ある方が、都内のある図書館で借りたという本、
ゲゲッと思ったので、写真に撮らせていただきました。
これはやりすぎです。
本をすすめたい気持ちはわかるのですが、
本づくりに関わる仕事をちょっとしている一人としては、
こういうのをみるととても残念な気持ちになるんです。
ブッカーをかけるときに切り抜いた紙を一緒にはさんでパックしてあるんです。表紙を隠してしまっているんです。もちろん紙は剥がせません。
絵をかく挿画家さんだけではなく、装丁家さんが本の全体のデザインをし、
編集者さんが印刷所の方などとやり取りして原画に近い色が出るまであれこれしたりして、
表紙は決まっていくんです。
図書館が利用者に貸し出す本に、図書館自身がそれを損なわせるって、どうなんだろうか。
(著作者人格権の同一性保持権というのも関わってくる気がする)
その昔、本の裏表紙にバーコードがつき始めたころ、
作品を損ねるという議論があって拒否していらっしゃる画家さんがいるという
話を聞いたことがありますし、
公立図書館の貸し出し用のバーコードをどこに貼るべきかと言うことでも
各館工夫をされているという話を聞いたことがあったので、
この図書館のこのポップ埋め込みブチコワシなブッカーを見たとき、
私は怒りを覚えました……。
なにやってんの、この図書館!! 素人がやってるの?
自治体の名前は出しませんが。
とても失礼でおかしなことをしているってこと、気づいてほしいなあ。
なんでだれも止めないの?
そこの公立図書館の人、みんな素人なの?
忙しすぎて鈍感な人が増えたの?
ライブリアンの人、どう思います?
これ、他館でも真似するようになったらとても嫌です。
オビつきでブッカーをかけることには反対しません。たいてい
本づくりの過程で関係者の確認とって同意しているから、オビはあくまでも
オビなんですけど、出版社がつけたものですし。
上の写真の場合は、表紙が見えず、ブッカーでコーティングされているので
第三者の無断での改変と同じようになるわけで、
作品を損なわせていると思います。
いや、もう、電話しようかと思ったくらい怒ってます。呆れています。
他館でもこういうことがあるかもしれないので、問題提起のためにブログに書きます。