付き纏う死
ぼくは父さんといっしょにあるいてた。
にいにもやさしいけど父さんが一ばん。
前からかわいいかおの車がきた。
だけどその車は急にこっちにきた。
ぼくは父さんにどんってされてこけた。
でも男の子だからなかなかった。
「父さん、ぼくえらい?」
父さんは車とおみせのあいだにいた。
ぐしゃぐしゃにつぶされて。
次男が帰宅した時に鍵が開いていた。
部屋に入ると二歳の長女の姿がなかったという。
そこに帰宅した長男が母親に連絡。
母親は警察にすぐ通報したが長女は見つからない。
三日が経ち自宅からニキロ離れた山で通行人が遺体を発見。
遺体には無数の切傷があった。
犯人の手掛かりは未だ掴めていない。
ある日の放課後、親友の健二に屋上へ呼び出された。
屋上に行くと健二はフェンスに腰掛けていた。
危なっかしい。
「何だよ、こんな所に呼び出して」
「いや、お前に会いたかったから」
「は?何言ってんだ?それよりそこから降りろ」
俺は嫌な予感がして彼に歩み寄ろうとした。
だが間に合わない。
「じゃあな」
それだけ言うと彼は後ろに落ちていった。
フェンス越しに見ると下に紅い花が咲いていた。
卒論の内容を大体決め終わったのでリビングに休みに行く。
スナック菓子を手に取りソファに座った。
リモコンを取るのが面倒なのでついていたニュースを見る。
桜の見ごろを迎えた地域の話が終わる。
するとアナウンサに横から紙が渡された。
「臨時ニュースです。飛行機事故が起きたそうです」
兄貴も今頃新婚旅行の飛行機の中かなと思いつつ見続ける。
どうやら乗客の全員が助からなかったらしい。
胸騒ぎがする。
悲惨な事故の被害者の名前がようやく出た。
兄貴の名前があった。
岩城伸二は会社に一本の電話を受けた。
それは彼の妻の容体が急変したというものだった。
伸二はすぐに病院に向かう。
案内された病室で彼女は死の淵をさまよっていた。
伸二は膝をついて妻の手を握り祈る。
だがその祈りは天に届かなかった。
医者がそれを告げる。
伸二は何も言えなかった。
ただ呆然としていた。
「なんで」
ようやくそれだけ言うと伸二はぺたりと床に座り込んだ。
私は子供の手を引いて商店街に向かった。
途中踏切で足止めをくらい、ぼんやりする。
すると体が弱く出産で死んだ妻の顔が浮かんだ。
愛していたのに。
「子供さえ産まなければ」
無意識につぶやいていた。
その時子供がびくっと震えた。
私は自分の不注意さを呪い慌てて取り繕う言葉を探す。
だが彼が何も言わないので聞こえていなかったと安心した。
別に子供のせいじゃないのだ。恨むなら運命だ。
しかし私はやはり呪われていて。
「ばいばい、おとうさん」
子供が私の手を振り切り踏切の中に駆け出した。
「おい、危ないから戻ってこいっ」
電車が来てしまう。
「頼むから戻って来てくれっ」
私は叫んだ。
もう妻の事を未練がましく言ったりしない。
お前の事を放っておいたりしないから。
早くしないと電車が……。
「またか」
目を錘り呟く。
辺りから悲鳴があがった。
モウイヤダダレモシナナイデ。
呪われた運命。
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