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【北朝鮮核実験】「水爆」に疑問 「威力は広島型原爆の半分程度で失敗」との指摘も 波形は過去3回と同規模

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【北朝鮮核実験】
「水爆」に疑問 「威力は広島型原爆の半分程度で失敗」との指摘も 波形は過去3回と同規模

希ガスを調べる装置が積み込まれるC130輸送機(防衛省提供)

 北朝鮮が強行した核実験について、気象庁は6日、観測されたのはマグニチュード(M)5・0相当とし、過去3回の核実験で観測した地震波形と比較した結果、「規模は同程度」と推測した。データは北朝鮮が主張する「水素爆弾」ほどの威力がなかったことを示しており、有識者からは「威力は広島型原爆の半分程度で実験は失敗した」との声も上がっている。

 北朝鮮は平成18年10月、21年5月、25年2月の計3回、核実験を行っている。今回、気象庁が観測した地震波形は過去3回と同様、通常の地震なら観測される2段階の形状が不明瞭な上、震源地もほぼ同じだ。

 一方、今回の規模はM5・0相当だが、最大だった21年のM5・3より0・3小さかった。一般的にマグニチュードが0・2大きくなると地震のエネルギーは2倍になる。単純計算すれば今回の爆発エネルギーは21年の半分以下だが、気象庁は「(震源地の距離などから)誤差もある」として、爆発の規模は過去3回の実験と同程度との見方を示す。

 筑波大学の八木勇治准教授(固体地球物理学)は「気象庁の観測は遠隔地の人工爆発を正確に測定できないが、波形からすると25年の実験と類似する」と話す。

 水爆の威力は原爆の100倍とも1千倍ともされる。北朝鮮は「初の水爆実験が成功裏に行われた」と表明したが、北朝鮮に詳しい軍事ジャーナリストの恵谷治さんは「実際は水爆ではなく、強化した原子爆弾ではないか」と推測する。

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