倒産・動向記事
2016/01/06(水) | 印刷 株式会社エヌユーエスなど2社 弁護士一任、自己破産申請へ 負債19億4800万円 |
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「東京」 (株)エヌユーエス(資本金4億8000万円、江東区新砂1-12-39、登記面=品川区東品川2-2-28、代表西村浩氏)は、1月6日付で事後処理を野口敏郎弁護士(新宿区四谷4-3-1、野口敏郎法律事務所、電話03-6273-1713)に一任、自己破産申請の準備に入った。
当社は、1972年(昭和47年)3月に設立された印刷業者。設立以来情報サービス業を手がけていたが、2012年8月に旧・(株)エヌ・ユー・エス<現・菱洋インテリジェンス(株)、2014年3月解散>の印刷事業を統合し、菱洋インテリジェンス(株)から現商号に変更していた。主に偽造防止と不正コピー防止の機能を持つ「セキュリティ印刷」を提供し、帳票とラベルの一体型フォーム、各種ラベル基材、帳票を扱うほか、各種オフィス関連機器のサプライ事業やBPO事業も展開。大手企業や金融機関、官公庁関連などを営業基盤として、2014年3月期には年売上高約55億4400万円を計上していた。
この間、2008年に当時の親会社が倒産して以降は数年で筆頭株主が変更されるなど、経営体制が安定しないなか、事業統合に伴い収益性の低い印刷部門の扱いが増加したことなどから、近時は赤字決算が続いていた。取引先への支払にも支障を来たす事態に陥り、資金調達も困難となるなか、不採算品目の生産中止などから大幅に受注が減少し、2015年3月期の年売上高は約29億5100万円にダウン。資産売却などリストラ策を断行する一方で、シナジー効果を見込んだM&Aも進めていたが、ここに来て資金繰りが限界に達し、今回の事態となった。
負債は2015年3月期末時点で約19億4800万円。
なお、関係会社の(株)エヌユーエス九州(熊本市東区、代表岡田泰司氏)も同日付で事後処理を弁護士に一任している。