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母として世界で踊る 最高位バレリーナの思い
1月6日 10時58分

母として世界で踊る 最高位バレリーナの思い
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世界から注目されているバレリーナ・西野麻衣子さん(35)。3年前に長男を出産し、一児の母でありながら、ノルウェー国立バレエ団でダンサーの最高ランクのプリンシパルとして活躍しています。
出産に伴って引退するケースが多いバレエ界で現役のプリンシパルであり続ける西野さんの活躍はドキュメンタリー映画となり、来月、日本でも公開されます。
「ママ・プリンシパルとして活躍したい」と話す西野さんの原動力とは。

中学卒業時に海外へ 25歳でプリンシパルに

西野麻衣子さんは、大阪出身の35歳。6歳のときにバレエを始めました。中学卒業と同時に海外にバレエ留学。両親はそのために家まで売って費用を工面したと言います。バレエ団のオーディションを受け続け、本場ヨーロッパの中でも斬新な演出で人気を誇るノルウェー国立バレエ団に19歳で合格しました。
「プロになっても主役のダンサーになって、やっと恩返しできると思っていた」と当時を振り返る西野さん。妥協することなく毎日9時間の練習を欠かさずこなし、入団から6年後、25歳で東洋人初のプリンシパルに抜てきされました。その後、ノルウェー人の夫と結婚し、3年前に長男のアイリフ君を出産。現在はノルウェーの首都オスロに3人で暮らしています。

悩んだ末の「どちらにも全力投球」

妊娠が分かったとき、喜びと同時に大きな不安にも襲われた西野さん。
「麻衣子はもういいかなって(バレエ団から)諦められたらどうしよう」と考えたと言います。悩み抜いた末に出した答えは、「どちらにも全力投球」でした。出産後、すぐにストレッチを開始。出産でゆがんだ骨盤や衰えた体力を取り戻すため、一から全身の肉体改造を始めました。夫のニコライさんはバレエ団で舞台装置を担当していますが、積極的に休みを取ってアイリフ君の面倒を見ています。

「限られた時間の中でいかに自分をプッシュできるか。(夫が)協力してくれたからこそ自分の舞台復帰ができた」

自分にしかできない表現を

「練習が大好き。筋肉痛になったときに『生きてる』と感じる」と話す西野さん。日本に帰国するたびに習っていたバレエ教室を訪れ、後輩たちに次のようなメッセージを伝えています。
「ここまで頑張ってきたのは好きだからやろ、だから時間をむだにしてほしくないねん。本当に賢く頭使って、後悔してほしくないねん」

プリンシパルの称号を与えられるダンサーは、バレエ人口の1%以下。さらにその中で出産後も現役で活躍するダンサーは、世界でもほんの一握りです。母となった自分にしかできない表現を極めることが、西野さんの新たな目標です。

「妊娠する前の作品をママになって踊りたい。ママになった私はどういうふうにこの役を踊るんだろう、この役を勉強するんだろうと興味があるので、これからどんどんチャレンジしていきたい」

西野さんを取り上げたドキュメンタリー映画「Maiko ふたたびの白鳥」は、日本では来月、劇場公開されます。現地ノルウェーの先行試写会では、1000人のスタンディングオベーションがあったということです。

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