ユーティリティ

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第十五話

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というわけで、年末年始連続アップ企画の終了です。

お楽しみいただけたならうれしいですw




 

 

 ロンドンから陸路で数時間。

 ウエールズの山奥にあるゲートの麓の町までやってきた。

 そこで待ち受けたのは、ネギの親戚のお姉さん。

 ネカネ=スプリングフィールド、を自称する女性。

 この女性の謎は多いが、何より謎なのは「称号」。

 名前にも「偽装中」というメッセージが入っているのだが、何よりも何よりも「亡国の女王」という称号がある。

 俺の知る限り、王位についていないのにこの称号を得たものはいない。

 しかし目の前の女性は「称号」持ちだ。

 こうなると偽装されている情報が問題。

 

 いちゃいちゃとするネギ少年とネカネ女史をじっとみているうちに、久しいアナウンスが脳内に響いた。

 

(看破、のレベルがあがりました)

 

 瞬間、ネカネ女史のステータス画面が二重写して表示された。

 奥に表示されたステータスこそ、偽装元のものだろう事がしれる。

 では、その表示は、と見たところで理解した。

 そう、探し求めていたものは「そこ」にあったと。

 

 

 

 ウエールズゲート経由で魔法世界に行くことを聞いたネカネ女史は、一緒に付いてくるとか。

 まぁ、理解できる。

 何しろ「本人」だし。

 ネギ君も親戚のお姉さんが付いてくると言うことをうれしがっていたが、複雑な表情なネカネ女史。

 

「本当はね、魔法世界は危険だからいかせたくないんだけど・・・」

 

 危険なのは魔法世界じゃなくて、貴方を取り巻く環境ですよねぇ?

 とは口に出さないけど思ってる。

 追いかけ状態で現れた高畑先生にちょっとネカネ女史の事を探ってみたが、彼は偽装を把握していないらしい。

 と、なると、情報偽装に関わっているのは魔法世界、それも側近だけとみた。

 で、ネギ出身の村人がメインと考えると、児童虐待状態の成長環境が別の環境に見えていうる。

 そう、村全体が王宮で、侍従に囲まれた生活であった、と。

 個人の子供の成長という立場で見れば最悪な環境だが、王族の独特な教育環境とみるとがらりと変わって見える。

 なるほど、と理解させられる話だ。

 で、乳母が実の母親。

 こりゃ変則の上に変則を重ねた特殊環境だけに、ネギ君が歪むのは当然だ。

 ともあれ、故郷に戻ってきたことでハイになったネギ君と、それに併せてハイになった小太郎、アンナ=ユーリエウナ=ココロウァは電池切れで子供部屋に押し込まれた。

 残ったのは3A、俺、村人一式、と高畑先生。

 軽い夕食会っぽい空気だったので、俺はネカネ女史の隣をゲットした。

 

「・・・麻帆良ではネギがお世話になってます」

「いえいえ、修行の手助けをしているだけですから」

 

 軽い挨拶と日常の話をするが、見た目の年齢以上の落ち着きがあると感じさせるものがあった。

 この重量感は性格と言うよりも「性質」だな。

 重い険しい条件付けで作り上げた「それ」だ。

 これ以上ない確信を感じたところで、ネカネ女史にささやいてみた。

 

「・・・ところで、いつネギ君に自分が母親だって明かすんですか?」

「・・・!!!」

 

 瞬間、眉毛が二股になった気がするが気のせいだろう。

 険しい視線で俺を見つめるネカネ女史。

 そして周囲にいた村人も杖を取り出し始めた。

 

「・・・どういう事ですか、風間さん」

「この村は、ネギ君という王子を守るための王宮。村人は侍従。そして、侍女であるネカネさん」

 

 指折り数えると、村人の緊張は高まっていった。

 

「彼の成長環境を聞いて、むちゃくちゃ違和感があったんですよ。一般的な子供が人情あふれる田舎で過ごす環境じゃないって」

 

 つらつらと説明されるうちに村人たちの殺気が薄らぐ。

 それはネギ君への同情が俺から漏れているからだろう。

 

「そして、違和感がもっとも高かったのはネカネさん、あなたです」

 

 親戚といえどもネカネさんの両親の陰はなく、加えて言えば親身になりすぎている、と。

 いかに親戚とはいえ、その責任を負いすぎているし引き受けすぎている。

 それはあたかも肉親のように。

 

「魔法的に外見をごまかしてネギを育てていたと予想したのは、この村で二人の関係をみてからです」

 

 ふぅ、と方をおとしたネカネ嬢は、周囲に腕を振る。

 それと同時に隠れていた魔法使いたちが現れて杖をおろした。

 武装解除的な意味で。

 

「・・・少年、なにをみたのかな?」

「いや、だって、見た目と年齢が・・・・」

 

 

 

 瞬間、星が見えたスター。

 

 

 

 血だらけで倒れる俺を尚も乱打したネカネさんをエヴァちゃんが止めてくれたらしい。

 あと村人も止めてくれたとか。

 うん、ありがとうありがとう、ありがとう浜村○です。

 

 そんな騒ぎに起き出してきた子供組がみたものは、血だらけで倒れる俺と、両手を血で染めたネカネさん。

 

「ちがう、ちがうの、ネギ・・・違うの!!」

 

 と言い募るネカネさんだが、両手は血で赤く、俺は床で血塗れ。

 子供組はどん引きの構図だったりする。

 空気が死んで、陰気さがマックス。

 秘密とか偽装とかすべてが吹っ飛んだ一室で、ネカネさんの立場が立場が大ピンチ。

 どうするどうするネカネさん!

 

「って、阿呆が!! すべては貴様のせいであろうがぁ!!」

「うぼらぁぁぁ・・・」

 

 再び吹っ飛ばされた俺を心配そうに駆け寄って助け起こすネギ少年が、まるで敵のようにネカネさんをみているのが疑問。

 話を聞いてみると、彼女はネカネさんの偽物、なのだそうだ。

 

「・・・え、偽物だったんですか?」

「そういう誤解をされておるのじゃ、ソナタも説明せい」

 

 むっつりと腕組みで不機嫌そうなネカネさん。

 つうか・・・

 

「ネギ君と二人の思いで編みたいな会話をすればいいじゃないですか」

「・・・おお、それじゃ」

 

 ということで、ネギ君の黒歴史が開陳された。

 真っ黒で羞恥の過去が周知され、ごろごろと恥ずかしそうに転がるネギ君を、雪広さんとアーニャが大好物系の視線でみているのだが、それはそれ。

 認めざるを得ない事実として受け止めたらしいネギ君。

 

「だ、だったら、なんで母親だって名乗ってくれなかったんですか・・・」

「それはじゃな」

 

 曰く、魔法世界では戦争犯罪人として、政治的な敗北者として処刑されたことになっているので、そのままの容姿と名前では生きてゆけなかったのだと語る。

 いかに戦争の英雄であるナギでも、彼女の名前は庇いきれなかったのだ。

 

 その名も、

 

「アリカ・アナルキア・エンテオフュシア」

「・・・ほぉ、ウェスペルタティアの女王か」

「元、じゃ」

 

 おお、と驚く3A衆だが、それ、どこ? という巻き絵の台詞に誰もが首を傾げた。

 いや、魔法関係者、美空は真っ青になっていた。

 

「や、やべぇ、第一級デンジャラスゾーンじゃないっすかぁ!?」

「ふーん、そんなにやばいの?」

「やばいという言葉が陳腐に思えるほどのヤバさでぶっ飛びっすよ!!」

「私たち一般人にわかりやすく言うと?」

「・・・あえて誤解を承知で言うなら、ヒットラーの御落胤がネギ君、みたいなかんじっす」

 

「「「「「・・・・・・・」」」」」

 

 どよーんとした空気が漂ったが一応フォロー。

 

「見た目の立場は似てるけど、実際は政治工作で負けて馬鹿みたいな責任を負わされたってだけだ」

「・・・詳しいな、お主」

 

 肩を竦める俺を、ネカネ、いや、アリカさんは苦笑い。

 

「逆に言えば、戦勝国側の魔法世界の大国が、ウェスペルタティア王国を占領併合するために、政治工作をして乗っ取った。しかし、処刑したはずの王女は生き残ってるわ、息子までいるわ、こんなの戦勝国側が知ったら、どうなるかわかるな?」

 

 俺の台詞に3A衆はぐびりと何かを飲み込む。

 

「なるほど、美空の言ってる意味が実感できた感じ」

「ふっふっふ、やはり歴史の裏側はどろどろですね」

 

 割と骨のあることを言っているのは朝倉和美とユエちゃん。

 まぁ、この二人はタフだからなぁいろいろと。

 

「なるほど、そこで風間さんの出番ですのね?」

「インフラの完備された隠れ里、ですか」

 

 雪広さんと桜咲がため息で理解をしめした。

 

「・・・風間といったか、どういう事なのか説明してもらえるか?」

 

 では、会場変更だ。

 

 

 

 

 ゲート・オブ・○ーソン

 

 

 

 

 

 

 その村の噂は有名だ。

 一夜にして消え去った住民。

 まるでちょっと外にでて何かの用を済ますか、そんな感じで生活痕が残っているにも関わらず、誰一人戻らなかった山奥の村。

 しかし、しかしだ。

 なぜか住民移動の書類は完璧になっており、疑問も問題も存在しない。

 それなのに、ああ、それなのに。

 誰も引っ越し先にいない。

 誰も移転先にいない。

 どんなに調べても痕跡もなく。

 どんなに調べても形跡もない。

 ウェールズの山奥で起きた住民消失事件。

 ミステリーハンターの跋扈するUKで十年先までホットな話題であった。

 

 

 

 

 

「まぁ、住民全員で異次元移住とか、わかるわけ無いわな」

「あー、ちさめちゃんや、うめぼしぐりぐりは勘弁してくれや」

「うっせ、うっせ、うっせぇ!!!」

 

 白い世界の○ーソンは、現在拡大している。

 何しろ村一つをまるまる雇用しようと言うのだから。

 もちろん、規模拡大にあわせるように客も増えるのだから恐ろしい空間である。

 このコンビニ、3Aも利用率が高い。

 というか魔法先生もがんがん利用しており、防犯性のよい、心底いつでも使えると女性魔法先生からも好評。

 魔法関係者、というか俺の事情に通じてる人間は無茶苦茶利用してくれている。

 P○nta溜まりまくりらしい。

 

 電源やネットも完備している関係で、仕事を持ち込む魔法先生もいるし、うちの店員であるアルちゃん一家や時々やってくる剣客系異世界裸族教員などと模擬戦なども大人気で。

 ネギ君どころかナギまで溌剌と戦っており、その観戦に集まる観客で売り上げがホクホク。

良いスパイラルだなぁ。

 

「・・・時に、風間」

「なんでしょう?」

 

 異世界裸族教員からナギを紹介しろとか。

 

「・・・あー、あれ、妻子持ちっすよ?」

「くぅ、男運ないなぁ、私はぁ・・・」

「好きになる男を限定しすぎですって。とりあえず誰かを適当に喰ってから決めれば・・・」

 

 闇の腕が俺に延びたのを感じて俺は撤退。

 やべぇ、やべぇ。

 ・・・あ、セルやん紹介すればいいか。

 うん、シアワセニナレヨ。

 

 

 

 後日、瀬留彦先生からお礼状が「手紙」できました。

 

 

 

 幸せになりますとか書かれているのは良いけど、「ハ○撮り」写真はやめろよ!

 袋とじ状態でもやべぇだろうが!!

 

 

 




何時もの如く、捏造+ご都合の山盛りですが、久しく適当つくりの設定で楽しかったです、
気分が乗れば続きますが、まぁ期待せずお待ちくださいw

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