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 韓国政府は、北朝鮮が水素爆弾実験に成功したと発表したことを受け、日米など関係する主要国と今後の対応について緊急協議に入る方針だ。核実験は国連安全保障理事会決議に違反することから、安保理の招集も求めるとみられる。

 韓国気象庁は6日午後、同日午前10時半ごろ、北朝鮮咸鏡北道(ハムギョンブクト)吉州近郊でマグニチュード4・7の地震が発生し、「人工地震と推定される」との分析結果を発表した。

 大統領府は6日正午に国家安全保障会議(NSC)を招集した。外交省や国防省も緊急態勢に入り、情報収集と分析を急いでいる。

 韓国政府当局者は6日午前、現状についてはまだ「把握中だ」として、過去3回の核実験と異なり、中国など関係国に事前に通知していなかったと明らかにした。地震が発生した場所も核実験場がある豊渓里(プンゲリ)付近とみられるが、正確な位置はさらなる分析が必要で、核実験かどうか判断するにも時間がかかるとした。

 米政府も、北朝鮮が核実験を実施した可能性がある地震波を急いで分析しており、核実験だと確認できれば、北朝鮮を強く非難する声明を発表する模様だ。核実験や弾道ミサイルの発射を禁じる国連安全保障理事会の決議にも違反しているとの立場から、北朝鮮への制裁をさらに強化することを検討するとみられる。

 中国も国営新華社通信や中国中央テレビが6日昼、「北朝鮮が初の水爆実験を成功させたと表明した」と速報し、高い関心を寄せている。中朝国境近くの吉林省内の住民は同日、朝日新聞の電話取材に「揺れを感じた」と語った。

 ただ、中国政府は同日昼時点で、公式な反応を明らかにしていない。事実関係の情報収集を急ぐとともに、今後の対応について内部で検討しているとみられる。(ソウル=東岡徹、ワシントン=奥寺淳、北京=倉重奈苗)