわらず業務命令で新たにオープンさせる築地のマグロ専門店へ。
そこから始まった築地通いの日々。
来る日も来る日も仲卸業者さんのもとへ通い詰め猛勉強。
こちらが師匠と仰ぐ鳴海さん。
いつでも獲れる?勉強は今なお続いている。
まあちょっとまあでもまあそれに全部答える。
斬新なメニューはマグロに対して先入観がなかったからこそ。
例えばほほ肉はカラッとジューシーな竜田揚げに。
そして韓国料理ではおなじみチャンジャ。
本来タラの内臓で作るところをもちろん鮪で。
なんでチャンジャだったんですか?更に胃袋はさっぱりとしたポン酢和えに。
食感楽しいおつまみに仕上げた。
うまい!すごく日に日に加速していく店長のマグロ愛。
それが最も発揮されるのがメニュー会議。
この日も新作のアイデアが披露された。
今度はマグロのひれ酒ときた。
毎度素人考えに振り回される料理人たちはさすがにへきえきとしているはずと思いきや…。
でも…。
あっそうですか。
ええ。
かくしてマグロのひれ酒づくりがスタート。
自然乾燥させたひれをオーブンで焼き…。
それを熱燗の中へ。
火を点じれば出来上がり。
試作品の味は?一同笑顔なし。
なんとも微妙なこの表情。
失敗か?ベテラン料理人から的確なアドバイスしかし…。
ぶれない曲げない揺るがない。
そんな井狩さんが目指す理想の店とは。
愛するマグロを余すところなく味わい尽くしたい。
探究の旅は果てしなく続く。
サラリーマンの街今年9月一風変わったマグロ専門店がオープン。
その名も…。
176席もある大箱が常にギッシリ。
その秘密は?この店ではそうと聞いたらこの男が黙っちゃいない。
ここらへんにあるということなんですけども。
いらっしゃいませ。
こんにちは。
すごいこれ。
いらっしゃいませ。
どうも。
ありがとうございます。
いらっしゃいませ。
この店では市場のいらっしゃいませ。
(一同)いらっしゃいませ。
中に入ると更に市場を走るターレーが客席に。
実はこの店マグロ漁師に惚れた男…。
その天然マグロへのこだわりはこちらを見ればわかります。
ケープタウン沖にアイルランド沖。
そう世界中で獲れたマグロを味わうことができるんです。
果たしてどんなメニューが?失礼いたします。
うわぁすごいなこれ。
こちらが天然ミナミマグロの断面切り一枚刺しでございます。
南氷洋で獲れるミナミマグロを赤身から大トロまですべて味わえる断面刺し。
ミナミマグロで出すお店は珍しいそう。
特にお勧めは大トロの端っこ脂がいちばんのっています。
星原さん。
はい。
ありがとうございます。
ものすごい歯ごたえですね。
あっそうなんですか。
2か月もかけて釣りに行くケープタウン沖は海水の温度が大間とほぼ同じ。
そのため肉質がしまり脂ののったマグロを獲ることができるといいます。
この店ではそれらをなんといっぺんに味わえるメニューが!失礼いたします。
すごいのが来ちゃったなこれえ〜?本マグロ南マグロ鉢マグロ。
3つの海で獲れたマグロを楽しめる6点の食べ比べ。
なんと1人前あたり895円。
まずは大間より北のアイルランド沖で獲れた本マグロのカマトロ。
上質な脂が特徴。
んっう〜ん。
口の中の体温で溶けますね脂が。
このカマトロほんと初めて食べましたねこの甘さは。
赤身が濃厚な味わい。
ありがとうございます。
他にもテールのなかでも特に脂がのっているアイルランド沖本マグロのテールをオリーブオイルと自家製ソースで焼き上げたステーキ。
なんと690円。
ハワイ南方の深海を回遊したバチマグロの特に身質がよいアゴ肉をハーブとキャベツで包んだ塩窯焼。
こちらはたったの390円。
どのメニューも新橋サラリーマンの懐に優しい安さとうまさ。
そして…。
失礼いたします。
わわわえ?こちらがイケメン煮付け?博洋丸が獲ってきたバチマグロでございます。
ありがとうございます。
ハワイ沖で獲れたバチマグロの頭を大きな鍋でじっくり煮込む。
一度に大量に煮込むので旨みたっぷり。
このボリュームで590円!すごいほら。
はい。
なぜ世界中のマグロがこんなに安く手に入るのか?日本に戻ってきた新橋で食べられる世界のマグロ要チェック。
津軽海峡に張り出した本州最北端の地この日大間の漁師たちが最も大切にしている祭りが開催された。
海上操業の安全を祈り豊漁を願う大漁祈願祭だ。
そのど真ん中に男はいた。
大間のNo.1漁師この夏名実ともに大間一のマグロ一本釣り漁師となったヨシさん。
昨年は…。
100kgを超えれば大物と言われるなか342kgのオバケマグロを仕留めてみせた。
ヨシさんのマグロ漁は神技と評判が高い。
その秘密はテグスと呼ばれる釣り糸にあった。
他の漁師よりも細いテグスで巨大マグロを釣り上げるのだ。
細い分切れやすい。
なぜそんなものを使うのかこのあと明らかになる。
そして漁獲高他の船が漁に出ないシケの海こそが彼の主戦場。
荒波などもろともせず漁場へ繰り出す。
猛者どもが尻込みするほど大荒れの海。
しかし山崎は巧みな操船技術と不屈の闘志でいともたやすく釣り上げる。
鉄人と呼ばれるゆえんがそこにある。
そんな両巨頭をはじめ名うての漁師がしのぎを削る大間。
そこへ沖縄から1人の凄腕漁師が乗り込んできた。
宮古島No.1漁師対日本一大間のマグロ。
勝つのはどっちだ?沖縄本島の南西に位置する宮古島。
そこに凄腕と呼ばれる漁師がいる。
300kg超えの巨大マグロを毎年のように釣り上げてきた宮古が誇るNo.1マグロ漁師。
彼の夢は日本一大間の巨大マグロを釣り上げる。
宮古島No.1漁師が聖地へと乗り込んできた。
積年の夢を叶えるために。
それを出迎えたのはなんと大間の両巨頭。
久高の挑戦を全面的にサポートするという。
実はこの3人トップ漁師どうし交流があった。
あ雪ですか。
あまりの寒さにまずは防寒グッズの買い出しへ。
そこでまさかの事実が。
生まれて初めてカイロをご購入。
宮古島の漁師が大間で漁をするというのは初めて。
前代未聞の挑戦がいよいよ始まる。
久高が港へとやってきた。
足取りは軽い。
初日は大間No.1ヨシさんの船に乗る。
すると早速違いを発見。
それはテグスの太さ。
これ何号と何号ですか?久高は太いテグスで確実に巨大マグロを仕留めてきた。
まずは大間ならではのマグロ一本釣り漁を体験。
沖へ出るとすでに多くの船がマグロの群れを探していた。
漁師たちは広大な津軽海峡で多いと100匹以上からなる群れを探し当てなければならない。
そこで活躍するのがソナー。
円の中心がヨシさんの船。
その前方赤い塊がマグロの群れ。
すると…。
時同じくして群れに気づいたおよそ60隻が一斉に動き出した。
マグロの鼻先にエサを流してくいつかせるぶっつけ漁。
いち早く群れの前に出たもん勝ちとなるため多くの漁師が我先にと船を走らせる。
熾烈なポジション争い。
津軽の海が戦場と化す。
その時マグロが跳ねた。
船の後方でまたマグロが跳ねた。
大物だ。
すかさず船の前方へ走るヨシさん。
いけすのイカに素早く針をつけマグロの群れに投げ入れる。
果たして…。
ただ投げ入れればいいというものではない。
タイミングスピードが鍵となる。
食い入るように見つめる久高。
そのときだった。
なんと隣にいた山崎がエサをくわせた。
御年65漁師歴50年を誇る大間のレジェンドはいまだ健在。
60隻もの船がマグロを奪い合う大間の海。
弱肉強食の世界で山崎はトップを走り続けてきた。
想像以上に過酷だった大間ならではのマグロ漁。
自分は釣り上げることができるのかいまだ味わったことのない不安が久高の胸をかすめた。
結局この日ヨシさんの船に当たりはなかった。
次の日は大シケで漁に出られず。
部屋を訪ねると何やら道具を手入れしている久高の姿が…。
テグスの先にはルアー。
自慢のルアーで何匹もの巨大マグロを仕留めてきた久高。
大間のマグロにも自分のやり方で挑戦したい。
久高が得意とするルアー釣りはマグロの居場所を探し当てたら大物を逃がさぬようテグスの先にルアーをつけ海へ投げたらあとはまるで生きているかのように見せるしゃくりという技術を駆使してマグロを誘う。
シケもおさまり翌日は鉄人山崎の船で漁に出る。
早速自慢のルアーで勝負したいと申し出た久高。
鉄人は…。
実際にどうですか?なぜか答えない山崎。
その真意は…。
ともあれ自慢のルアーを大間の海へ。
投げ入れたらあとはひたすらしゃくるだけ。
一見簡単そうに見えるしゃくりだがどのタイミングでどれくらいしゃくるか経験に裏打ちされた技術が必要。
そのうえ何時間も同じ動作を繰り返すため持久力集中力も求められる。
ルアーを流して3時間が経過。
しかしマグロがくう気配は一向にない。
ここで山崎から本音が…。
漁に出て4時間山崎が何かを見つけた。
鳥山だ!鳥山の下にはマグロがいる!いた!間髪を入れず絶好の位置へと回り込む山崎。
自慢のルアーを見せつける久高。
鉄人が見守るなか大物を仕留めることができるのか?勝負の行方は!?鉄人山崎の協力を得て大間の海へと繰り出した宮古島No.1漁師久高。
マグロ跳ねた。
自慢のルアーと長年培った技術で大物を仕留めることができるのか?しかししゃくれどもしゃくれども当たりなし。
いれば釣れると豪語していた久高もこれにはただただ呆然とするばかり。
意気消沈で港へ帰るとマグロを水揚げする船が。
釣り上げたのはヨシさんだ。
それも重さ153kgとかなりの大物。
久高にはどうしても聞きたいことが。
自分が信じてきた結果を残してきたやり方が大間ではまるで通用しない。
なぜだ?なぜなんだ?大間に来てスレてくるってことですか?そうよ。
毎日60隻もの船に追い回されている大間のマグロはよそのマグロよりもズル賢く手ごわくなっているとヨシさんは言う。
最終日久高はある決意を胸に港へ向かった。
なんと宮古島流のルアーではなく生き餌を使う大間のやり方でマグロを釣りたいと申し出た。
快くノウハウを教えるヨシさん。
皮くらい?うん。
豪快そうに見えて実は繊細な大間のマグロ漁。
エサをつけるだけでもミリ単位の仕事が求められる。
針を通すのは皮一枚のところ。
細いテグスと相まってイカが弱りづらくなり自力で泳いでいるかのごとく見せられるという。
漁師は魚をあげてなんぼ。
宮古島流だなんだと小さなプライドに縛られて釣れなかったじゃみっともない。
いちマグロ漁師としてどんな手段を使っても大間のマグロを釣り上げたい絶対に。
船の間で。
漁場へ着くとマグロがエサを追い海面を飛び跳ねていた。
久高初めてのぶっつけ漁。
しかし慣れない作業動きが遅い。
久高がイカを投げ入れたときマグロはすでにはるか遠くへと泳ぎ去っていた。
マグロがいるうちに投げ入れたいのだが動きが追いつかない。
待ってはくれない。
間に合わない。
苦戦する久高。
釣れる漁師と釣れない漁師差はどこにあるのか。
ヨシさんが秘中の秘を語った。
そうだべ。
マグロの動きを読みエサの距離とタイミングを合わせる。
1秒ずれたらマグロはくわない。
ここでも繊細さが必要とされる。
何度エサを投げ入れただろう。
しかし同じ作業を繰り返すうち動きがだいぶスムーズになってきた。
あとは時間との戦い。
日没まではあと1時間たらず。
チャンスは1回あるかないか。
そのときだった!合わせろ合わせろ!合わせろ合わせろ!マグロがくらいついた!同じ漁師として久高をボウズのまま宮古島に帰すわけにはいかない。
ふだんは沈着冷静なヨシさん。
自分がくわせたとき以上に必死だ。
もちろん久高も必死。
ここまでお膳立てしてくれたヨシさんの前で獲物を逃がすわけにはいかない。
しかしたぐるのは慣れない細いテグス。
ちょっとしたミスでたちまち切れてしまう。
なんとか釣らせてやりたい。
絶妙な操船でサポートするヨシさん。
マグロが海面近くまであがってきた。
ここで電気ショッカーを投入。
実は久高電気ショッカーを使うのも初めて。
夢にまで見た大間のマグロがついにその姿を現した!宮古島漁師が初めて大間のマグロを釣り上げた歴史的瞬間。
港へ戻ると一報を聞き駆けつけてくれた鉄人山崎の祝福が待っていた。
そんな厳しい大間の荒海にもうひとり凄腕の漁師がいた。
シケの荒海でも平然と船を出し大物マグロを仕留めるこの男こそ…。
武一が革命児と呼ばれるゆえんはこのピンクの巻き上げ機にある。
旧式の青い巻き上げ機の場合マグロが急に逃げるとそこで武一は開発担当者を船に乗せマグロの特性や機械の改良点を直接伝えテグスがたわまず切れにくい新型の巻き上げ機を開発したのだ。
この巻き上げ機は大評判となり瞬く間に大間中のマグロ漁師に広まった。
まさに大間のマグロ漁を変えた革命児。
それが菊池武一なのだ。
そんな大間の革命児の今年の漁を取材するべく武一の船に乗ってみると…。
武一のほかにもうひとり乗組員の姿が。
よく見るとなんと若い女性だ。
お名前は?武一の今年船に乗っていたのだ!男でも音を上げる過酷なマグロ漁に挑戦する乙女の登場。
漁師たちも驚きの声を隠せない。
美紗樹の初めてのマグロ漁に極寒の津軽海峡で行われるマグロ漁。
彼女はなぜ過酷な漁師の世界に飛び込んだのか。
そして女性の細腕でマグロを釣り上げることができるのか!港に武一親子がやってきた。
マグロ漁の始まりだ。
小舟で漁船に乗り移った美紗樹が最初に始めたのは…。
日焼け対策だ。
そして漁を始める前に船上で腹ごしらえ。
しかし美紗樹は母親が用意してくれた弁当には手を出さず…。
食べるのはいつも大好物のカステラだ。
お肌のケアに食事はスイーツ。
今どきの女の子らしいと思っていたら…。
漁が始まると美紗樹の表情が一変した。
父武一の一挙手一投足を食い入るように見つめ仕事を盗もうとしている。
そして時間があくと獲ったばかりのマグロのエサとなる魚の観察を始めた。
獲ったのとかも。
なんで?マグロの群れを見つけると船が一斉に集まってきた。
いよいよぶっつけ漁の始まりだ!絶好のポイントに船をつけたらすばやく針にエサをつけ投入する。
スピードとタイミングが難しいこの作業は武一が行う。
美紗樹はそのテグスを沖へと流し当たりを待つ。
船の後方でマグロが騒いでいる。
これはチャンスだ!ぶっつけ漁の勝負は一瞬。
マグロがくいつかなかったらすばやく仕掛けを引きあげる。
まだ絶好の位置にマグロはいる。
武一が気合いを入れて仕掛けを投入。
しかし…。
や〜い!や〜い!残念ながらカモメにエサを獲られてしまった。
美紗樹がエサの補給をしている間武一がテグスを握っていると…。
見事マグロがくいついた。
大間トップクラスの漁師武一は今年も絶好調!釣れているときは剃らないという伸びきった無精ヒゲが好調の証しだ!巧みに船を操り有利な位置をキープしながらマグロをあげていく。
マグロがある程度まであがってきたら美紗樹が電気ショッカーを用意!仕留めにかかる!美紗樹は次の行動を読んですかさずモリを用意。
ついにマグロを仕留めた!美紗樹はマグロを傷つけないようにマットを準備する。
釣れたマグロはまずまずのサイズだ。
武一がマグロの処理をする間に美紗樹はひと袋40kg近くある氷を準備する。
力仕事が多い作業をテキパキとこなす美紗樹。
とても乗船したばかりとは思えない。
片手で持ってたね。
マグロを釣り終えた美紗樹が始めたのは…。
使用した軍手の洗濯だ。
ましてやほら…。
OK。
ひと仕事終えたあとのお楽しみはりんご。
9時間にわたって続けられたマグロ漁は午後6時日暮れとともに終了する。
しかしまだまだ仕事は終わらない。
日暮れとともに始まったのは明日の漁で使うエサのイカ釣りだ。
毎日数十杯必要なイカ。
1時間ほどで釣れる日もあるがこの日はなかなかイカがかかってくれない。
自然相手の漁師の世界。
必要な量が釣れるまで帰ることはできない。
この日エサ釣りを終えて帰港したのは出航してから実に14時間半にもなる長い一日だった。
菊池家は女4人男1人の5人兄弟。
他の兄弟がさまざまな職業を選ぶなか二女の美紗樹は漁師の道を選んだ。
職業?美紗樹は大学で教員免許を取得。
大間の小中学校で教師として4年間働いていた。
小さい頃から憧れていたマグロ漁師。
その夢を諦めきれず挑戦するなら今しかないと一念発起。
教師を辞めて27歳で漁師の道に入った。
大間の短い夏が終わる…。
美紗樹が船に乗って2か月が経とうとしていた。
んっおとうおとう…。
せっかく当たりがきたのにテグスを絡ませてしまった。
美紗樹痛恨のミスだ。
美紗樹の一瞬の油断が招いた緊急事態。
あぶねえほら!あぶねえってほら!自分のミスを取り戻したい。
しかし美紗樹にはまだ経験も知識もない。
絡んだテグスは切れやすくほとんどの場合マグロをばらしてしまう。
ほんのわずかな可能性にかけるしかない。
絡まった部分があがってきた。
武一がなんとか修復を試みる。
あげればいいんだね?おお。
絡まったテグスがほどけた。
マグロよあがってこい!電気ショッカーをおろして勝負をかける!ショッカーが届く直前にマグロが深く潜ったため電気ショックが効かなかった。
急いでショッカーを回収し仕切り直す。
再度ショッカーを入れる準備の間マグロを逃がさないように美紗樹が船の操船を任された。
テグスが切れないように細心の注意を払う。
もう失敗はできない。
二度目のショッカーを投入。
今度こそ…。
きた!ついにマグロがあがってきた!美紗樹の失敗が招いた緊急事態を武一がベテランの技で見事に乗り切りマグロを釣り上げた。
こうした一つひとつが新人漁師の美紗樹にとって貴重な経験となる。
釣ったマグロは76kgの上物だ。
すごい。
ハハハハハ!船に乗ってまだおよそ2か月。
しかしどこまでもポジティブな美紗樹だ。
自然が相手のマグロ漁。
大シケで漁に出られない日は貴重な休みとなる。
休日の美紗樹はとても漁師には見えない。
果たしてそのマグロにかける思いそして意外な素顔とは?今年父の船で修業を始めた新人女性マグロ漁師美紗樹の休日。
近所のカフェで話を聞いた。
マグロ漁は大変じゃないのか?やってみて…。
初めてマグロ漁をして初めて知った父の偉大さ。
この夏武一・美紗樹親子は絶好調。
連日マグロを釣り上げた。
なぜこんなにマグロを釣り上げられるのか?その秘密は武一が開発に携わった巻き上げ機にあるのだがよく見ると…。
これは?なんと武一はまた新たな巻き上げ機を開発していた。
メーカーの開発担当者にも話を聞こうと訪ねてみるとなんとこちらも若い女性。
さまざまな改良が施された新型巻き上げ機。
なかでも最大の特徴がこのデジタルの基板。
武一のアイデアで作られたこの装置は…。
あらゆるマグロの動きに対応でき格段に釣り上げやすくなったという。
武一が開発した新型巻き上げ機がまた大間を席巻する日も遠くはなさそうだ。
12月に入り極寒の季節を迎えた大間。
美紗樹にとって初めての冬の漁の始まりだ。
おはようございます!おはようございます。
今日は寒いですね。
今日帰ってきたら温泉だで。
はい!寒くて寒くて。
毎日欠かさない船の清掃作業もつらい季節になった。
やっぱり夏と全然違う?全然違う。
もちろん船の上にはお湯などない。
軍手の洗濯も冷たい海水だ。
う〜。
寒い。
初めて経験する凍てつく大間の海。
うぅ…。
作業は夏と同じでもつらさが夏とはまったく違う。
夏との違いは気温以外にもあった。
夏武一が行っていた針にエサをつけ投げ入れる難しい作業も美紗樹が担当するようになっていた。
やれ!武一に比べるとまだ幾分ぎこちないが美紗樹は着実に成長していた。
そしてこの日海は次第にシケもようになっていった。
何mくらいまで出られるの?荒れる海でのマグロ漁。
美紗樹は大丈夫なのか?シケをも力に変えてしまう頼もしい美紗樹。
ちなみに今まででいちばんつらかったことは何なのか?おとうおとう…。
ついに美紗樹の投げた針にマグロがくらいついた。
テグスがどんどん吐き出されていく。
なんと武一はこの獲物を美紗樹に釣らせてみるという。
美紗樹とマグロの一騎打ち!ところが…。
この日武一は新人漁師の美紗樹に初めてマグロの巻き上げを命じた。
美紗樹とマグロの一騎打ちだ。
少しでも気を緩めるとマグロが船の底に潜り込みテグスを切られてしまう。
テグスの行方に細心の注意を払う。
およそ半年父のもとで修業してきた成果をここで見せたい。
テグスの先にいるマグロに神経を集中しなくてはならないのだが…。
手がかじかみなかなか言うことを聞いてくれない。
それでも美紗樹は懸命にマグロを手繰り寄せていく。
そしていよいよ電気ショッカーを投入。
力入れなくてもあがってくるべ。
ついに美紗樹がくわせたマグロが姿を現した。
美紗樹の背丈をも超える大物だ。
せ〜の…。
美紗樹は漁師としてまた一つ成長した。
常に前を向く父と娘の親子船。
大間に新たな風を巻き起こしている。
所変わってもんじゃの街として知られるこの地に今年9月マグロ専門店がオープンしました。
その名も中に入るとご覧のとおり大盛況。
こちらのお店おいしい本マグロが安く食べられると評判なんです。
その味を確かめるべくやってきたのはこの人。
こんにちはすみませんおじゃまします。
こんにちは。
この店のオーナー新井さんはマグロにぞっこん惚れ込んだ自称マグロバカ。
経営コンサルタントを経て10年前から多くの飲食店を手がけてきた新井さん。
さまざまな料理を食べ歩くうちマグロのおいしさにみせられ今年9月構想に5年をかけたという念願のマグロ専門店をオープンさせたのです。
いったいどんな料理が食べられるのでしょうか?お店の名前がついてるわけですね。
当店のいちばんのお勧めになります。
まずは自慢のお刺身から。
さまざまな部位のマグロのおいしさを楽しむことができます。
こんなに脂がのっていて中トロ?すごいねこれ中トロですか?中トロでお出ししていますね。
旨みが詰まった質のいい脂がたっぷりのっています。
いかがですか?東さん。
ほんとに最強の口溶けですよね。
おいしい脂がずっとコクとなって口の中でずっといますね。
続いて1匹からわずかしかとれない希少なホホ肉。
赤身なんだけど力強い歯ごたえがあって…。
ありがとうございます。
はい。
この本マグロのお刺身盛り合わせ気になるお値段は?その安さの秘密は仕入れにありました。
新井さんは週2回築地市場に自ら足を運んでいます。
こちらはオープン前から通い続けているマグロの仲卸店。
新井さんは安くておいしい希少な部位を売るお店を開拓してきました。
仲卸の藤田さんとは10年来のおつきあいで新井さんがお店を開くときにもお世話になったそう。
マグロを知り尽くした仲卸とタッグを組んだことで安くておいしいお店が実現できたんです。
新井さんが特に感動したという部位がこちらのこのノド肉をおいしく食べる調理法として仲卸の藤田さんが教えてくれたのが表面をサッとあぶって香ばしさを引き出した大根おろしとゴマ油が食欲をそそります。
ほんとですかありがとうございます。
仲卸直伝のノド肉のたたきお値段は?オーナーです。
伸びしろはあると思います。
続いては珍しい部位が手に入るこのお店ならではのオリジナルメニュー。
えっハンバーグじゃん見た目。
マグロのハンバーグになります。
え〜!これマグロなの?これ。
材料には料理を作るときどうしても出てしまうマグロの身の残った部分を使います。
さまざまなおいしさの部位が混ざり合いマグロの旨みがひとつになった専門店ならではのハンバーグを作り上げました。
お味噌をベースにしたソースと一緒に煮込んで…。
トロ〜リチーズをトッピングして出来上がり!おっうん。
ちょっと感動しますねこれ。
えっ出汁巻き玉子?手作りのツナ!本マグロで作った自家製のツナフレークを贅沢にのせた出汁巻き玉子。
マグロ節の濃厚なダシが効いています。
ありがとうございます。
やっぱ知り尽くした感じで。
ウソでしょ!赤坂の本格日本料理店などで10年近く腕をふるってきた才能あふれる料理人です。
そうですね。
このお店ではこれまでにないマグロのおいしさを引き出すべく日々新しいメニュー作りを欠かしません。
新井さんの発想を板長の鈴木さんがかたちにしていきます。
その研究の成果のひとつがこちら。
本マグロの中骨を焼いて野菜と一緒に煮込んだスープです。
この濃厚なスープをお鍋にしました。
それだけじゃありません。
このスープでマグロの刺身をしゃぶしゃぶにして食べるんです。
ちょっとまずスープだけいただいちゃおう。
焼くとそうなるんですね。
生で食べてもおいしい本マグロのお刺身。
その中トロを贅沢にしゃぶしゃぶ!あ〜おいしいこれ。
スープにも使われる本まぐろの中骨ですがこの骨についた身を削って食べる中落ちはお店の名物メニュー。
(歓声)宴会でも大人気!あまりのおいしさに思わず笑顔。
でもやっぱりねここ他ではあまり使われない本マグロの血合いもこのお店ではニンニク醤油に漬け込んで焼くことで旨みを引き出しました。
斬新な発想でマグロの新たなおいしさを追求する新井さんの挑戦はまだまだ続きます。
ヤバいですね。
津軽半島の最北端その程近く大間にも劣らぬ上質なマグロをあげる港がある。
その名は漁師歴40年50年という大ベテランがにらみをきかせるなか巨大マグロを次々ものにしてきたのがこの男…。
この日…。
沖へ出るやいなやしぶきを上げるチャンスだ。
すると…。
なんといとも簡単にマグロを1本かけた。
しとめた獲物はこの男ただ者ではない。
その予感はすぐ確信に変わった。
返す刀で今度はまるまる太った大物だ。
更に…。
マグロフィーバーが止まらない。
それにしてもこの男なぜこうも簡単にマグロをあげることができるのか?青森県三厩で次々とマグロを釣り上げる凄腕漁師この日も獲物をしとめ堂々の帰港。
ここ三厩は毎年とてつもない巨大マグロがあがることでも知られている。
腕のいい漁師がいるなによりの証拠だ。
そして漁のしかたが一風変わっている。
欠かせないのがダンブと呼ばれるオレンジ色の大きな浮き。
仕組みはこうだ。
しばらく潮の流れにゆだねる。
ダンブが勢いよく回りだす。
あとは駆け引きをしながら引きあげる。
これが三厩独自のダンブ流し漁だ。
かからなければ回収し別な場所へ。
これを繰り返す。
しかしただ流せばいいかというとそうではない。
大物がいる群れのど真ん中にダンブを流せるかどうか。
そこが勝負の分かれ目となる。
この日も伊藤は狙ったポイントに近づいていた。
そのとき!船の前方で跳ねたのはダンブを流した辺り。
チャンスだ。
するとしばらくして…。
伊藤のダンブが回った。
すぐさま船を動かし手際よく回収。
ここからはマグロとの根比べ。
テグスをすばやく巻き上げ機につなぐ。
その手ごたえは?実は昨日伊藤はマグロを1本逃していた。
ダンブの回収が一瞬でも遅れると賢いマグロは海底の岩場へと回り込み簡単にテグスを切ってしまう。
昨日と同じ轍を踏むわけにはいかない。
巻き上げから十数分。
満を持して電気ショッカーを投入。
この日の獲物は小ぶりなマグロでもこうして確実にしとめ港に帰るのが漁師の仕事だ。
我々がこれまで出会ったどの漁師よりもハイペースで獲物をしとめていく伊藤。
「なぜそんなに釣れるのか?」そう尋ねると伊藤はあるものを見せてくれた。
それはダンボールいっぱいの早速中を見せてもらうと何やら数字がびっしり。
これはいったい?そして伊藤はこう結論づけた。
伊藤に記録することの大切さを教えたのはかつて凄腕とうたわれたこうして漁師の家では必要な知恵や技が父から息子へと代々受け継がれていくのだ。
ベテランひしめく津軽の海。
偉大なる父の教えを胸に伊藤はこの日も海の上にいた。
そうつぶやいた伊藤。
だが狙うポイントはすでに決めていた。
この日の天候と海の状態を過去のデータと照合しどこにダンブを流すべきかはじき出していたのだ。
だから実のところ伊藤は魚群探知機やソナーをあまり当てにしない。
確かにこのときもポイント周辺に周りにもライバルたちの姿はない。
伊藤の一匹狼たるゆえんだ。
果たしてデータに基づく伊藤の読みは当たるのか!?そのとき!ダンブが回ったしぶきも大きい。
すばやく甲板の上を整えダンブの回収へと向かう伊藤。
たどり着くとダンブはすでに沈みかけていた。
テグスが全部出ていた。
それが何を意味するかは言うまでもない。
間違いない大物だ!すばやくテグスを巻き取りにかかるが…。
伊藤の手が一瞬止まる。
巻き取ったテグスが何度も引き戻される。
いつもならひょうひょうとテグスを手繰る伊藤もこのときばかりは船のヘリに足をかけた。
そして格闘すること30分。
獲物がついに海面付近まであがってきた。
電気ショッカーをつかんだ伊藤の手が一瞬震えた。
いったいどんな大物が姿を現すのか?三厩の一匹狼30分にも及ぶ死闘の末しとめた獲物がいよいよ姿を現す。
いざ引きあげるとその巨体はゆうに伊藤の身長を超えていた。
この大物いったい何キロなのか?処理をしながら急いで帰港。
港では伊藤の両親がその帰りを待っていた。
三厩の凄腕漁師だった父藤衛門も息子の巨大マグロに喜びを隠さない。
そして自慢の息子がしとめた大物は…。
伊藤にとって今シーズンいちばんの大物となった。
そんな大喜びの両親をよそに伊藤は再び海へ向かう。
まだその姿を見せぬ更なる巨大マグロを求めて。
9年前我々は1人のマグロ漁師と出会った。
当時若手の注目株として頭角を現していた…。
大物マグロをしとめたその顔は自信に満ちあふれていた。
彼の仕事の支えとなっていたのは家族。
2人の娘と…。
恋女房のこのとき彼はまさに幸せの絶頂にいた。
去年我々は細間を訪ねた。
すると彼は驚くほど痩せていた。
まるで別人のようだ。
そのわけは?2年半前のある日細間が漁に出ている間に妻の加代子さんはくも膜下出血で突然この世を去った。
愛する家族を遺して。
今年二女の心寧ちゃんは小学4年生。
愛華さんは中学3年生になっていた。
しかし…。
釣らなければ娘を私立へ進学させられない。
そればかりかこのままでは廃業の危機。
起死回生のマグロを釣りたい。
なかなか港に姿を見せない細間。
自宅を訪ねてみると…。
パン食うの?パンでいいの?細間は二女の心寧ちゃんの朝食の用意をしていた。
長女の愛華さんも起きてきた。
昨晩作ったハヤシライスを温め直す。
食べ盛りの娘たちのために細間は食事を手作りしている。
作れるメニューもだいぶ増えた。
朝食を食べ終えるとすぐに2人の娘を学校へと送っていくのが細間の日課だ。
家に戻ってくると…。
今度は家事だ。
すでに8時を回っている。
ライバルたちの船は次々と出航していく。
早朝はマグロが活発になりよく釣れるというのだが細間は家事をこなすので精いっぱいだ。
気がつけば午前11時。
ようやく港を出る頃には11時半を回っていた。
他の船から遅れること3時間。
大間の一本釣り漁師でいちばん遅い出港だ。
沖ではすでにマグロ漁が始まっている。
だが細間は肝心なソナーの電源を切っている。
いったいどういうことなのか?細間のソナーは小さな群れは映らない旧型。
新型に買い替えたくても先立つものがない。
漁に使うエサもほとんどの船がイカを使っているのに細間はイワシ。
夜行うイカ漁は子供がいる細間にはできない。
細間はいつも1人船団から離れ群れからはぐれたマグロをイワシで狙う。
ソナーが使えない細間は自分の目でマグロを探すしかない。
こちらですか?細間の視線の先にあったのは鳥の群れ。
こうした鳥山の下にはマグロがいる。
すかさず船を移動。
すると目の前でマグロが跳ねた。
すばやくイワシに針をかけマグロに向けて流す。
千載一遇のチャンスだがそう簡単にマグロは喰いつかない。
マグロが喰わなかった仕掛けはすぐさま回収。
生きのいいイワシと交換して再び勝負をかける。
いやいやいや…。
細間をあざ笑うかのようにマグロが跳ねる。
何度もマグロに向かってイワシを投げ続けるが細間の仕掛けにマグロは喰いつかない。
漁のタイムリミットである日没まではまだだいぶあるが…。
他の船がまだ操業しているなか細間は早々と漁を切り上げた。
この日の釣果はゼロ船の燃料代が赤字だ。
細間が急いで向かったのは自宅ではなく二女の心寧ちゃんが通う習字教室。
娘のお迎えだった。
家に着くのは細間家の居間に飾られた立派な書。
書いたのは心寧ちゃん。
だが習い事にもお金がかかる。
長女の愛華さんは来年の高校受験に向け猛勉強中。
実は彼女には私立高校への推薦の話がある。
青森市内の有名私立高校への推薦話。
だがマグロが釣れていない細間には難しい金額だ。
まだ慣れない3人だけの夕食。
元気を出したいとき愛華さんは母親が使っていた箸を選ぶという。
つらいとき妻さえいてくれたらと何度思ったか数え切れない。
細間がマグロを釣ると誰よりも喜んでくれたのが加代子さんだった。
心の支えも仕事への情熱も失ってしまった。
それでも生活のために海に出る。
するとマグロが跳ねたチャンスだ!すぐさまエサのイワシを投げ入れる。
頼む喰ってくれ!ついにマグロが喰いついた!このチャンスは絶対に逃がしたくない。
慎重に巻き上げていく…しかし次の瞬間!赤字続きでこのままでは廃業の危機だ。
いつまでマグロ漁を続けることができるのか。
数日後漁から戻った細間の船が小さなものに。
まさか本当にマグロ漁船を売ってしまったのか?そこにあったのは…かごいっぱいのなぜマグロを釣らないのか?船は売っていなかったが赤字続きのマグロ漁を休みウニをとっていたという。
すべては娘たちとの生活のため。
そしてこの日長女の愛華さんは自分の進路を決めていた。
彼女は推薦を断り地元大間の公立高校を受験するという。
娘の決断に細間は…。
これが釣れない漁師の厳しい現実だ。
しかし娘の重い決断が細間の闘志に火をつけた。
ふがいない父親のままでは終われない。
亡き妻加代子さんに誓った思いがある。
2人の娘たちを必ず幸せにすると。
この日細間は数年ぶりにソナーのスイッチを入れた!このソナーは旧型で小さな群れは映らないと細間ははなから諦めて電源すら入れなかった。
しかしこの日はわずかな可能性にかけた。
すると…。
なんとあの旧型ソナーに反応が!大きな群れだ。
エサはいつものイワシで勝負。
絶好の位置にマグロはいる!ついに細間の針にマグロが喰いついた!いざ勝負!まったく釣れていなかった細間の仕掛けにマグロが喰いついた。
今日こそは絶対に逃がさない!慎重に慎重に…テグスを手繰り寄せる。
マグロ漁師の娘でよかったと子供たちが思えるように…。
この1本は何が何でも釣り上げたい。
そして…。
ついに今年初めてのマグロを釣り上げた!マグロはまだ騒いでいる。
休む間もなく仕掛けを入れた。
この日2本目のビッグチャンスだ。
丸々と太ったいいマグロだ。
1日2本あげる漁師は大間でもそうめったにはいない。
いつまでマグロ漁師を続けるのか?新たな闘志が細間を満たしていた。
玄界灘に浮かぶ壱岐のマグロ漁は歴史が浅くまだ20年ほど。
だが研究を重ねマグロの品質を向上させてきた。
今では北の大間南の壱岐と言われるまでになった。
その壱岐のマグロ漁が今年は壱岐には若いマグロ漁師が多く育っている。
今年船を新造し独り立ちする若者もいる。
そのなかで5人の子供のためにマグロを釣りたい29歳の若き漁師がいた。
壱岐の漁師のなかで毎年トップレベルの水揚げを誇るのが旗をあげる。
漁の始まりだ。
壱岐のマグロ漁は他とはまったく異なる。
道具は大型の竿と手巻き式のリール。
松尾はこれで300キロを超える大物を釣り上げたこともあるというから驚きだ。
壱岐のマグロ漁は「流し」と呼ばれる。
長さ3キロほどのマグロの出没エリアに全員釣るチャンスが平等になるようにするためだ。
松尾はその状況判断が速い。
ポイントに近づくとイカに針をつけ海へ投入。
スルメイカです。
あとはただひたすらマグロが喰いつくのを待つ。
船を流すこと数回。
漁を始めて5時間後。
リールが音を立てた。
マグロだ!逃がすまいと急いで巻き上げる。
しかし徐々に巻くスピードを緩めついには手を止めてしまった。
いったいなぜ?仕掛けにかかったマグロは…。
それを防ぐためには繊細な力加減が必要なのだ。
松尾はこのリールさばきが抜群にうまい。
慎重に巻き上げること20分。
ようやくマグロが姿を現した。
人間とマグロの根気の勝負。
マグロが力尽きゆっくりと海面へ。
すると銛で一突き。
マグロにストレスがかからないよう一気に引きあげる。
しとめたのは52キロのマグロ。
松尾の真骨頂は処理の速さにある。
次に頭部に針金を差し込み釣り上げて氷につけるまでわずか7分という早業。
そんな松尾が近くで漁をする1艘の船を見つけた。
松尾のようなすご腕漁師になりたい。
そんな29歳の若者が下條浩人。
船を持って4年目の若き漁師だ。
実は下條は29歳にして4人の子供を持つ子だくさん漁師。
更に来年には5人の子供の父親になる。
マグロを釣らなければ生活ができない。
そんな下條が去年11月周囲を驚かせた。
超巨大マグロをしとめたのだ。
やったね。
子供と記念写真。
命がけで戦う漁師にとって至福のとき。
去年大物を釣ったことで一目置かれる存在となった下條。
だがそんな若き漁師が今年は調子が上がらない。
家族のためにもなんとか釣りたい。
目の前でマグロが跳ねた。
すかさず船を停めイカを投入。
果たしてマグロは喰いつくのか?マグロがかかったのは下條の真横の船。
その後もポイントを狙い船を流すこと数回。
だがなぜか当たりが来ない。
目の前で他の船が釣り上げ気持ばかりが焦る。
ポイントの移動に迷っていると他の船に割り込まれ先に釣られてしまった。
他の船に遠慮してしまう下條に対し松尾は…。
下條はしかしマグロ漁師の夢を捨てきれず今では4人の子供を持つ一家の大黒柱。
父親の役割もこなす。
下條はいまだ結果を残せずにいた。
このままいったら赤字だ。
家族の顔が浮かぶ。
この日漁場はしだいに荒れもように。
多くの船が港に戻っていくなか…。
シケのなかの漁は危険かつマグロの喰いつきも悪い。
だが家族のために諦めるわけにはいかない。
一か八かのチャンスにかける。
そのとき…。
ついにマグロが喰いついた。
家族のためにマグロと荒海の激闘!念願のマグロが喰いついた。
はやる気持を抑え慎重にリールを巻き上げる。
マグロはすぐ近くにいる。
慎重に引き寄せすぐにタモで魚に傷をつけないようすくい上げる。
12月に入って初めての一本は30キロほどの本マグロ。
小型のマグロでもカネになる。
家族を思う力が結果を生んだ。
一方の松尾は…。
マグロをしとめたものの30キロ程度の小物が1匹。
そんな松尾のもとに1艘の船がやってきた。
捕らえたのは100キロを超えようかという大物。
わざわざ松尾に見せるためマグロを引いてきたのだ。
この日は下條がなんとこれで父親としての面目が立つ。
港に戻ると子供たちが待っていた。
胸を張って帰港できるのは久しぶりだ。
漁師の顔から父親の顔へ。
11月我々は大間で1人のマグロ漁師と再会した。
彼の名は大間最長老のマグロ漁師。
小浜のそばにいるこちらの女性は…。
いつも寄り添う愛妻…。
実は1年前小浜は大間じゅうを驚かせることをやってのけた。
大間最長老小浜がマグロと一騎打ち。
だがマグロの抵抗は半端ではない。
84歳の体は海に投げ出されそうになる。
すると…。
大物マグロを釣り上げた。
その一報を受け…。
かつが港に駆けつける。
マグロの重さはこれほどの大物を小浜が釣り上げたのは実に7年ぶり。
かつが大喜びするわけだ。
長年大間で知られてきた2人。
いったい何が…。
それでも夫は漁に出る。
もう一度釣りたい。
巨大マグロを妻に見せたい。
漁に出る時間。
港に小浜の姿があった。
だが一向に船を出す気配がない。
しきりに何かを探している様子。
いったい何を?携帯電話を落としてしまったというが…。
携帯電話は緊急時に欠かせない。
見つかった?海につかっていた携帯電話。
果たしてかかるのか。
ケータイショップへ。
大間の自宅からバスで1時間以上かけて。
買い替えたの?いくらした?小浜家にとっては痛い出費。
思わぬ出費を取り戻すには魚を釣って稼ぐしかない。
真夜中だというのに漁に出る。
釣るのはマグロではない。
ブリなら夜中でも釣れる。
稼ぐため朝まで釣り続けた。
85歳の体にはこたえる。
小浜はかつて200キロを超える大物マグロを何本も釣り上げた大間でもトップクラスの凄腕漁師だった。
そんな小浜とかつは再婚同士。
マグロで稼ぎまくっていた頃から今に至るまで20年以上苦楽をともにしてきた。
かつは決まって小浜に握り飯を持たせる。
必ずゴマを付けて焼く。
そのわけは?自宅からすぐそばの港へ。
乗り込む船は年季の入ったこちら。
老朽化が激しいが買い替えるカネはない。
装備も古くマグロを見つける手段は旧型の魚群探知機だけ。
ソナーはない。
そんな船でしかも85歳まだマグロを狙う。
小浜のこだわりは仕掛けにある。
他の漁師と異なりトビウオ一本だ。
人呼んで小浜スペシャル。
トビウオをまるで生きているように見せる小浜スペシャルでこれまで大物を数々しとめてきた。
今も昔のやり方を貫く。
しかし…。
魚群探知機にマグロの姿はない。
その頃かつは天候を気にしていた。
そして港にまでやってきた。
いったいなぜ?夫はいつ戻ってくるのか。
マグロは釣れるのか。
不安な思いで港を見に行った帰り道のこと。
ゆっくり行こうゆっくり。
なにやらかつの様子がおかしい。
港からわずか数十メートルの帰り道。
何度も休憩を入れながら家路に着く。
いったいその身に何が起こっているのか。
ペースメーカー?激しい息切れを頻繁に起こすように。
そのため今年心臓ペースメーカーの埋め込み手術を行っていた。
どこが…。
これこれ。
ちょっとこんもりしてるね。
これここ機械がこう入ってるの。
これ入るんだよこれ。
あぁ。
小浜が港に戻ってきた。
お疲れでした。
はい。
どうでした?今日。
ダメ?この日の釣果はゼロ。
1円も稼げなかった。
たとえ釣れなくてもかつは笑顔と温かい食事で夫を迎える。
寒さが一段と厳しくなったある日の朝再び小浜家を訪れた。
すると。
こんにちは。
小浜さんかつさん。
家の中は静まり返ったまま。
かつの体調不良がわかってから誰も姿を見せない日が続いた小浜家。
すると…。
ようやく家の前で小浜を発見。
居間にかつの姿はないが無事なのだろうか。
最近結構かつさん起きるの遅いですか?そのとき。
朝早くからすみませんかつさん。
あんなに元気だったかつが今や起きることさえ一苦労。
そんな状況を見かねてこれまで家事など行わなかった小浜が包丁を握っていた。
メニューは自分が釣ったカレイの煮つけ。
うまくできただろうか。
7歳年下の女房をもらってから小浜は決めていることがあるという。
そうですね。
マグロ漁に向かう朝。
早起きしたかつの姿が。
小浜の好物ゴマの握り飯を作れるほど体調を取り戻していた。
妻が元気だと背中にカイロを貼ってもらえる。
いってらっしゃい頑張ってください。
かつに元気になってもらうためにもマグロを釣りたい。
ソナーを持たない小浜は勘だけを頼りにマグロを探していた。
跳ねた!?小浜の勘は衰えてはいなかった。
あとは釣り上げるだけだ。
わずかの差でマグロを逃がす。
だがこの日の小浜は気合いがみなぎっていた。
力の源はかつお手製ゴマの握り飯。
すると。
またも勘が的中。
しかし小浜の船の真下にあるマグロを奪い取ろうと他の船が集まってきた。
大間最長老漁師ここは一歩も引かない。
その頃かつは。
小浜は自慢の仕掛け小浜スペシャルの動きを見つめていた。
自分が見つけたマグロを他の船に取られてたまるか。
すると。
獲物を奪われてしまった。
この日かつへよい知らせを持ち帰ることはできなかった。
この日かつはふだん飲まない小浜に酒をついだ。
あ〜うめえうめえ。
うめえか。
来年こそはですか?来ます。
2015/12/30(水) 17:55〜20:54
テレビ大阪1
洋上の激闘!!巨大マグロ戦争2015〜誇り高き挑戦者たち〜[字]

マグロに命を懸けた凄腕漁師たちの飽くなき挑戦に密着!大間マグロ漁始まって以来の女性漁師。沖縄・宮古島の天才漁師が大間に殴り込み!安くて美味いマグロ料理の名店も!

詳細情報
番組内容
マグロに命を懸けた凄腕漁師たちの飽くなき挑戦に密着!マグロの聖地・大間では、マグロ漁始まって以来の女性漁師が誕生!さらに沖縄・宮古島の天才漁師が大間に殴り込み!凄腕漁師たちに挑戦状を叩きつける。長崎県壱岐では若きマグロ漁師たちの南洋での激闘に密着。大間最長老漁師も健在!重量300キロを超える巨大マグロと天才漁師たちとの激闘やいかに!ほかにも、おなじみ安くて美味いマグロ料理の名店も続々ご紹介!
出演者
【リポーター】
東貴博、パパイヤ鈴木、水野裕子
ホームページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/maguro_2015/

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ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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