ニューヨーク・タイムズ
2016年1月6日17時26分
北朝鮮の若き指導者お気に入りのポップバンド「モランボン楽団」が12月12日、中国・北京での公演を突然中止し、空路帰国した。開幕のわずか数時間前のドタキャンだった。北朝鮮を代表する楽団の初の外国公演だった。中国との外交関係を改善すべく北京に送ったのに、何があったのか?
モランボン楽団のメンバーは約20人。全員ほっそりとした若い女性で、ぴっちりとしたドレスとハイヒール姿で、西側のポップスから北朝鮮の革命歌まで歌う。1948年の建国後、「金ファミリー」3代にわたる独裁的社会主義体制を敷く北朝鮮は窮屈な国のイメージがあるが、「モランボン楽団」はちょっと違っていた。報道によると、現指導者の金正恩(キムジョンウン)自らメンバーを選んだ、と言われている。彼の妻も他の楽団の歌手だった。
今回の突然の帰国は、金政権の気まぐれ、かつ秘密主義的な体質の表れとみられている。同時に、2011年末に金正恩が政権を引き継いで以来、不安定になった対中関係で、大きな問題が出てきたことを示している。
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朝日新聞国際報道部
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