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「全員歌える」実は1割「歌えない」

長野県庁前にある県歌「信濃の国」の歌碑=長野市で2015年12月25日午後4時13分、福富智撮影

県のアンケート調査で初めて明らかに

 信濃の国は十州に−−。長野県が「県民は全員歌える」と誇ってきた県歌「信濃の国」を、県民の1割近くが全く歌えないことが、県のアンケート調査で初めて明らかになった。30代に歌えない人が目立った。ほとんどの小学校で県歌を教えることが県民への高い浸透率を支えているが、県によると、学校で県歌を教えない時期があったとみられる。

     県在住の1202人を対象に昨年8〜9月に調査し、794人が回答した。「全部または1番を歌える」と答えたのは79.4%、「部分的に歌える」を含めると90.7%に及んだ。一方、「メロディーは知っているが歌えない」は7.4%、「メロディーも知らないので歌えない」は1.4%で、歌えない人は1割弱だった。

     「全部または1番を歌える」を世代別にみると、20代と40代以上は8〜9割なのに対し、30代だけが5割にとどまった。

     「信濃の国」は1900年に教材として制作された。県の北部と南部が対立し「分県論」が噴出した40年代後半、県議会で傍聴席などから合唱が起きて対立を鎮めたという実話が残る。68年に県民意識を高めようと、県歌となった。長野県出身者がカラオケで集うと県歌を合唱したり、北陸新幹線長野駅の発車音に採用されたりしている。

     県広報県民課は「2018年の県歌制定50年に向け、発信の機会を増やしたい」としている。【福富智】

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