IoT事例--「センサデータの分析による故障予測サービス」のシステムとは

NO BUDGET 2016年01月07日 12時19分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 IHIとIHI物流産業システム(ILM)、IHIエスキューブ(IS3)は、グループで提供している自動倉庫の保守事業に、作業履歴情報やセンサデータを活用した保守サービス支援システムを構築し、本格的な稼働を開始している。

 新システムは保守サービスについて、故障予測や計画点検、遠隔監視などの機能を提供し、顧客企業に対する保守サービスの高度化を実現するという。構築を支援した日本IBMが1月6日、発表した。

 IHIグループでは、社内外の多種多様なビッグデータを解析して各事業部に展開するための「高度情報マネジメント統括本部」を2013年4月に新設。新たな事業機会の創出や製品・サービスの高度化・総合化を目指しており、この流れから自動倉庫事業を推進してきた。

 ILMでは、これまでも自動倉庫内の設備や機材の稼働状態をリアルタイムに監視していた。一方、保守サービスをより高度化するためには、収集したデータを活用するといった、顧客の設備状況や保守要員の作業履歴などを分析、活用し顧客設備の稼働率を高めることが求められていた。

 このニーズに対し日本IBMは、設備や機器などのIoTから得られるビッグデータを解析して故障予測や計画点検のための、設備管理サービスを新システムへ提供。

 具体的には、各種センサからの異常や稼働履歴、PCで管理していた作業員の出動履歴、報告書、保守履歴に加え、IBMのビジネスインテリジェンス(BI)「SPSS」で分析した故障予測などの分析結果、顧客別・自動倉庫機種別のカルテ情報などをIBMの設備管理製品群「Maximo」で一元的に管理し、可視化、分析できるようにした。

 ILMでは、この新システムを使うことで故障対応の質の向上、定期点検の効率化、遠隔監視など保守サービス高度化を実現できるようになるという。

 例えば、故障対応の質の向上については、全国の顧客設備の状況やカルテ情報、保守要員の出動履歴などを全国16カ所のサービスセンターで把握できるようになるため、故障の兆候を検知して事前に対応できるようにしている。また、各部品の故障予測や部品の寿命予測をすることで計画的な部品の在庫管理ができるようになり、緊急調達を減らしコストも削減できる。

 日本IBMは、設備や機器などのIoTから得られるビッグデータを解析してトラブルの予兆を検知し、IBMがグローバルで蓄積してきた知見を生かしながら、品質、サービス、保全領域の最適化を支援していくという。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ホワイトペーパー

SpecialPR

連載

CIO
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
データドリブンな経営
情報通信技術の新しい使い方
米ZDNet編集長Larryの独り言
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
田中克己「2020年のIT企業」
大木豊成「Apple法人ユースの取説」
林雅之「スマートマシン時代」
デジタルバリューシフト
モノのインターネットの衝撃
松岡功「一言もの申す」
三国大洋のスクラップブック
大河原克行のエンプラ徒然
今週の明言
アナリストの視点
コミュニケーション
情報系システム最適化
モバイル
モバイルファーストは不可逆
通信のゆくえを追う
スマートデバイス戦略
セキュリティ
ベネッセ情報漏えい
ネットワークセキュリティ
セキュリティの論点
OS
XP後のコンピュータ
スペシャル
より賢く活用するためのOSS最新動向
HPE Discover
Oracle OpenWorld
AWS re:Invent 2015 Report
「Windows 10」法人導入の手引き
北川裕康「データアナリティクスの勘所」
Windows Server 2003サポート終了へ秒読み
米株式動向
マーケティングオートメーション
AWS re:Invent 2014
Teradata 2014 PARTNERS
Dreamforce 2014
Windows Server 2003サポート終了
実践ビッグデータ
VMworld 2014
中国ビジネス四方山話
日本株展望
ベトナムでビジネス
アジアのIT
10の事情
エンタープライズトレンド
クラウドと仮想化
NSAデータ収集問題