BT.comのURLで出てる「鉄道運賃値上げには抗議するくせにイスイス団については云々」と書いてるらしい記事はこれだが、執筆者の署名がないのでどういう記事なのかわからない。どっかの配信かと思ったが、それを示すものもない。BT.com(ブリティッシュ・テレコムとかつては呼ばれていた)がこんな「報道機関」めいたことをしているのだろうか。まあどうでもいい。とにかく、こういう場でこのような筋の悪すぎる記事を書きまくってでも、「ジェレミー・コービンは最低である」という印象付けをしようというスピンがものすごい勢いで行なわれていることは、誰にでも観測可能な事実である。
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RT @DrNostromo: My sympathy for all those caught up in London Bridge debacle. most expensive rail fares in Europe for this? #RailRipOff at 01/06 19:43
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RT @Independent: We're three working days into 2016 and people are already livid about train delays https://t.co/oIaYvxWDXv at 01/06 19:43
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RT @London366: Delays until midday at London Bridge after third day of signal failures https://t.co/juPVHfpx9F #London at 01/06 19:43
毎年毎年値上げをしておいて、依然「信号機の故障で駅がカオス」のようなことが起こり続けている。それも、値上げしてから2日後に、しょっちゅうカオスになる駅でまた起きている。そのことによる人々のイライラや怒りは、バカにできるものではないはずだ。
それでもバカにされている(軽視されている)のは、その「消費者」たちはその鉄道を使い続けるしかないから(鉄道会社は「顧客」を失うおそれが極めて低いから)だろう。
人々は「いつものことだから」と諦めていると思う。ユーモラスな表現や、ジョークにしてイライラは発散される。
The new improved London Bridge is feeling quite alot like the old rubbish London Bridge this morning. @Se_Railway
— Jonathon Hawkes (@CllrJonHawkes) January 6, 2016
Day 3 of commuting in 2016. Day 3 of delays outside London Bridge. Thank you for putting the fares up @Se_Railway. Gr8 service #southeastern
— Aamer Safdar (@asafdar1) January 6, 2016
They can satellites from space. Send wifi around the world. Yet somehow there's signal issues at London Bridge!
— Craig Weir (@Craig_Weir) January 6, 2016
さて、そんなロンドン、今年2016年は市長選挙の年だ。2000年に制度として導入された「選挙で選ばれる市長」は、00年、04年、08年、12年と4度の選挙で、最初の2度は労働党(ケン・リヴィングストン)、次の2度は保守党(ボリス・ジョンソン)と、いずれもそれぞれの党でとびきりキャラの濃い政治家が当選し、市政を担った。リヴィングストンは80年代のサッチャー政権時のロンドンの自治体で「反サッチャー」で暴れまくった伝説的な政治家で、ジョンソンはテレビ番組などで広く知られた「おもしろい人」(「バフーン」と呼ばれていたほど)の印象が強い政治家だ(がデイヴィッド・キャメロンと同じエリート集団に属していた、イングランドの伝統的な支配階級の人である)。
今回は、現職のジョンソンが2015年の総選挙で国会に戻っているので(ロンドン市長になる前は国会議員だった)ロンドン市長としては引退することになっており、保守党からはザック・ゴールドスミスが出る。大富豪の息子で、ロンドン西部の高級エリア、リッチモンドを地元とする1975年生まれの若い政治家だ。テムズ川流域にあり、大きな公園を有する地域の人で、環境保護活動で知られるが、現在はリッチモンド・パーク選挙区選出の下院議員でもある。
一方で労働党からは、南ロンドンの「移民街」であるトゥーティングを地元とするサディク・カーンが出る。パキスタンからの移民を両親に持ち、1970年にロンドンに生まれた彼は、弁護士(ソリシター)として人種差別の問題の現場をよく知っている。2005年に国会議員となり、そのまま議席を維持している。ブラウン政権では閣外大臣を務めた。2015年9月にジェレミー・コービンが党首に選出された日に、カーンが労働党のロンドン市長選挙候補として選ばれ、大手メディアは「労働党が左傾化しているるるるるるるるるる」と大騒ぎを繰り広げた。
https://en.wikipedia.org/wiki/London_mayoral_election,_2016
カーンは「市長になったら任期中は地下鉄・鉄道・バスの運賃を据え置く」ことを公約に掲げており、今日のロンドン・ブリッジ駅のカオスに際しても、下記のように発言している。
Major delays into London Bridge today. Not good enough. I want TfL to take over commuter services and sort them out. pic.twitter.com/FNifLGuYpp
— Sadiq Khan MP (@SadiqKhan) January 6, 2016
※この記事は
2016年01月06日
にアップロードしました。
1年も経ったころには、書いた本人の記憶から消えているかもしれません。
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