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 糖尿病と診断されていなくても、血糖値が高いと、がんを発症するリスクが高くなるとする調査結果を国立がん研究センターなどの研究チームが発表した。

 チームは、46~80歳の男女約3万人を対象に最長で25年間追跡した。糖尿病と診断された人を除く約2万8千人について、直近1~2カ月間の血糖の状態を示す血液中の「ヘモグロビン(Hb)A1c」の値と、がんとの関連を調べた。

 HbA1cの値を「5%未満」から「6・5%以上」までの5段階に分類。「5・0~5・4%」を基準とした場合、すべてのがんのリスクは、糖尿病手前の状態の「6・0~6・4%」で1・28倍に、糖尿病診断の目安となる「6・5%以上」では1・43倍と高くなったという。

 研究チームの過去の研究で、糖尿病患者ががんになるリスクは1・2倍(がんの種類別では最大4倍)と報告されている。今回、糖尿病と診断されていなくてもHbA1cが高ければ、がんのリスクが高まることが初めて示されたという。