W3Cが第67回エミー賞受賞、キャプションと字幕の標準化で。既存産業へ浸透するWebテクノロジー
エミー賞は、テレビに関連するさまざまなな業績について与えられる有名な賞の1つ。テレビ業界のアカデミー賞とも言われます。
主催は米国テレビ芸術科学アカデミーで、最近ではTBSドラマの「MOZU」が昨年、国際エミー賞にノミネートされています。
そのエミー賞の1つ、「Technology & Engineering Emmy Awards」(テクノロジー&エンジニアリングエミー賞)を、Web技術の標準化団体「W3C」が受賞したと発表されました。
受賞理由は、W3Cが標準化を行っている「Timed Text Markup Language (TTML)」が、「Standardization and Pioneering Development of Non-Live Broadband Captioning」(非ライブ放送のキャプションにおける標準化と先駆的開発)分野で功績をあげたとされたためです。
W3Cによるエミー賞の受賞は、既存の産業の中にWebテクノロジーが影響力を持って浸透し、あるいはWebテクノロジーによって既存の産業とWeb業界との橋渡しが実現されている象徴と言えるのではないでしょうか。
W3C CEO Jeff Jaffe氏は発表の中で次のようにコメントしています。
W3C is thrilled to receive a 2016 Emmy ® Award in recognition of technologies that support an important part of our mission to bring the full potential of the World Wide Web to everyone, whatever their disability, culture, language, device or network infrastructure,
2016エミー賞において、Webの力を、健常者や障害者、文化、言語、デバイスあるいはネットワークインフラに関わらず誰にでももたらすという私たちのミッションの重要な1つを認めていただき、受賞できたことをとても光栄に思います。
TTML1.0は2010年にW3Cの勧告となった技術。テキスト情報のオーサリングや表示を行う用途で、Webをはじめとするさまざまなメディアででキャプションや字幕を表示するため、もしくはメディア間でやりとりするためのフォーマットとされています。