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2016年 テクノロジートレンド10選
- Jan 6, 2016
現代社会が既に未来的だと感じている人も少ないだろう。しかし、まだそれには次期尚早だ。テクノロジーは急速にそして急激に成長するからだ。テクノロジーが進化することで、私たちの生活は洗練されているのであるが、2016年はテクノロジーの大躍進が期待されている。
イギリスの市場調査会社のJuniper Researchによると、年内にはテレビをみるときもパーソナルロボットと遊びながらみるようになったり、現場にいるような感覚でプロのゲーム観戦が出来るようになったりすると言われている。さらに信じられない事に、これらは氷山の一角に過ぎないという。
これから紹介する10のテクノロジーは同社が2016年に存在感を発揮すると予測するものである。
1. バーチャルリアリティ(VR)に囲まれる時代に突入
VRの台頭によって、平面のTVの前に座って画面を見つめることは、PCを使用せず、タイプライティングで文字を書くように遅れた行動になる。
ヘッドセットのVRはSonyやHTC、またOculus(Facebookが$2 billion in 2014で獲得した会社)から発売されるだろう。VRのヘッドセット価格は、その利用領域をゲーム以外に広げていることからみても今後下がっていくこと想定されている。
例えばHBOは最近、Oculus Rift headsetsを利用するGame of Thrones のファン達のために完全な没入型経験(体全体でバーチャルな世界に入り込んで体感するシステム)を創りだしたと、Juniperの未来予測コンサル部長であるWindsor Holdenrから報告されている。
VRは医療面でも引っ張りだこになる
上述のとおり、VRは全世界のゲームやエンターテイメントのユビキタスであることはもちろんだ。しかし、ゲーム以外でもその存在感を高める事になる。VRはPTSDを抱える人に対する行動療法の一貫として慢性的な痛みやそれ以外の苦痛を和らげるための一般的な療養方になると期待をもたれ始めている。
例えば、ワシントン大学では、治療が完了していない火傷患者に対して、ユニークなデザインがほどこされたVRゲームの世界を楽しんでもらう療法を試みた。その結果、患者の過酷な闘病環境や、気の重さを少しでも忘れさせることに成功したという。さらに、麻薬中毒者を抑制させる薬の服薬量を大胆に削減したという報告もある。
このようにVRセラピーは患者の気分転換や心理状態の改善に効果を発揮した。ヘルスケア分野の見込み利用者の範囲は広く、痛みの管理や、小児科患者のケア、心配性やPTSDといった精神的な病を抱える人への療養方法として利用が促進されるだろう。
VR企業はハードウェアと様々なタイプの病状やターゲットに対する診療ゲームといった2つのデザインを担う大きなチャンスを独占している。
2. パーソナルロボットは一家に一台になる?
私たちは感情をシェアしたり、人に好かれたりなどという社会的欲求と認められたいというような承認欲求もある。普通、これを満たすような人間関係を築くためには費用や時間、態度などが必要だ。例えばこういった欲求を人というパートナーなしで満たせるるようになったらどうだろうか。
ソーシャルロボットならそれを実現しうるだろう。ロボットは人間と相互理解し合うことが出来る。それだけに留まらず、日々の行動を改善させるようなアドバイスだってしてくれるのだ。もちろん餌を与える必要は無い。
ソフトバンクはそのソーシャルロボットの初代であるPepperの発売を開始し、2015年に発売を開始してから1分以内に1000台の注文が入るほど人気を商材となった。他企業も、来たる2016年にはソーシャルロボットを発売すると期待されている。
たとえば現在成長中のフランス企業Blue Frog Roboticsは表情から感情を認識することができるBuddyというソーシャルロボットを開発中である。今後、より一層ロボットの普及が進展してり身近になって行く事が予想される。
3. ウェアラブル技術が働き方を変える
これまでウェアラブルデバイスは多くの人々に求められていなかった。しかし、最近では労働環境においてその活躍と一般利用化が期待されている。
2016年ウェアラブル技術は新しい会社、特に常にデスクに座っている時間が少ない業態の会社のボスとしては導入するかどうかについて最も考えなければいけない問題の一つだろう。
ウェアラブルデバイスを導入したシッピングロジティクスのDHLは、パイロット育成プログラムの中で操縦士にスマートグラスをかけさせる施策を取り入れた結果、それ以前と比べて生産性が25%も上昇したと報告した。
もちろん業種を問わず他にもウェアラブルデバイスのの利用場面は登場してくるだろう。例えば、腕に装着することでハンドフリーのコミュニケーションがとれるデバイスであれば無菌室で働く救急医療士や外科医、またその他の医療プロフェッショナルにとって価値を発揮する。
こういった背景を含め、ウェアラブルデバイス(特にスマートグラス)は労働環境において採用される最も最初のデバイスになりうると予見されている。
4. 100倍速の通信を可能にする5Gが登場か
ほとんどの携帯は現在3Gまたは4Gネットワークで作動している。しかし5Gを利用する未来もそう遠くない。ひとたび5Gネットワークが普及したならば、その通信速度は4Gの100倍になるとNitin Bhas(Head of Research at Juniper)は起業家向けに配信するメールの中で述べた。
オランダではKPN、 Ericsson、 Huaweiといった様々な通信キャリアが5Gのテストプロセスにとりかかっている。また2015年8月、調査機関であるTNO も同じく5G利用のテストを始めていると公表した。さらに、Ericssonとソフトバンクは2015年7月の段階で東京にて社会実験に乗り出した。
しかし、実際は今年中に5Gが一般利用まで落とし込まれるとはいいきれないのだそうだ。Verizonは、5Gネットワークの商業サービスの開始は2017年からになるだろうと見込んでいる。企業らは今年ますます5Gの商業科を実現する為のテストに精をだすだろう。
5. クロスプラットフォーム インテグレーションの進化
私たちがPCやテレビ等の画面の前で過ごす時間が長くなることをうけて、企業側はデバイス同士がコミュニケーションを取り合う方法を進歩させようとしている。こういったことはテクノロジーの業界用語で“cross-platform integration”(直訳:プラットフォーム横断統合)といわれている。
Microsoftの最新オペレーティングシステムのバージョンであるWindows10では、デバイスが複数のデバイスを横断し同じネットワークから同じゲームをストリームすることを許容するようになった。
このように、生活のなかにある各デバイスが自身のオペレーティングプラットフォームを保持するという概念は将来的には古風なものとして認識されているだろう。
6. 金融機関から絶大な期待を一身に背負うビットコイン技術
暗号型通過のビットコインが消費者市場で浮き沈みする一方で、金融機関はそのテクノロジーに対する投資の手を休めることはなく、その技術の応用方法を模索している。ビットコインは一層早く本質的により安全だからだ。
ブロックチェーンがビットコインを越える?
一方ブロックチェーン(仮想通貨)は利用可能なテクノロジーとして期待されおり、ビットコインの陰で着々と成熟して来ている。ブロックチェーンアプリケーションが決済という範囲を越えて、ヘルスケア、クラウドファウンディング、ファイナンシャルサービス、また音楽業界にまでも進出する潜在性を持っていることから1990年代のインターネットのような革新をもたらすという呼び声も高い。
クリプトテック(暗号化技術)への投資は代表的なアプリ開発プラットフォームや市場での利用ケースの証明ができたならば、その実を結ぶだろう。ただし、このテクノロジーは実験段階であるため、どんどん投資をして学習して行く必要がある。
特に企業は自分たちでブロックチェーンを製作することで、そのユースケースを学ぶ必要があるだろう。既存事業に対して、どれほどの潜在的なインパクトを誇るのかということをプロトタイプを元に実証するべきだ。
ブロックチェーンはその潜在能力を発揮する前段階だ。この発達段階の新しいテクノロジーにはどのような環境が必要なのか。2016年、フィンテック分野における研究に勢いがみられることになるだろう。
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7. ビデオゲームの当たり前に変化が生まれる
クラウドベースのサービスと連携
2016年もっともパワフルな市場はコンソールとクラウドベースのコンビネーションになるとSteffen Sorrell(Juniper Researchのシニアアナリスト)は述べた。体全体でバーチャルな世界に入り込んで体感するゲームはコンソールによって提供されるも、未だにデータセンターを必要としているのが実態だ。
コードネームNintendo NXによれば、かなりのゲーム産業は任天堂から生まれる次世代のゲーム技術の誕生を予見しているという。
FDA承認のビデオゲーム
David Zemanekによると、今後、医者はADHD患者のためにFDA承認のビデオゲームを処方するようになるという。北米のAkiliというスタートアップはEvoとしてしられるゲームを開発中であるが、彼らはADHD、自閉症、鬱などの病状に対して8つの臨床テストを既におえている。Akili以外にも、Posit ScienceはFDAに認められる療法上のビデオゲームを保持する為に、臨床テストの準備を進めている。最初の臨床結果はAkiliと同様に上々だそうだ。
製薬会社のPfizerはアルツハイマーと診断された人をゲームが助けられるかもしれない、ということでプロジェクトEvoとパートナーになった。薬以外の方法でADHDの子供を療養するのを目撃する日も近いかもしれない。
8. プロゲーマーの試合観戦がサッカーリーグの観客数を越える?
冗談のように聞こえるかもしれないが、最も新しくアツいエンターテイメントはビデオゲーマーの試合観戦になるという。このゲーム観戦者数はサッカーのトップリーグの会場を埋めつくすほどの規模になり、観衆は中央の巨大スクリーンに映し出されるゲーマーのゲーム観戦に熱狂することになるのだという。
もちろん、勝者には賞金が授与される。例えば、今年ロンドンで開催された Gfinity eSports championshipでは$100,000もの賞金が贈られた。2016年にはこういったゲームイベントがオンラインストリーミングにプレミアムアクセスさせることによって利益を生みだすだろう。
9. 豊富なデータ保護の手段が登場する
今後一層、家庭内器具はインターネットに接続されることになるだろう。また、新しいウェアラブルデバイスは私たちの行動をトラッキングし始める。さらに、ソーシャルネットワーク上につぶやいた感情や休暇中の写真をオンライン上に残す等、沢山のデータを生み出すことが助長されていくことは避けられない。
それと同時に、セキュリティ方法も拡大と高度化の両方が必要となるのは自明だろう。新しいソフトウェアセキュリティ技術は有害コードを探知するものから、異常探知技術に頼られることになる。
AIが金融サービスを守る
民間から法人レベルに話を移そう。金融業界でもセキュリティの必要性が高まっていく。Adam Pruden投資銀行のアナリストやヘッジファンド、また保険会社は今後コンプライアンスを保つ為にも人工知能と協力して働くようになる。
内部のIPを守るために最近の銀行ではPalantirや、ローン犯罪を削減するためするIBMのWatoson、また大規模なデータ財産からパターンを見つけ出すことで詐欺を未然に防ぐSensaiというスタートアップらが提供するようなテクノロジーを利用し始めている。
これらのテクノロジーは次に起こりうる金融危機、Bernie Madoffが犯したような史上最大級の巨額詐欺事件を未然に防ぐ力を持っている。
10. クラウドファウンディングがエンジェル投資の代表となる
スタートアップのローンチや成長、拡大のために資金調達したい起業家は、その新しいパイプラインとしてクラウドファウンディングの色が濃くなっていくだろう。最近の法改正のおかげで、クラウドファウンディングがこれまで異常に潜在能力を発揮できるようになったからだ。
以前までのクラウドファウンディングといえば、その大部分は、$25でトートバックをプレゼントするドネーションといったようなアーティストの資金獲得のためのクリエイティブが限界だった。
しかし今では、スタートアップは自社の分与財産を不特定多数の投資者に対して売ることで資金調達が可能になっている。しかもオンライン上で。これはエクイティクラウドファウンディングといわれ、クラウドファウンディングの新時代を象徴するものだ。
これまでのそれは富と財産の資格を保持する、認可された投資家の選択肢でしかなかったものが、今では誰だってできるのだ。約一ヶ月前SEC(証券取引等監視委員会 )もそのルールを認めた。
この新しい資金調達の方法は未だに実行された例は少ない。しかし、あと何ヶ月もすれば、スタートアップの資金調達方法として主流になっているだろう。
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