九工大が超ミニ衛星「鳳龍四号」公開 大きな夢乗せ2月12日打ち上げ [福岡県]
九州工業大(北九州市)は5日、同大宇宙環境技術ラボラトリーの趙(ちょう)孟佑(めんう)教授の研究グループが開発し、2月に打ち上げ予定のH2Aロケットに搭載される超小型の放電実験衛星「鳳龍(ほうりゅう)四号」を公開した。
「鳳龍四号」は、高さ約45センチ、幅約42センチ、奥行き約43センチの四角形で重さは約10キロ。2012年に打ち上げた「鳳龍弐号」の後継機となる。「四号」は留学生も含めてアジア、フランス、アフリカ諸国など計18カ国からなるチームで、およそ2年をかけて開発した。
宇宙空間では、衛星の故障原因となる放電現象の仕組みを調べるため、衛星に取り付けられた太陽電池の表面で起きる放電の様子を撮影し、電流の波形を測定する。実験に成功すれば世界初とされ、人工衛星での放電事故防止に加え、高電圧が必要な惑星探査や「宇宙ホテル」「宇宙工場」建設にも貢献できるという。放電抑制実験なども合わせて行う。
趙教授は「大学でこれだけ多国籍のチームによる衛星開発は他にない。ぜひ成功させたい」と語った。「鳳龍四号」を搭載するH2Aロケットは2月12日、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられる予定。
=2016/01/05 西日本新聞=