【室蘭】まちを応援したい人が自治体に寄付金を送る「ふるさと納税」で、室蘭市への寄付が2015年度は大幅に増えている。年度途中の15年9月から寄付への返礼品を一新し、活ホタテの「蘭扇(らんせん)」など特産品を贈っているためとみられ、すでに昨年度1年間の件数、金額をいずれも上回った。

 市総務課によると、本年度の寄付は12月23日現在で189件、810万4千円。4~8月は12件、350万5千円だったのが、9月以降に177件、459万9千円と急増。昨年度の110件、671万円に比べ本年度は約3カ月残す時点で件数で1・7倍、金額で1・2倍まで増えている。

 市は2008年から、「ふるさと応援寄付金」の名称でふるさと納税を開始。これまでは寄付者全員に室蘭の風景写真のカレンダーを贈ってきたが、各自治体が返礼品を工夫する中、昨年9月から仕組みをリニューアル。市外在住で1万円以上の寄付者に対し、3千円相当の7種類の返礼品の中から1種類を選んでもらい、贈呈するようにした。

 返礼品別にみると、11月末までの発送数は蘭扇が42件でトップ。次いで「室蘭やきとり」が24件、「室蘭うずらのプリン」が2種類で14件と続く。

 室蘭出身者らでつくる東京室蘭会や関西室蘭会でPRしたことから、寄付者は関東圏や大阪の在住者が多い。ただ、愛知や山梨、三重など全国各地に広がっており、同課は「返礼品を充実させた効果ではないか」と分析する。

 返礼品効果が表れたため、市は今後、返礼品の種類をさらに増やす方向で検討している。(片岡麻衣子)