【巨人】“鬼主将”坂本、グアムで始動!阿部から学んだ金言で「岡本ついて来い」
【米グアム6日=ペン・中村大悟、カメラ・酒井悠一】巨人の坂本勇人内野手(27)が、真のキャプテンの自覚を胸に自主トレをスタートさせた。インターバル走で2年目の岡本和真内野手(19)に先行して奮起を促すなど“鬼主将”に変貌。自身が1年目のオフに阿部と同地で自主トレを行い、開幕スタメンをつかんだように、期待のホープを一人前に育て上げる。その岡本は、圧巻のロングティー打撃を披露した。
最後の最後までリードは譲らなかった。走れば走るほど坂本の背中は、岡本の視界から遠ざかっていった。「自分がしっかりとやっておけば、後輩は確実に気にしながらやると思うので」。初日の最終メニューとなった80メートルのインターバル走。気温28度の強い日差しの中、隣で走る金の卵の先をいった。自覚十分の“真主将”の姿だった。
脳裏には8年前がフラッシュバックしていた。プロ2年目に向かう08年の初めてのオフ、阿部に誘われてグアムで自主トレ。ティー打撃で大先輩から「軸の右足に重心を残すようにしないと」と助言されるなど多くの金言を授かり、ウェートトレでは同じメニューを消化。心身ともに一回り成長し、同年には松井秀喜氏以来となる10代での開幕スタメンをつかんだ。今年、阿部から自立し、あの時と同じ状況の岡本に声をかけて連れてきたからこそ、進化の手助けがしたかった。
打撃練習ではティー打撃のトス役を務め、「ロングティーもやってみれば」と助言。飛距離からバットの出し方やインパクトの強弱が確認でき、自身がシーズン中も取り入れている練習法を提案した。キャッチボールではグラブトスも伝授し、三遊間で全員でノックを受けた際には、岡本のユニホームの着こなしに注目。短パンとふくらはぎまでのハイソックスのミスマッチに気が付き、「昭和っぽいな」とダメ出し。すぐにくるぶしまで靴下を下げた19歳に、見られてなんぼのプロとして身だしなみの大切さを教えた。
もちろん、己のレベルアップにも心血を注ぐ。昨年12月上旬、阿部から「(坂本は)ホント大丈夫かな。ちゃんと、巨人の伝統だったり、いろいろなものを背負って、引き継ぐ人がいない」と奮起を促された。昨年は遠慮もあり、自らが旗振り役になってシーズン中に選手ミーティングを開いたのは1度だけだった。だが、V逸し、監督も交代。主将として先頭に立たなければ、チームは変わらないと奮い立った。昨年末には「(来季は)遠慮せずにいきたい」と宣言。その言葉通り、まずは岡本のケツをたたいた。「コンディションはすごくいい。練習するだけでなく質も求めていきたいです」。節目のプロ10年目、後輩育成と技術向上を同時に進め、最高のシーズンにする。