川崎フロンターレの2016年シーズンに向けた選手獲得は狙い通り
今シーズンの川崎フロンターレの選手獲得についてですが、僕が考える優先順位とポジションは以下の4点でした。
- 足の速いセンターバック
- ボールを奪うことに長けたボランチ
- キックの上手いGK or シュートを止める能力に長けたGK
- サイドも中央でもプレーできるFW
上記4点に加えて、既存戦力を維持するために、少なくとも以下の問題を解決しなければなりませんでした。他にも表になっていない問題がたくさんあったはずです。それを解決した上で、新戦力を獲得しなければなりません。非常に難しいミッションだったと思います。
- エウシーニョとの契約延長(レンタルor完全移籍)
- 車屋、中野、新井とのA契約締結(人件費が増える)
結論を言うと、川崎フロンターレとしては2016年シーズンに向けて、ほぼ狙い通りに選手を獲得出来たのではないかと思います。なぜ狙い通りなのか、私見たっぷりに書きたいと思います。
なぜ、足の速いセンターバックが必要なのか。
なぜ、足の速いセンターバックが必要なのか。それは、川崎フロンターレが、ボールを保持する時間が長くなり、相手を押し込めるようになったため、相手の攻撃を受ける時は、数的同数、もしくは数的不利で守ることが増えたからです。そして、相手はスピードに乗った状態で、攻撃を仕掛けてきます。足が遅い選手では、対応出来ないのです。角田がフィットしなかったのは、足の遅さも要因だったと僕は思います。
そこで、狙いを定めていたのが、遠藤と奈良でした。結果的に奈良を獲得できたのは、狙い通りだったと思います。奈良は足の速さを活かした、1対1の強さに特徴があるプレーヤーです。年齢が22歳と若いのも、若返りを進めているチームとしては、狙い通りの補強だったと思います。
なぜ、ボールを奪うことに長けたボランチが必要なのか。
なぜ、ボールを奪うことに長けたボランチが必要なのか。それは、今シーズンの川崎フロンターレは「中盤でボールを奪うことが出来ない」という問題を抱えていたからです。大島、中村はパスコースを読んだパスカットは得意ですが、相手が攻め込んできた時に、身体をぶつけて攻撃を遅らせたり、奪いとってしまうようなプレーが得意な選手ではありません。したがって、中盤でボールを奪えず、攻撃を遅らせられず、DFが相手がスピードにのった状態で攻撃を受ける場面がみられました。
そこで獲得したのが、エドゥアルド ネットです。185cmと身長が高く、YouTubeの映像を観ていると、身体の強い選手だという印象を受けました。映像を観ていると、ボールを運ぶドリブルも上手い選手なので、今の川崎フロンターレにはいなかったタイプの選手だと思います。後は、川崎フロンターレの早いテンポで回すパス回しに、適応できるかどうかだと思います。
なぜ、キックの上手いGK or シュートを止める能力に長けたGKが必要なのか。
なぜ、キックの上手いGK or シュートを止める能力に長けたGKが必要なのか。キックの上手いGKが必要な理由は、川崎フロンターレがボールを保持する戦い方をしたいから。そして、シュートを止める能力に長けたGKが必要な理由は、相手のスピードにのった攻撃を受けると、どうしても相手を止めきれず、シュートを打たれる場面が増えてしまうからです。
キックの上手いGKとして、高木が経験を積んで戻ってきました。そして、シュートを止める能力に長けたGKとしては、元韓国代表の正GKを務めていたチョン・ソンリョンが加入しました。GKは新井の起用に目処もたっているので、選手層が厚くなりました。4人の総合力を考えれば、Jリーグトップクラスだと思います。試合に出るのも大変だと思います。
なぜ、サイドでも中央でもプレー出来るFWが必要なのか。
サイドでも中央でもプレー出来るFWが必要な理由としては、川崎フロンターレのFWの選手として求められる、ボールを扱う技術を満たす必要があると考えたからです。そう考えると、森本の加入は考えうる限り最高の補強だったと思います。サイドでプレーできませんが、足が速く、相手を外す動きが上手く、ボールを扱う技術に長け、なおかつ東京ヴェルディというチームの出身なので、速いテンポでパスを繋ぐ攻撃にも慣れている。もう、森本がフィットしなければ、Jリーグでフィットする選手はいないんじゃないかと思うほど、最高の補強だと思います。
既に所属している選手で今年期待している選手
あと、サイドでもボランチでもプレー出来る狩野、大島、中村が負傷した時の事を考えて獲得した原川、共にボールを扱う技術に長けた選手です。川崎フロンターレのサッカーにフィットすれば、面白い選手たちだと思います。
2016年に獲得した選手たちだけでなく、既に所属している選手たちのなかでも、力をつけてチームに貢献する選手が出てくることを僕は期待しています。2015年シーズンは、武岡がDFとして素晴らしい活躍をしました。今年個人的に期待しているのは、橋本晃司です。2015年シーズン終盤、練習を見ていても明らかに動きがよく、試合出場機会を増やした選手の1人です。僕は橋本の今シーズンにとても期待しています。
こうして、2016年シーズンに新たに加入する選手の事を書いていると、2016年シーズンに対する期待が高まってきます。どんなシーズンになるのか、今から楽しみです。
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