1月6日の中日新聞(愛知県内版)で、「Uターン市議」として紹介いただきました。

今夏の18歳選挙権を見据えた新年企画、「若者@まつりごと」という1月1日からの連載です。 昨日までは高校生・大学生ばかりだったのに、いきなりアラサーが登場。 とはいえ、現職議員での掲載は僕だけと聞いており、とても嬉しく思っています。
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さて年明けに、地域おこし協力隊をしている友人とメッセージのやりとりをしていました。
200票が多いか少ないかは、コップに入った半分の水を見て、「まだ半分ある」か「半分しかない」かという話と同じなので、個人の考え方次第ですが、「自分でも行けそう」と思える人は、立候補を考えてみてはいかがでしょう。
かくいう僕もそのクチで、13年前、僕がまだ二十歳になる前の市議会議員選挙が、僕にとって初めて、直接知っている人が立候補された選挙でした。 そのとき、はじめて市議の得票数を見たのですが、「え、これなら、僕でも、友だちの友だちまでで行けるんじゃない?」と考えてしまったのが、振り返ってみれば、今につながっている気がします。
「選挙はそんな甘いものじゃない」というのは、直前になってわかったのですが、なにせそのときには仕事もやめており、前に進むしかなく… 今思えば、無知というのはときに強いなぁ、と思います。
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さて、愛知県内の地域おこし協力隊がいる市町村で、直近の地方議員選挙のボーダーライン(当選者のうち最も少ない票数)は、およそ次の通りです。
豊田市という人口40万人を超える都市に地域おこし協力隊がいることを意外に思う方がいるかもしれません。 すごくざっくり言うと、平成の大合併前の(一部の)旧町村地域や離島ならOKというルールが適用されています。 実は新城市も同じです。 愛知県内では他に、岡崎市・西尾市・南知多町もそのルールの対象地域です。
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では、なぜ地域おこし協力隊の方々に立候補をすすめるのか、理由は次の5つ。
1.そこに住民票がある。
基本中の基本なのですが、地方議員はその地域に住民票がないと立候補できません。 地域おこし協力隊は、住民票の移動が必須なので、もうその地域に住民票があります。
2.目立つ
高齢者が多い地域に、都市部にいた20代30代が移住してくるわけですから、それだけで目立ちます。 更に、地域おこし協力隊は記事になりやすく、着任するだけで、地元の新聞に載ったりします。 自ずと地域での知名度は高くなります。
3.UターンOK
あまり知られていないのですが、地域おこし協力隊として赴任するのは、都市「出身者」でなくてもOKです。 都市部で生活していた地方出身者が、自分の地元に地域おこし協力隊としてUターンしてくるのも認められています。
4.有期雇用である
地域おこし協力隊は、最長3年の有期雇用です。 いつかは次の仕事を探さなくていけないのです。 というよりも、その間に地域での定住・定着の手段を探るというのが、地域おこし協力隊の任務です。
5.議員は兼業してよい
議員は、地方議員も国会議員も兼業が認められています。 出身地によって、これに対する認識が大きく違うので、話す相手によって反応がちがって興味深いのですが、大規模自治体出身の人は、議員といえば国会議員のイメージが強いのか、専業だと思っています。
一方で、町村など出身の人は、地方議員に兼業が多いことを知っています。 身近でそういう人を見ているからです。 なぜなら、ひとくちに議員といっても、自治体によってその報酬は全然ちがいます。
豊根村、東栄町、設楽町は年ベースの金額が見つからなかったのですが、新城市と豊田市が、だいたい月額の16.5倍ということを勘案すると、それぞれ、約240万円、約300万円、約320万円、という感じでしょうか。 地域おこし協力隊の年収が約200万円のため、それよりはありそうです。 ちなみに、僕の前職もほぼ同じです。
地域おこし協力隊は、定住・定着できる事業、つまり、自活できる事業をその地域で立ち上げることが期待されていますが、すぐにはなかなか難しいと思います。 地域おこし協力隊の卒業後に、そうした事業を軌道に乗せながら、兼業議員をするという選択肢、僕はありと考えます。
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もう考えれば考えるほど、地域おこし協力隊は、国(総務省)が、わかもの・よそもの・ばかものな地方議員を、硬直した離島山村部の地方議会に増やそうという裏の意図があったんじゃないかと思えるくらい、地域おこし協力隊から地方議員の転身ってぴったり!
ただ一点、気をつけた方がいいこと。
それは、立候補への気持ちを外に出すと、その時点で退職手続きが始まります。 なぜなら、地域おこし協力隊も公務員の一形態であるからです。 注意してください。 僕の前職、商店街マネージャーは民間人(団体職員)だったのですが、それでも大元が愛知県の補助事業であったので、2日後に退職となりました。
だから、なかなか相談が難しい。 だからもし、選挙に興味がある人いれば、こっそり僕に言ってください。 秘密厳守で、相談に乗ります。
あと、お金をちょっとずつ貯めてください。 僕も投票日までの8週間で約200万円を使いました。 かかるお金は、自治体の人口や広さに、ある程度比例すると思いますが、それでも50万〜100万くらいはかかるのではないかと思います。
<参考サイト>
- 地域おこし協力隊|総務省
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
- 自治体選挙情報|選挙ドットコム
http://go2senkyo.com/election/jichitai/pref/aichi/list
- 全国・全地域の議員報酬番付 - 都道府県・市区町村ランキング【日本・地域番付】
http://area-info.jpn.org/IcomSenatAll.html
- 市議会議員の年収・収入ランキング|年収ガイド
http://www.nenshuu.net/special_public/sikutyouson/in_sigikai.php
愛知豊橋・長坂なおと のblog より
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ
今夏の18歳選挙権を見据えた新年企画、「若者@まつりごと」という1月1日からの連載です。 昨日までは高校生・大学生ばかりだったのに、いきなりアラサーが登場。 とはいえ、現職議員での掲載は僕だけと聞いており、とても嬉しく思っています。
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さて年明けに、地域おこし協力隊をしている友人とメッセージのやりとりをしていました。
長坂さん、聞いてください! うちの町の選挙、200票で議員になれるんです! 僕でもなれるんじゃないかって。き、気づいてしまったか…
200票が多いか少ないかは、コップに入った半分の水を見て、「まだ半分ある」か「半分しかない」かという話と同じなので、個人の考え方次第ですが、「自分でも行けそう」と思える人は、立候補を考えてみてはいかがでしょう。
かくいう僕もそのクチで、13年前、僕がまだ二十歳になる前の市議会議員選挙が、僕にとって初めて、直接知っている人が立候補された選挙でした。 そのとき、はじめて市議の得票数を見たのですが、「え、これなら、僕でも、友だちの友だちまでで行けるんじゃない?」と考えてしまったのが、振り返ってみれば、今につながっている気がします。
「選挙はそんな甘いものじゃない」というのは、直前になってわかったのですが、なにせそのときには仕事もやめており、前に進むしかなく… 今思えば、無知というのはときに強いなぁ、と思います。
■
さて、愛知県内の地域おこし協力隊がいる市町村で、直近の地方議員選挙のボーダーライン(当選者のうち最も少ない票数)は、およそ次の通りです。
- 豊根村: 85票
- 東栄町: 150票
- 設楽町: 2回連続の無投票
- 新城市: 1,053票
- 豊田市: 3,161票
豊田市という人口40万人を超える都市に地域おこし協力隊がいることを意外に思う方がいるかもしれません。 すごくざっくり言うと、平成の大合併前の(一部の)旧町村地域や離島ならOKというルールが適用されています。 実は新城市も同じです。 愛知県内では他に、岡崎市・西尾市・南知多町もそのルールの対象地域です。
■
では、なぜ地域おこし協力隊の方々に立候補をすすめるのか、理由は次の5つ。
1.そこに住民票がある。
基本中の基本なのですが、地方議員はその地域に住民票がないと立候補できません。 地域おこし協力隊は、住民票の移動が必須なので、もうその地域に住民票があります。
2.目立つ
高齢者が多い地域に、都市部にいた20代30代が移住してくるわけですから、それだけで目立ちます。 更に、地域おこし協力隊は記事になりやすく、着任するだけで、地元の新聞に載ったりします。 自ずと地域での知名度は高くなります。
3.UターンOK
あまり知られていないのですが、地域おこし協力隊として赴任するのは、都市「出身者」でなくてもOKです。 都市部で生活していた地方出身者が、自分の地元に地域おこし協力隊としてUターンしてくるのも認められています。
4.有期雇用である
地域おこし協力隊は、最長3年の有期雇用です。 いつかは次の仕事を探さなくていけないのです。 というよりも、その間に地域での定住・定着の手段を探るというのが、地域おこし協力隊の任務です。
5.議員は兼業してよい
議員は、地方議員も国会議員も兼業が認められています。 出身地によって、これに対する認識が大きく違うので、話す相手によって反応がちがって興味深いのですが、大規模自治体出身の人は、議員といえば国会議員のイメージが強いのか、専業だと思っています。
一方で、町村など出身の人は、地方議員に兼業が多いことを知っています。 身近でそういう人を見ているからです。 なぜなら、ひとくちに議員といっても、自治体によってその報酬は全然ちがいます。
- 豊根村: 月14.5万円
- 東栄町: 月18万円
- 設楽町: 月19.5万円
- 新城市: 月37.2万円 (年約613万円)
- 豊田市: 月62.1万円 (年約1024万円)
豊根村、東栄町、設楽町は年ベースの金額が見つからなかったのですが、新城市と豊田市が、だいたい月額の16.5倍ということを勘案すると、それぞれ、約240万円、約300万円、約320万円、という感じでしょうか。 地域おこし協力隊の年収が約200万円のため、それよりはありそうです。 ちなみに、僕の前職もほぼ同じです。
地域おこし協力隊は、定住・定着できる事業、つまり、自活できる事業をその地域で立ち上げることが期待されていますが、すぐにはなかなか難しいと思います。 地域おこし協力隊の卒業後に、そうした事業を軌道に乗せながら、兼業議員をするという選択肢、僕はありと考えます。
■
もう考えれば考えるほど、地域おこし協力隊は、国(総務省)が、わかもの・よそもの・ばかものな地方議員を、硬直した離島山村部の地方議会に増やそうという裏の意図があったんじゃないかと思えるくらい、地域おこし協力隊から地方議員の転身ってぴったり!
ただ一点、気をつけた方がいいこと。
それは、立候補への気持ちを外に出すと、その時点で退職手続きが始まります。 なぜなら、地域おこし協力隊も公務員の一形態であるからです。 注意してください。 僕の前職、商店街マネージャーは民間人(団体職員)だったのですが、それでも大元が愛知県の補助事業であったので、2日後に退職となりました。
だから、なかなか相談が難しい。 だからもし、選挙に興味がある人いれば、こっそり僕に言ってください。 秘密厳守で、相談に乗ります。
あと、お金をちょっとずつ貯めてください。 僕も投票日までの8週間で約200万円を使いました。 かかるお金は、自治体の人口や広さに、ある程度比例すると思いますが、それでも50万〜100万くらいはかかるのではないかと思います。
選挙までの8週間でいくらお金を使ったか。 - 愛知豊橋・長坂なおと のblogでは!
http://nagasakanaoto.blog.jp/150624.html
<参考サイト>
- 地域おこし協力隊|総務省
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
- 自治体選挙情報|選挙ドットコム
http://go2senkyo.com/election/jichitai/pref/aichi/list
- 全国・全地域の議員報酬番付 - 都道府県・市区町村ランキング【日本・地域番付】
http://area-info.jpn.org/IcomSenatAll.html
- 市議会議員の年収・収入ランキング|年収ガイド
http://www.nenshuu.net/special_public/sikutyouson/in_sigikai.php
愛知豊橋・長坂なおと のblog より
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ