奥山晶二郎
2016年1月7日10時55分
「マルコヴィッチの穴」などで知られる世界的俳優のジョン・マルコヴィッチ氏。公開が2115年11月18日という映画のプロジェクトが発表され、話題になっています。その名も「100 YEARS」という新作は、100年後の地球をイメージした内容。1本25万円、完成までに100年かかる最高級コニャック「ルイ13世」をモチーフに作られました。フィルムは金庫で保管され、選ばれた1千人の「子孫」に向けた招待状が配られます。ネット上ではさっそく「決して見られないなんて……」「お酒も飲んでみたい」など反応が寄せられています。
■監督も俳優も完成に立ち会えない
映画「100 YEARS」は、作るまでに100年かかるお酒として知られるコニャック「ルイ13世」からインスピレーションを受けて企画されました。「ルイ13世」は、価格が25万円する最高級コニャックとして知られ、完成までに4世代の職人が関わると言われています。
職人は自分が作ったお酒が完成する時に、もうこの世にいない。そんな「ルイ13世」にならって、監督や俳優らが公開に立ち会うことがない映画として「100 YEARS」は生まれました。
■特製金庫、金属製の招待状
今回、映画の主演をつとめ、脚本も書き下ろしたマルコヴィッチ氏は「最初からこのアイデアをとても気に入っています。ある意味、自分が手がける全ての映画が100年後にしか公開されなければ良いな、とも思います。そうする事でどれだけの影響があるのかは分かりませんが」と語っています。
「100 YEARS」のフィルムは公開される2115年11月18日まで、特製の金庫で保管されます。金庫に鍵はありません。公開日に電力がない状況でも自動的に開くよう設定されています。
金属製の招待状は、宛先の本人でははく、その子孫に向けて送られます。公開日には、フランスのコニャック地方にある会場で上映会が開かれる予定です。
■不穏な予告編「けっこうシリアス」
私たちは、本編を見ることはできなさそうですが、予告編が3本、ネット上で公開されています。
一つ目は、化学兵器による戦争の後、自然に支配される地球が描かれた世界。二つ目は、科学が発達し、地球外探査も進むテクノロジーに支配される世界。三つ目は、人型ロボットに支配され、人間はロボットから逃げ回る世界。
どれも明るい内容とは言えませんが、予告編なので、ラストがどうなるかはわかりません。ツイッターでは、ハッシュタグ「#notcomingsoon(まもなく公開…しません!)」でコメントを募集中です。「ジョークかと思ったら、けっこうシリアスな映画なのか」「100年後の映画より、(お酒を)飲んでみたい」など、さっそく様々な反応が寄せられています。(奥山晶二郎)
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