2015年夏商戦の結果を踏まえた清涼飲料の国内市場を調査 −2015年見込(2014年比)− |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 清口正夫 代表取締役)は、国内の清涼飲料市場を調査し、最需要期となる夏場の結果を踏まえ2015年のトレンドを分析した。その結果を「2015年 清涼飲料マーケティング要覧 No.2」にまとめた。 この報告書では、果実・野菜飲料(100%果汁、野菜系など)、炭酸飲料(コーラフレーバー、透明炭酸など)、乳性飲料(飲用牛乳、ドリンクヨーグルトなど)、嗜好飲料(缶コーヒー、リキッドコーヒーなど)、無糖茶飲料(日本茶、麦茶など)、ミネラルウォーター類、機能性飲料(食系ドリンク、健康サポート飲料など)、その他飲料(豆乳類、ビネガードリンクなど)の8分野49品目の市場を調査・分析した。また、今回は新たに品目分類に捉われない機能訴求別、物性・成分別、容器別分類の市場を分析した。 ◆調査結果の概要
2015年市場 市場は、前年の消費税増税前の仮需要とは対照的に第1四半期は厳しかったが、4月以降はGWが天候に恵まれるなど需要が上向き、夏場の初旬までの猛暑も追い風となり、上位メーカーでは好調な企業が多く、通年では微増が見込まれる。一方で厳しい価格競争は続いており、メーカーにとって継続的な売上と利益確保の両立が難しい状況となっている。その対応策として、メーカーは小売チェーンと連携強化で売場とブランド拡販の相互活性化を図る動きや、自販機専用商品を展開するなど各チャネルとの共有価値を創出していくことが重要となっている。 1.果実・野菜飲料 果実飲料では依然として果汁の原料価格が高騰しメーカーの利益を逼迫しており、各メーカーは低果汁系の商品に注力度をシフトさせる動きがみられる。一方、アサイーなどスーパーフードを使用し、高機能を訴求した高価格帯商品は徐々に定着しており、市場の活性化への期待が高まっている。野菜系飲料は他カテゴリーの飲料や、食品などで野菜を訴求した競合商品が増加し需要が奪われており、市場はマイナスが見込まれる。しかし2015年に相次いで発売された付加価値商品は好調である。今後は野菜飲料で野菜を摂るメリットを効果的に打ち出すことで需要を掘り起こす必要がある。 2.炭酸飲料 炭酸飲料は、「レモンジーナ」(サントリー食品インターナショナル)、「キリンメッツ」(キリンビバレッジ)、「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)などの勢いあるブランドがみられることやGW以降は天候に恵まれ、夏場の8月初旬までは好調となったが、8月中旬以降は平年より気温が低かったため、市場への影響が懸念される。また、自販機チャネルの不振や他カテゴリーへの需要流出もあり、通年では前年を割り込むと見込まれる。 3.乳性飲料 ドリンクヨーグルトは機能性を訴求したパーソナルタイプがけん引しているほか、大型商品の投入も活発化しており成長が続いている。また、縮小が続く飲用牛乳はテトラトップ容器の登場や健康訴求商品の好調もあり直近10年間の中では善戦している。さらに、乳飲料はCVSのプラカップ入りPBやテトラトップ容器の新商品の伸びが市場を底上げしている。 4.嗜好飲料 市場構成比の高い缶コーヒーは例年以上に各メーカーがボトル缶に注力しており、好調な商品が多く見られる。しかし、大手メーカーが缶コーヒーから撤退したことにより、市場全体では前年を下回ると見込まれる。 5.無糖茶飲料 無糖茶飲料は、トクホ商品の発売やリニューアルが積極的に行われて売場が活性化したほか、市場構成比の高い日本茶や成長著しい麦茶への注力度を高めるメーカーがみられ、市場拡大が見込まれる。また、長らく縮小が続いていたウーロン茶が有力な新商品や既存品の大幅リニューアルにより回復が見込まれる。 6.ミネラルウォーター類 ミネラルウォーター類は、「サントリー南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」(サントリー食品インターナショナル)の大ヒットなどフレーバー入りの伸びが顕著で市場を盛り上げている。その相乗効果もあり炭酸入りやレギュラー(フレーバー・炭酸なし)も伸長しており、市場は高い成長率が見込まれる。 7.機能性飲料 エナジードリンクが高成長を続けているほか、栄養補給炭酸飲料も好調である。一方で、機能性清涼飲料は他分野に止渇需要がシフトし苦戦するブランドが目立ち続落している。 1.ノンカフェイン・カフェインオフ
ノンカフェイン・カフェインオフは、飲用時の刺激が少なく幼児や妊産婦でも飲める飲料として好評を得ている。また、無糖茶飲料では近年麦茶のノンカフェイン訴求が活発であり、第一の購入動機にはならないものの、付加価値として確立しつつある。近年ではカフェイン入りの商品をノンカフェインにリニューアルする動きもみられ、2013年は「爽健美茶」(コカ・コーラシステム)が、2015年には「アサヒ食事と一緒に十六茶W」(アサヒ飲料)がそれぞれカフェイン入りからノンカフェインにリニューアルされた。また「午後の紅茶」(キリンビバレッジ)は派生ブランドとして2014年にカフェインオフ、2015年にはノンカフェインが発売されるなど、大型ブランドの新商品も多く市場は活性化しており、2015年はノンカフェインが全体をけん引して成長が続くとみられる。 2.フレーバーウォーター
ミネラルウォーターまたは、飲料水に香料やエキス、果汁などでフレーバーを付加した無色透明な飲料を対象とした。発泡性の商品は対象外とした。2014年は上位ブランドの苦戦が続く一方で、サントリー食品インターナショナルが「サントリー南アルプスの天然水&朝摘みオレンジ」を発売してヒットするなど新商品効果で前年比約1.5倍増となった。2015年は引き続き「サントリー南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」、「アサヒすきっと レモン」(アサヒ飲料)など新商品が好調で続伸する見込みである。 ◆調査対象 1.品目編
2.横断分析編
※一部の数字は四捨五入しています。このため合計と一致しない場合があります。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2015/12/14 |