【水原聯合ニュース】2016年は朝鮮王朝第22代王、正祖がソウル郊外の水原華城(京畿道水原市)を築城してから220年になる年だ。水原市はこれを記念し、今年を「水原華城訪問の都市」に定めた。
正祖は京畿道楊州市にあった父・思悼世子の墓を水原に移し、この地に新たな都市を築くことを決め、若手実学者に築城を任せて着工から2年9カ月後の1796年に華城を完成させた。華城は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている。
◇都市のアイデンティティー確立に焦点
築城220年の今年、水原市は歴史が息づく華城を中心に多彩なコンテンツや観光インフラを整え、都市のアイデンティティーを確立させるとともに、世界的な観光都市に飛躍するという青写真を描いている。
具体的には、伝統的な「孝(父母を大切にする)」の思想が込められた華城築城の歴史的意味と価値、哲学的メッセージを人々に伝え、悠久の歴史や秀麗な景観を前面に出した国内外の主要都市との差別化を図る。
市の関係者は「アイデンティティーやイメージが確立されれば、都市ブランドとして育成できる。訪問の年が1年限りの事業に終わらないよう、水原ならではの姿、表情をクローズアップすることに焦点を当てて準備している」と説明した。
また、今年を機に華城と地元の観光資源を絡めた観光プログラムを開発するほか、宿泊・飲食・交通インフラなどを改善し、年間500万人水準の観光客数を今年は40%以上増やして700万人台に乗せたい考えだ。
◇多彩な学会やフェスティバルを準備
今年は市内の各地でさまざまな学会やフェスティバルを開催する。今月20日に訪問の年を記念する学会を開くほか、華城と正祖思想に関する一般向け講演を1月から9月にかけ6回開催する。華城とアジアの城郭とのネットワークをテーマにした国際学会と世界人文学フォーラムは10月に予定されている。
華城の広場などでは国際音楽祭、ジャズフェスティバル、華城文化祭、K―POPスーパーコンサートなどが観光客を楽しませる。このほか、訪問の年に合わせて市が招致したサッカー韓国代表の国際Aマッチなど、全国・国際規模のスポーツイベントも予定されている。