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 オバマ米大統領は4日、ホワイトハウスでリンチ司法長官らと協議し、銃による犯罪被害を減らすため、大統領令で新たな規制強化に乗り出す方針を決めた。すべての銃器販売業者に届け出を徹底させ、殺傷力の強い銃を購入する際の犯罪歴の確認などを確実に行うよう求める。オバマ氏は米東部時間の5日午前(日本時間6日未明)に演説し、国民に理解を呼びかける予定だ。

 ホワイトハウスによると、米連邦捜査局(FBI)で新たに230人以上の専従スタッフを採用し、購入者の人物照会にあたる態勢を1・5倍に手厚くする。抜け道になっているとの指摘もあるネット販売業者などにも許可の取得を徹底させ、機関銃など殺傷力の強い銃器について、購入者の照会を厳格化する。

 昨年末にカリフォルニア州で起きた乱射事件などを受けて、オバマ政権は、新たに法律を定めなくても、大統領の権限内で実施できる規制強化に踏み切ることにした。

 ただ、憲法で銃所持の権利が保障される米国では、銃規制に反対も根強い。米連邦議会は、規制強化に反対する野党共和党が多数を占め、オバマ政権が求めてきた規制法の制定は見通しが立っていない。オバマ氏は4日、「すべての銃乱射事件を防げるわけではないが、悪い人の手に銃が渡った結果として起きる大きな喪失から家族を救えるだろう」などと述べた。(ワシントン=小林哲)