経営悪化のアシアナ航空 営業利益で利息さえ賄えず

【ソウル聯合ニュース】このほど経営再建策を発表した韓国の航空大手アシアナ航空は、営業活動で得た利益で借入金の利息を賄えない状態が4年続いていることが分かった。

 アシアナ航空の金秀天(キム・スチョン)社長は昨年末に経営再建策を発表した際、社員らに宛ててビデオメッセージを送った。世界の航空業界は構造的な転換点を迎えており、韓国の場合は中国との路線の全面自由化が予想される上、高齢化が進み旅行需要の高い伸びを維持するのは難しくなると説明した。

 金社長は「危機を乗り越えるための努力にもかかわらず、収益性が改善していない」とした。特に、営業利益を支払い利息で割ったインタレスト・カバレッジ・レシオは4年連続で1倍を切っている。数値が小さいほど企業の債務返済能力が低いことを意味し、1倍未満なら営業利益で支払い利息を賄えていないことになる。また、負債比率も1000%近くまで上がった。

 アシアナ航空は経営再建策として、支店の統廃合や予約・発券・国内線カウンター業務などのアウトソーシング、希望退職と休職の募集などを掲げた。

 しかし、乗務員(操縦士除く)と整備士、一般職などでつくるアシアナ航空労働組合はこうした経営再建策に反発している。

 労組はこの日、金浦空港のアシアナ航空格納庫前に3日からテントを張って座り込みを続けていることを明らかにした。

 会社は人為的な人員削減は行わないとするが、労組は予約営業チームのアウトソーシングで200人以上、国内カウンター業務のアウトソーシングで約250人の雇用が脅かされるとし、業務の負担増や福利厚生の縮小も懸念する。

 また労組は大宇建設と大韓通運の買収は誤りで、これがアシアナの危機を招いたと主張した。200%台だった負債比率は、これら2社の買収と借入金によるクムホ産業の買い戻し決定により、現在は900%を超えているという。

 労組は声明を通じ、「構造調整の刃は、誤った経営で会社をこの状況まで追い込んだ経営陣に向けられるべきだ」とし、人員調整による解決をやめるよう要求している。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース