ソウル=牧野愛博
2016年1月7日07時10分
北朝鮮は6日、政府声明で「小型化された水爆の威力を科学的に証明した」と強調した。だが、日米韓は従来、北朝鮮に水爆を保有する技術はないと分析してきた。韓国軍や情報当局も、水爆実験としては規模が小さすぎ、実験が失敗したか、水爆を使っていない可能性が高いとみている。
韓国気象庁によれば、6日の地震の規模はマグニチュード(M)4・8。前回実験のM4・9と同規模だ。米国の研究者は前回実験の規模をTNT(高性能火薬)換算で、広島に投下された原爆の推定約15キロトンに及ばない7・3キロトンとしていた。韓国の専門家は「水爆は原爆の100倍、千倍の威力がある。そもそも、水爆を地下で実験するのは危険で考えにくい」と語る。
北朝鮮は水爆開発で、三重水素(トリチウム)を燃料にした核融合反応をめざしているとみられる。韓国軍化生放防護司令部によれば、北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)原子炉で発生する中性子線を使って三重水素を生産している可能性がある。同司令部は寧辺の核施設群に、生産施設とみられる建物の存在も確認している。北朝鮮は10年5月、核融合反応に成功したと発表している。
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朝日新聞国際報道部
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