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トップページ > 神代ふみあき書庫 > 赤松・椎名系作品 > GS恋姫無双 > 第五十八話
ちょっと話の中身が、以前書いたことと前後していますが、その辺はスルーということでw
ねっとりした視線。
これが起床時の常になった。
視線の元は凪。
先日やってきた際、真桜から有ること無いこと聞いたせいで監視が厳しい。
本人は警護だって言ってるけどなぁ。
目の下真っ黒な隈を作っておいて「ちゃんと休んでます」はないわぁ。
まぁ、あれだ。
俺が
現実的な話で言えば、あれ以降、雪蓮や蓮華達の動的な誘惑は減った。
ものすごく減った。
すこし残念な気がするほど減った。
それでも凪の疑念は拭われず、毎朝の確認作業がくるようになってしまった。
まぁ、しかめっ面ではないので気にしなければ美少女の起床突撃という夢のような環境なんだけど。
ともあれ、俺、真桜、凪による健業扶活業務は本格化を始めたのだが、やはり雪蓮主導の酒造と蒸留が一番進んでいるのが印象深い。
基本、麦を使った麦焼酎が作り込まれていて、これに俺の提案で樽による熟成を始めている。
いわゆるウイスキーを、というわけだ。
この計画については雪蓮の大々的賛成によって始められている。
もちろん、反対意見はあったが、自分の生まれた年の酒を飲めるようにとか、自分の子供の成人の時に自分の子供が産まれた年の酒を飲み交わす、とか言う話が大いに盛り上がるネタになった。
試しというわけではないが、文珠で無理矢理熟成状態にした酒が美味かったことも後押ししているだろう。
年月が作る熟成の味という未完の希望が積み重ねられ始めたという話であった。
で、凪。
どうやら黄忠様からの強い支持で、夜間の閨へのローリングエントリーも辞さないと言う姿勢だったらしいのだが、孫呉と会議をした後は監視のみになった。
この辺の理由は教えてくれなかったが、結構暖かな目で見られるようになってしまったのが気になる。
なんか孫呉からの注意事項でもあったのだろうか?
「気にしないの、ヨコシマ」
「まぁ、ええけどな」
にっこり笑顔のシャオ。
タマモと呼んでもいいのだろうけど、本人からシャオとして扱ってほしいと言われていた。
「ところで、ヨコシマ。穏の鎮静符って、メイコに使っていたあれ?」
「おう、実績と信用に溢れてるやろ?」
「あはははは」
シャオとはこうやって向こうの知識をすりあわせている。
何故かというと、シャオの記憶では横島忠夫が向こうで行方不明になったことなどないと言うからだ。
となると、その現象はいくつかに読み解ける。
1.この世界から出た後、ノータイムで復帰する。
2.俺の元の世界が、タマモの居た世界とは別の平行世界である。
3.タマモか俺に何らかの記憶制限がかかっている。
いくつかの複合か新説であると考えられるが、詳細は不明だ。
そんなわけで、平行世界である可能性をつぶすために、日常の記憶のスリ合わせをしているのだが、今のところ全く差違がない。
タマモからすると俺が政治経済に詳しすぎるというのだが、俺だって独立するに当たっていろいろと勉強したのだというと、そうだったんだと感心していた。
「横島の見た目が高校生ぐらいになってるから、そのぐらいの時代にここに来たのかと思ってた」
「いやいや、なんか猛烈に若返っていて逆に違和感があるんや」
そう、この高校生ぐらいの時代にここにきてたら、もう、乱行の限りを尽くしていただろう事は間違いない。
というわけで、タマモの記憶の範囲と大きく変わらない俺の情報。
なんだか猛烈にいやな予感がしないでもない。
凪合流一週間で、どうにか警戒レベルが落ちたようだ。
まぁ仕事が忙しかったというのもある。
孫呉三姉妹もいい感じの交流になっているし、軌道に乗ってきているとも思う。
ただ・・・
「さぁ、横島。今日も手ほどきをお願いするわよ?」
「蓮華、手合わせは毎日せんでもいいやろ?」
「こういう事は毎日の積み重ね、そうよね、思春?」
「はい、蓮華様」
性的なアプローチが減った分、こういう交流が増えた。
蓮華だけならまだましだが、これに雪蓮や明命なども加わってくると大武闘大会になってしまうわけで。
真桜も半泣きである。
凪は思春と同じ系統で賛成側だが。
とはいえ、指揮官が戦闘上手では意味がないのではないかと思わなくもない。
無意味とは言わない。
ただ戦闘にこだわる気質になるのは問題であると言いたいわけで。
前線で剣を振り回しがちな指揮官が討ち取られ、では兵士も戦いがいがないだろう。
「そうならないためにも、一定の強さが必要よ」
「いやぁ、己の武力に自信があるから、前にでて、前にでちゃうから全体が見えなくて指揮を間違える。そういう流れだろ、孫呉」
「「「「「・・・」」」」」
つーっと、蓮華どころか周辺で見学していた武将達も視線を逸らしやがった。
あーあ、なんつうか、もう、ねぇ?
一人笑っている特攻国主はどうしたものやら。
「あー、ヨコシマ、もうそれは
「直さな、あかんやろ」
「あははは、まぁ・・・無理ね、うん、無理」
出だしは笑っていたが、結構マジで否定のシャオ。
蓮華も沈痛な面もちで無言だった。
絶えず笑っているのは雪蓮だけだった。
「おまえは笑ってちゃだめだろ」
「だってぇ、これは一族の定めだしぃ」
否定できない血の力。
恐ろしい話であった。
一族の宿痾は、雪蓮や小蓮ばかりではなく、蓮華にも影響しているのは間違いない。
何しろ蓮華、一番やばい。
ちょっと放置しているとすぐに「シメサバ◎」なおキヌちゃんになってしまう。
正直、ちと重い。
とはいえ、その重さも小娘週がするのでかわいい範囲なのだが。
成猫に子猫のかわいさがある感じ。
で、逆に雪蓮。
こちらは力加減がわからない成人前のベンガル虎。
はっきり言おう、死にそうな目にあわされることシバシバ。
本人は遊びのつもりでも半死半生な目に他人をあわせるといった感じだ。
実に大迷惑。
そして小蓮。
中の人の影響だろうか、実に猫的になった。
明命が身悶えするレベルの猫度なので推し量れる。
そんな三姉妹との戯れの中、もっとも進行度の早い酒作りが一つの完成品を生み出した。
そう、「酒」。
それも米から作った「日本酒」を作り上げたのだ。
当初酒麹は麦麹などを使っていたのだが、いろいろと手法をこらして生成することで雑菌を排除しいた純粋なオリゼーで構成できたので、これを使った米酒を造ろうと雪蓮を誘ったのだ。
孫呉の独立制作という方向性に一発でつられた孫呉王と共に作り上げたドブロクは少し感じる酸味は別にして高いアルコール度数と口当たりの良さ、そして飲み口の軽さから絶賛になったのだが、実はこの先があると説明するとグビリと生唾を飲む雪蓮と祭さん。
つうか、いつの間にか混ざってた。
それはさておき、ドブロクを絞り上げたところ、その透き通るような美しさに失神寸前になった雪蓮であったが、一口呑んでさらに絶賛。
「しかし、これだけの糧食を原料としての酒か。贅沢品じゃのぉ」
「そうね、いろいろと絞りかすも使い道はあるけど、でも贅沢な話よね」
思うところある二人の飲兵衛だが、それでも少しずつ試飲しているのはさすがだ。
「黄漢升はこれをさらに蒸留してるんでしょ?」
「うむ、信じられんはなしじゃなぁ」
とはいえ、この酒は一種の完成に近いのだが、さすがに日持ちしない。
だからこその蒸留なのだ。
「・・・ちょっと理解できたわ」
「麦酒の蒸留で得た技術で米酒の蒸留か、うむ、まさに王の器が問われる話じゃな」
「やばいわ、やばい。こりゃ早いところ蓮華に禅譲しないと、わたし、国潰しそう」
「うむ、納得じゃ」
とりあえず、絞った酒を「明酒」と名付けて孫呉メンバーで試飲会したところ爆発的な絶賛が集まったのだが、足の早さを考えて輸出用を新たに考えようと言うことでまとまったのであった。
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