友人が福袋を買ってきました。
縦・横ともに50センチはあるかという立派な紙袋です。
「3500円もしたからな! 袋もでかいし、きっとすごいの入ってんで!」
新年会でみんなにお披露目。誇らしげです。
開けてみるとまず初めに出てきたのは、アメリカ柄のくたびれたクッション。
ほぼ紙袋と同じ大きさです。
これ、他にもう何も入ってないんじゃないだろうか。
一応出てきた品々を挙げると、
いずれも袋とクッションの隙間を埋めるようにチマチマと入っていました。
「あげる」と言われても誰も欲しくなかった缶バッチは袋の外に出た瞬間にゴミとなり、
ワンピースのフィギュアはおとなしそうな子に強引に押し付け引き取られ、
新年会をした宅飲みの部屋には無造作にウサビッチが貼られました。
そして友人はシリコン製のジップロックを眺めながらうわごとのように、
「レシピ入ってるやん…
野菜も煮れるし… ホラ、ごはんも一合炊けるって…
ええなぁ、うん。これええやん。うん…ヨカッタヨカッタ。」
などとブツブツ言っていました。
福袋で福は来るのか
絶対ただの在庫処分だよね。
散々な結果に終わりましたが、ただひとつよかったことは、値段のわりに中身がダメ過ぎてとても場が盛り上がりました。
物質的豊かさというよりも、そういうひとつの話題としての福を提供してくれたのでしょう。うん。
そういうことにしておこう。