ブレーキ踏んだ中国 崩壊なくとも「10年不況」突入
書店の棚には中国経済の崩壊をうたう本が増えた。先頃まで鉄鉱石やエネルギーの「爆食」で世界経済を牽引したはずが、すっかり冷え込んだのはどうしたことか。崩壊ともなればニッポンにも影響は甚大。だが有識者に聞くと、最近少し違う見方が増えている。
例えば第一生命経済研究所の主席エコノミスト永濱利廣氏は「極端な悲観論は製造業の数字だけをみた結果。非製造業は好調で、市場もそれをみて落ち着きを取り戻した」とみる。金融とネットの融合などでも、世界の先端にいるようだ。
昨夏には上海株が約1カ月で3割近く暴落。春先に政府が株高を肯定したところ、株価が沸騰。警戒した当局が6月に信用買いを規制し始め、バブルが一気にはじけた。ただ確かに「奈落の底」とはなっていない。
当局の方針転換も奏功した。「新常態」と称した安定成長路線だ。元通商産業省北東アジア課長で、中国ウォッチャーの津上俊哉氏は「政府内に投資積極派と抑制派の対立があったが、抑制派が主導権を握り、成長減速のたびに借金で投資を増やすやり方をやめ、我慢を始めた。ウラにあるのは過剰投資にブレーキをかけないと経済破綻するという危機感だ」と解説する。
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