連休の最終日だった3日、仁川国際空港が大幅に混雑し、旅客機の出発が軒並み遅延する事態が発生した。手荷物の処理が遅れ、約160便の出発が最大で5時間遅延し、中には荷物を積み込まないまま離陸した便もあった。混乱は一部で4日まで続いた。
空港を運営する仁川国際空港公社はこれについて「冬休みの繁忙期だったことに加え、連休最終日に帰国した人も多く、2001年の開港以来で最も多い約17万6400人が空港に押し寄せたため」と釈明している。手荷物処理システムに過負荷がかかり、正常に作動しなかったというのだ。だが同公社は、前々から予想されていた混雑になぜ備えられなかったのかという指摘には十分に回答できずにいる。
仁川空港は14年に国際旅客数が4551万人を記録、ターミナルの収容上限である4400万人を超えた。格安航空会社(LCC)の運航が増え、中国人観光客が急増したにもかかわらず、施設拡張のタイミングを逃したためだ。建設中の第2ターミナルのオープンは17年末まで待たねばならない。
どの企業でも、適期に設備投資をするには高度な経営判断が求められる。だが、仁川空港公社はここ最近、社長が相次いで交代している。施設の拡張を決定する時期に在任していた李采郁(イ・チェウク)社長が13年に辞任したのに続き、14年には鄭昌洙(チョン・チャンス)社長が選挙出馬のため職を辞し、7カ月に及ぶ経営の空白が生じた。朴完洙(パク・ワンス)社長も先月、4月の国会議員総選挙に出馬するため辞任した。経営陣の頻繁な交代とそれに伴う経営の空白は、空港の運営と従業員の勤務姿勢に影響を与えざるを得ない。仁川空港はハブ空港の重要な指標となる乗り換え率(全国際線利用客のうち仁川空港を経由して他国に行く利用客の割合)が13年の18.7%から昨年上半期には15.7%に下がった。ほかの指標も長い間、低迷が続いている。
仁川空港は世界の空港サービス評価で昨年まで10連覇を達成したというが、手荷物処理の遅れといったトラブルが再発すれば、1位どころか上位ランクをキープすることさえ難しくなるだろう。このままでは二流空港に成り下がるのも時間の問題だ。