阿部彰芳
2016年1月7日12時33分
ブラックホール周辺のガスが吸い込まれる際に明暗を繰り返しながら光る現象を、京都大などの国際チームが初めて観測した。光の強さが数十分から2時間ほどの周期で10倍ほど変わっていた。英科学誌ネイチャー電子版に7日発表した。
京大が観測を主導し、10カ国以上の研究者やアマチュア天文家が参加。京大大学院生の木邑真理子さんらがデータをまとめた。
地球から7800光年離れたはくちょう座のブラックホールで昨年6月、ガスがブラックホールに吸い込まれる際に急に明るくなり、強いX線を出す現象が発生。市販の大型望遠鏡でも見えるほどで、光の変動はX線の強さの変化に続いて起きていた。X線が周辺のガスにぶつかり、可視光が出たとみられるという。
こうした現象の観測はこれまでX線が中心で、可視光は宇宙空間で弱まるため不向きとされていた。グループの上田佳宏准教授は「今回は地球に近いという好条件だったが、可視光はすぐに観測にとりかかれる利点がある。データを集める有力な手段になるのではないか」と話す。(阿部彰芳)
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