愛想尽かし始めた海外投資家-中国離れ招く市場介入再開
2016/01/06 15:32 JST
(ブルームバーグ):中国が再び株式市場への介入に踏み切ったことで、一部の海外投資家がこの市場を敬遠し始めた。
中国当局は今週に入り市場への介入を再開した。事情に詳しい関係者によれば、政府系の資金が5日に株式購入のために投じられ、証券監督管理委員会(証監会)は大株主による株式売却の禁止措置について、週末に期限を迎えた後も延長する見通しを示唆した。
昨年夏の本土株急落の際も、中国当局は株価下支えのために前例のない市場介入を実施した。今年最初の取引となった4日の中国株式市場ではCSI300指数が7%下げた後に売買が停止され、株価対策として一連の措置が再び講じられた。
運用資産1兆ドル(約119兆円)のUBSウェルス・マネジメントで新興市場の最高投資責任者(CIO)を務めるジョージ・マリスカル氏は電話インタビューで、中国当局が「この種の量的コントロールに頼り続けていることに失望している。こうした対策は期待外れに終わるだろう」と述べた。
一方、ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズの主任ポートフォリオストラテジスト、ブライアン・ジェーコブセン氏は「海外投資家を心から歓迎していないという意味で、あのような禁止措置の実施は中国政府の信頼性を本当に損なった。継続的な市場介入は中国にとってかなり高くつく。相場がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を実際に反映しているという信頼を育む役に立たないからだ」と指摘した。
運用資産約1240億ドル相当のヘンダーソン・グローバル・インベスターズで日本を除くアジア株式責任者を務めるアンドルー・ギラン氏(シンガポール在勤)も「人民元建てA株市場はファンダメンタルズにも基づいて取引されておらず、国際的な投資家はなお若干懐疑的だ」との見方を示した。
原題:As China Revives Stock Intervention, Foreign Funds Lose Patience(抜粋)
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更新日時: 2016/01/06 15:32 JST