■72年ミュンヘン五輪・バレーボール金 猫田勝敏
1964年東京大会で銅、68年メキシコ大会で銀の男子バレーは、72年ミュンヘン大会でついに金メダルを獲得。不世出といわれる名セッター・猫田勝敏は安古市町(現広島市)の出身だ。小学生の時にバレーを始め、崇徳高でセッターの才能を開花させた。
準決勝のブルガリア戦で2セットを先取されると、松平康隆監督は猫田をベンチに下げた。戦況を分析した猫田は「(相手の動きは)分かりました。もう大丈夫です」と言い残してコートに戻り大逆転勝ち。決勝では東ドイツを破り「金メダルにやっとたどり着いた」と喜んだ。83年に胃がんのため、39歳で死去。
猫田の後輩で、ミュンヘン大会の最年少メンバーだった西本哲雄も広島市の出身。猫田のトスについて「目をつぶっても打てた」と語った。
バレー選手はほかに、64年東京大会女子金メダルの藤本佑子が呉市、同大会男子銅の森山輝久が広島市、小瀬戸俊昭も県内の出身。体操では東京大会女子団体銅の池田敬子が鷺浦村(現三原市)、相原俊子が三原市の出身。