同人誌のデザインを色んな人から任せてもらえるようになって、やっぱり「売り出す」ということに力を入れたくなり「何か作ったらできるだけ広く拡散させたい」という思いがある。同人活動は放っておいてもどんどん注目されたり、勝手に売れるわけでもないので、結局は事前の周知がうまくいくかで売れ方がぜんぜん違う。もちろん売り切ることができれば僕を招いてくれた人に報いることもできるし、自身も次回へのモチベーションへ繋ぐことができるので頑張ろうと思うわけで、どうやって告知したらよいか考えてみた。
同人活動を告知する
結論から言うとtwitter でのシェアのされかたに気を配るのが一番よいと思う。とにかく拡散の速度が半端ないしお手軽感がある。大体1週間前のコミケ直前の土日にサークルチェックする人が多いだろうからそれに合わせるたほうがいい。ただしタイミングがとにかく重要で、告知は早すぎても当日までに忘れられてしまいそうだし、遅すぎても告知が伸びないので、だいたいイベント1週間前くらいが良い気がする。タイミングを誤るとコミケ数日前になると日常ツイートばかりしてコミケの情報が出なくなる人結構多いので気をつける。あと自分でツイートした情報の再掲とかもあまりやらない(情報の価値を担保する)他人のリツイートに乗っかるのは良いけれど、自分で告知した内容を上塗りするような行為で情報の価値を自分で下げないことが大切。では他の方法として何があるのか
告知のチャンネルはできるだけ広げる
二番目にはブログでもtumblrでもなんでもいいから、このページが告知のURLです!っていうページを作る、ツイッターは便利だけどものすごい速度で情報が拡散される割に「誰も覚えててくれない」という事態があるのでなるべくチャンネルを増やしておくことが防衛策だと考える。イラストレーターはだいたい皆pixivに表紙絵をアップするとか、twitterでちょっと告知するとかで済ませてる感じでもったいない。そもそもPixivのアカウントは絵を描く人以外は持っていない気がする。そこで有効なのが告知サイト、いわゆるランディングページ(ペライチサイト)を作ることなのだけど、今回はこのようなページを作った。
作りこめば作りこむほどエンドユーザに売り込むことが(理論的には)可能になるが「C89 褐色 エルフ」とか引っ掛かりそうな単語でうまく上位に入り込めればかなりの流入を見込める。実際コミケの中3日では大きなリツイート+大手アキバ系ニュースサイトの告知もあってかフォロワー数の1.5倍のエンゲージメント(アクティブユーザ率を考えればそれ以上)を得ているので、サイト自体は少なからず効果はあったのではないかと思う。(ちなみにこのページはAdobeMuseで2時間ほどで作成した)当然だけど140字のツイートよりもサイトのほうが情報量を圧倒的に増やせる。ランディングページは「いつ・どこで・なんの・誰が・いくらで」の情報を公開することができれば要件は満たしていると思っている。ただし今回はサイト下部に委託販売の案内を導入し、コミケに来場できない人に対してのコンバージョンを高めている。
他人に告知してもらう
twitterだけで告知をしてしまうとツイートがRTされることでしか拡散されない。一方、前述のとおりランディングページを作ってた場合、サイトのツイートボタンからツイートしてもらえる可能性がある。経験としてはRTが伸びるのはおよそツイート後の数分〜半日だと思っている。それ以降はfavはポツポツもらえるがRTされなくなる。もしサイトを作っていたら一方から自動的に情報が射出されるようになる。今回はページ下部にこのような超ウザいツイートボタンを設置しておいた。クリックするとTwitterカード付きで自動ツイートされるようになっている。設置することで面白がって「告知してやろう」って人もちらほら現れて面白い感じになるし、知らない人にわざわざ告知させるというゲーミフィケーション的な体験を与えるのはわりと正攻法であると思った。
チームで同人活動をするということ
同人誌作ってて毎回思うけど、ちゃんとやっていくしかないなあと思う。同人活動は趣味だから売り上げとか関係ないし〜って言う人たまにいるけど完売すると次回のモチベーション高まるし、絶対に楽しいので宣伝活動にはちゃんと力を入れるの大事。でもギリギリに入稿したり、入稿したら力尽きるとかで余裕が無かったり、みんながみんな本業を持っていて普段サラリーマンをやっていたりするので、告知の質が落ちるのは実にもったいないと思っている。またエンドユーザの目線においても欲しかったけど知らなかった。知らなかったので手に入れられなかったという機会損失はできるだけ減らしたほうが皆幸せになる。
記事を書いておいてあれだけど、この記事を書き残すことには「アイツはうるせえからもう任せてやらねえ」みたいなことを言われる結構恐怖感があった。同人活動はいわゆるチーム開発とかマネジメントと違い人間関係がモノを言う深いテーマであるからだ。じゃあ今回は満足しなかったのかと言われればそうではなく、各個人の温度感とかモチベーションがバラバラのなか、そこそこのリソースで、できるだけ良いものをつくる必要があるということを説きたかった。
ここ数年で同人誌の装丁を誰かしらデザインができる人に依頼する人が増えたけど、そういうダッグマッチを組んでいい雰囲気が出てきている。もちろん告知も例外ではない。誰かと一緒に何かを作るということは基本的には良いことである。チームだと「1」つくりだすにも「0.5」ずつ頑張るか、「1」の実力がある人が数人集まったら「2」にも「3」にもなるので必然的におもしろいものができあがる筈である。それは社会にとって良いことである。そして今、うまくいったことを伝えるのは、意味があることだと信じたいし次回に繋げたいと思っている。