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国内アーティスト/DJが選ぶ2015年ベストディスク

2015-12-25

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The Anticipation Illicit Tsuboi (Tokyo) : Hip Hop / R&B, Japanese Pop, Japanese Hip Hop

国内屈指のロック、ヒップホップ系サウンド・エンジニア、サウンド・クリエイターとして活躍するかたわら、ECDやキエるマキュウのステージにて観客をアジったり、ターンテーブルを破壊したり火をつけたり、度の過ぎたヴァイナル愛によってレア盤を割ってしまったりと、異様なまでの存在感を見せつけるライヴDJとしても有名。長年に渡ってアンダーグラウンドからオーバーグラウンド、表方から裏方まで多面的に活躍を続ける、国内屈指のレコード・コレクターにして、日本のヒップホップにおける人間国宝のひとり。今回の2015年間チャートでは "About most Anticipated 'Re-Issue LABEL' in 2015 BEST 11" と題して、復刻レーベルとそこからのリイシュー・タイトルを紹介している。

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  1. 1
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    Krzysztof Komeda / Ballet Etudes/The Music of Komeda

    2015年も新譜から旧譜、復刻まで色々リリースがありました。特にアナログ復興の流れもあり、昨年までの動きとは雲泥の差でのリリース量、そして盛り上がりがあったなぁ~と。そこで2015年に発売されたお気に入りの銘盤と併せて、個人的にハマった復刻レーベルを紹介致します。これを機に、今後更なるイイ音楽の出会いの参考になればと思います。

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    まずはこちら。原盤はデンマークMetronome、1963年産。Komedaの中でも最高傑作の1枚で、ユーロ・モード・ジャズ最高峰。Allan BotschinskyもA面で素晴らしい演奏で参加してます。ジャズ・ファン界隈ではこのレコードが壁にあったら目の色が変わるという有名な逸話があり、自分も実際1回しか見た事が無い。林家正蔵氏もオリジナルを所有してるそうで、テレビで賞賛しておりました。

    【Be! Jazz (B.Free)】
    Be! Jazzは今年もかなりユーロ・レア・ジャズの濃い部分のセレクションを量産。その筋の方皆「んー」と唸ってるのを、ジャズ喫茶など色んな所で見かけました笑。B.Freeという別枠レーベルは、更に尖ったセレクションでそちらも◎。

    LP | BE! JAZZ

  2. 2
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    Carsten Meinert Kvartet / To You

    原盤はデンマークM.S. Records、1968年産。後にデンマーク・アンダーグラウンド・レーベルの雄Spectatorを立ち上げる、Carsten Meinertの名盤1st.。68年ということもあり、John Coltrane直系のヘヴィー・サウンド。『A Love Supreme』のデンマークからの返答的アルバム。何より自主プレス・サウンドの怪しい怨念が激しく迫ってくるこの狂気は、他では見当たらない。国宝サウンド。ライナーに68年にElvin、Jimmy Garrisonとセッションしてる貴重な写真有り。

    【Frederiksberg】
    個人的には今一押しの復刻レーベル。まだ2タイトルしか出てないが丁寧な仕事とラインナップは間違い無し。

    LP | FREDERIKSBERG

  3. 3
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    Hurdy Gurdy / S.T.

    原盤はオランダ、1972年産。デンマークのプログレ・ブルース・ロックで内容はとにかく渋い!ジャケのこのおどろおどろしさも相まって最高。このジャケを自宅で飾りたくて、内容も聴かずに20年前購入した想い出のレコードであります。A-2に最強のモジュレーション掛かったブレイクがあり、20年寝かしてたけど結局最強過ぎて使えず・・・いつか登場したらその時は「あ~あれか」って思って頂ければと笑。このShadoks盤はその前にSpectatorから出した7インチも別に付いており、そちらも内容最高です。

    【Shadoks Music】
    ドイツの復刻最大手レーベル。ここから出てるアイテムはほぼ購入してる。全盤必須!

    LP | SHADOKS MUSIC

  4. 4
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    Avalanche / Perseverance Kills Our Game

    原盤はオランダ、1979年産。オランダは昔からプライヴェート・プレスが盛んな国で、名作多し(『Private Dutch』という名著がある程)。このバンドも、フォークでありながらドイツ・アングラ・シーンのようなアシッド感があり、時折みせるファズ・サウンドに思わずクラクラきます。ジャケが白基調なので、Beatles『White Album』や天皇『Noize』あたりと同様に、綺麗なジャケが現存する率が低いことでも有名。

    【Guerssen】
    スペインの復刻王者レーベル。タイトル数でいえば一番多いのがココです。

    LP | GUERSSEN

  5. 5
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    Promise / S.T.

    原盤はUS、1980年産。80年という微妙な時期に、BadfingerやPilot直系の最高にイカすパワーポップ・サウンドで、これがまた信じ難いほどの好内容。今回入手してかなりガツンとヤラれた1枚で、インパクトで言えば再発界隈では今年1番!このレーベルは他に、Hot Knives、Eternity、Rocket Robertの3タイトルがリリースされてるが、どれもかなり興味深い内容なので是非。

    【God Kinda Lost】
    Guerssenは傘下にSommor(アシッド・フォーク)、Pharaway Sounds(トルコ系)、Out-Sider(エクスペリエント系)があり、このGod Kinda Lostもその1つ。このレーベルは、何とオブスキュアなパワーポップ系という他ではあまり見かけないジャンルを指向しており、今後が楽しみである。

    LP | GOT KINDA LOST

  6. 6
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    Pig Rider / Bloody Turkey Sandwiches

    原盤はUK、1974年産。原盤といってもバンド・メンバー分しかプレスしてないそうで、入手は無理と思っていたところ、なんと今Discogsで売られていることに気付いてビックリ・・・。内容はDeroyレーベルならではの胡散臭い自主サウンドを基調に、UKフォーク、サイケ、ザッパ調のコメディ・タッチなどもあって無茶苦茶最高!彼らの作品は現在確認出来るだけで4タイトルあり、いずれも同じく高水準です。100万位出さないと原盤買えない代物であるが、その価値通りだと思う。今年最大の大発見の1つ。

    【Sommor】
    上記の通り、こちらもGuerssenの傘下レーベル。ラインナップの原盤レア度ではこのシリーズが最強。名前しか聴いたこと無いようなレコードの音楽を聴くことの出来る有り難み、それを噛み締めることの出来る貴重な存在です。Facebookでレーベルの最新情報と、ライセンス取得の苦労話とかもチェック出来ます笑。

    LP | SOMMOR

  7. 7
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    V.A. / Native North America (Vol. 1) (Aboriginal Folk, Rock, And Country 1966-1985)

    この3LPボックス・コンピレーション・アルバムで驚愕!!!カナダの埋もれたフォーク・ロックやカントリーのコンピで、全曲「お前誰やねん~」っていうアーティストばかり。しかも全部が全部滅茶苦茶良いのである。おそらくレーベル側も、ここでクローズアップして情報アーカイヴしておかないと一生埋もれてしまうと思ったのであろう。LPサイズ64ページの豪華なブックレット付きである。これを読めば「誰やねん~」って疑問を払拭出来た気になります笑。あとA面最後の曲で「ツボイちゃん」って歌う空耳有り。yo check!!!

    【Ligit In The Attic】
    シアトルにある結構幅広いジャンルや国の復刻をカヴァーするレーベル。そこまであまり気にかけてなかったのだが・・・。

    試聴する | 3LP | ¥5,150 | LIGHT IN THE ATTIC | 2015-02-04

  8. 8
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    Joe And Bing / Daybreak

    原盤はUS、1971年産。ソフト・ロック系列では有名なレコード。完全自主制作なサウンド・テイストながら、一部であのDeodatoがアレンジと演奏で参加してるというとんでもないアルバム。内容も極上のソフトロックだが、ただ綺麗ではなく濃い味わいが◎ 原盤は高価なので未聴の方は是非この再発盤で聴いてみるべし!

    【Mapache】
    スペインはバルセロナ発のフォーク・ロック専門リイシュー・レーベルとして昨年から始動。単に渋いだけでなく、開かれたフォークのラインナップで興味深い。

    LP | MAPACHE

  9. 9
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    Anton Senchi / Lounge Paradise

    彼はチリのアーティストで、彼率いるCongregacionというグループによる1972年のアルバムは、昔入手してから本当に毎日擦り切れるほど聴いていた。その彼がまだ現役で、しかもエレクトロ、アンビエントの世界にいたことにはビックリ。しかも内容が最高で、持ち前のメロディー・センスは健在。優れたアーティストはジャンルが変わろうが不変、不偏であるということに納得させられた1枚。

    【Hakanairo】
    真美鳥の在知氏が運営する国内レーベルで、『音のエスペランサ』というコンピレーションを定期的に発表してる。ジャケ、内容共に完全自主制作で、その筋の魅力を完全に知り尽くした丁寧な作りが大変素晴らしい。同系列のBlanco Labelは再発専門レーベルでこちらも全タイトル必須であります!

    LP | HAKANAIRO

  10. 10
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    猪俣猛とサウンド・リミテッド / イノセント・カノン

    原盤は日本、1971年産。まさかこのアルバムがLPで聴ける日が来るとは思わなかった。『Buddha Meets Rock』と並び原盤入手は絶望的と言われてるアルバム。サウンド・リミテッドの数ある演奏の中でもとりわけノイジーでサイケデリックなサウンドに、加納典明のナレーションが乗るというぶっ飛んだ内容。水谷公生のギターが兎に角凄い!シビレます!

    【Deep Jazz Reality】
    universoundsの尾川雄介氏のレーベル。以前から大変素晴らしいラインナップでしたが、特にHMV Recordsとタッグを組んでからの今年のLP復刻ラインナップが軒並み素晴らしい。全タイトル帯&ライナー付属でセンターレーベルもオリジナルに近い形を取ってるのも特筆です。

    試聴する | LP | ¥4,500 | HMV / DEEP JAZZ REALITY | 2015-11-03

  11. 11
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    Jorge Lopez Ruiz / B.A. Jazz

    数ある南米ジャズの中でも、バップ期最高峰と言われるアルバムが遂に復刻!Lopes Ruizが現存するデジタル・マスターの音を気に入ってないらしく、オリジナルに近いイメージでの復刻を目指した結果、結局原盤からのアナログ起こしになったそうです。Blue Note 1500番台のように、かなりハイトーンのホーンがズバッとと来る部分が多く、演奏もスリリングで曲自体も最高とくれば、この手の音が好きな人は速攻ゲットすべきでしょう。250枚限定なので、恐らくあっという間に市場から消えそうとのこと・・・見つけたらマストです!

    【Ascensionale】
    ヨーロッパのどマイナー・ジャズを復刻してきた、イタリアのseriE.WOCから派生した新レーベル。現在4枚リリースされており、Steve Kuhn以外はアルゼンチン・ジャズというラインナップです。

    LP | ASCENSIONALE / VIK

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