世界的に知られるフランスの作曲家、指揮者のピエール・ブーレーズさんが5日、居住するドイツ西部バーデンバーデンで死去した。90歳だった。家族らが6日、声明を出して発表した。(パリ=青田秀樹)

 25年、仏モンブリゾン生まれ。パリ音楽院でメシアンらに作曲や合唱指揮などを学ぶ。55年、ダルムシュタットの夏季音楽講習会で講師を務め、以後、シュトックハウゼン、ノーノとともにダルムシュタットの三羽ガラスと呼ばれ、ポスト・ベーベルン派の指導的役割を担う。58年、南西ドイツ放送交響楽団で指揮活動を始め、その後はクリーブランド管弦楽団の首席客演指揮者、ニューヨーク・フィルなどの音楽監督を歴任する。70年代、パリに創設されたIRCAM(音響・音楽の探求と調整の研究所)の所長に就任、91年に辞めるまで先端科学技術による教育・研究活動を指導した。76年、アンサンブル・アンテルコンタンポランを創設、現代音楽の普及に貢献した。89年に高松宮殿下記念世界文化賞、2009年には京都賞を受賞した。