渡辺洋介
2016年1月7日05時02分
価格があまり上がらないことで「物価の優等生」と言われてきた卵が、値上がりし始めている。昨年は最近10年では最高値、約30年間でも2番目の高値となった。鶏のえさ代の高騰が影響しているという。
東京都練馬区のスーパー「アキダイ」。普段はMサイズの卵1パック(10個入り)を198円で売っているが、昨年11~12月は10円値上げした。卵の需要が高い冬場を迎える11月の値上げは珍しくないが、200円を超えたのは初めて。秋葉弘道社長(47)は「卵は商品価格のバロメーター。値上げすると野菜や果物まで高いと思われる」と客離れを心配する。卵を買った主婦(75)は「毎日使う卵の値上げは年金暮らしには厳しい」と話した。
消費者物価指数をみると、食料品全体の価格は約45年前の約3・2倍。一方の鶏卵は約1・6倍と上昇幅は緩やかだ。だが、JA全農たまごによると、昨年は、指標となるMサイズ(1キロ)の平均卸値(東京市場)が228円。値上げは3年連続で、平成に入ってからは1991年の248円に次ぐ高値だという。
残り:519文字/全文:968文字
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!