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[FT]独、難民の就業に懐疑的な見方広まる

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2016/1/4 15:50
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 マフムード・アルダアス氏は幸運に恵まれた1人だ。アルダアス氏は29歳のシリア人で、ハンブルクでウェブ開発者としての仕事を提示されたのだ。21カ月前にダマスカスから西欧に向かう厳しい旅に出てから、はじめてのチャンスだ。

 仕事を提示したのは、アルダアス氏が3カ月間インターンとして働いていた広告会社、ディープブルー・ネットワークだ。再び職に就けるだけでなく、自身に適した職であったことから同氏は安堵した。ダマスカスではウェブデザインの会社を経営していた。

写真撮影に応じる難民の人々。就業のためのワークショップに参加した(2015年12月17日、ベルリン)=ロイター
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写真撮影に応じる難民の人々。就業のためのワークショップに参加した(2015年12月17日、ベルリン)=ロイター

 「再びサドルに座ったように感じた」と同氏は話す。

■長期失業者になってしまう懸念

 ドイツの難民の多くはこんなに幸運ではない。訓練を受けた職業でなくても、仕事を得られるだけで恵まれていると思う人もいる。

 ハンブルクの社会事業担当の職員であるユルゲン・ガレンシュタイン氏は、適切な就業機会がなければ、多くの難民が長期失業者になってしまうと憂慮する。

 「そうなれば悲劇的な結末だ」と同氏は言う。

 ドイツは2015年に100万人を超える難民を受け入れた。欧州最大の経済国の姿を変えかねない大量流入だ。

 経済界は当初、高齢化が進む同国と労働者不足が深刻な雇用市場に恩恵をもたらすと見ていた。

 自動車メーカー、ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長は、トルコなどの国から来た数百万人の外国人労働者が戦後の好況を支えたように、難民は新たなドイツ経済の奇跡をもたらすかもしれないと述べた。

 しかし、難民の数が増え続けるにつれ、懐疑的な見方がじわじわと広がっている。

 ドイツの社会事業は限界に来ており、学校の体育館は難民であふれ、新たに設営された「テント村」もすぐに埋まる状況で、職員不足により難民申請の処理が進まない。新たに入国する難民に仕事を見つけるどころか、難民として登録することすら難しい。

 「当局は対応できない状況だ」とハンブルク港の労働者で到着する難民を支援しているボランティアのヤン・ラーデンドルフ氏は語る。

 同氏は、ドイツに来て14カ月たつにもかかわらず難民申請の処理が終わっていないアルダアス氏の例を挙げる。

 アルダアス氏は、難民申請は「重労働」だと分かったと語る。

 ガレンシュタイン氏は(難民流入が)好況につながるとの話を真に受けていない。

 「1960年代のトルコ移民とは話が違う」と同氏は言う。「当時のドイツには今と違う産業があり、組み立てラインでの単純労働も多かった。そうした仕事はもうない」

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