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短編ぶっこみ匣

アナケノルイと破滅について

作者:赤城千
僕はその紙を見つめる。

アナケノルイは恐ろしい。
アナケノルイは、
植物を喰らい、
動物を喰らい、
大地を喰らい、
自分を喰らう。
気がつく時には何もない。

僕は僕の発見した遺跡に書かれた文を解読してきた。
解読を終えた文章もいくつかある。
その中にこのアナケノルイの歌があった。
アナケノルイに重点をおき調べるとこれを檻に入れたとあった。
それによれば死んでもそこから出されなかったらしい。
親切なことにそこには檻のある場所の地図も書かれていた。
運が良ければ何かが残っているかもしれない。
そう思って僕はその檻のあった場所に行く事にしたのだ。

「博士ー」
助手が僕を呼んだ。
「何ですか」
「アナケノルイってどんなのでしょうね」
「遺跡の中に絵が描かれてたでしょう?」
僕が呆れて言うと助手は変な顔をした。
「人々に崇められていたあの四つ足の奴ですか?」
「そう、あの奇妙な奴です」
「あんな下手な絵じゃイメージがわきませんよ」
「別にそんなのわかなくていいでしょうに」
「だって雑食なのにあんなに恐れられるんですよ?」
それが何故イメージをわかせる必要がある理由なのかわからない。
「それにしてもあそこの絵何か変でしたよね」
「なんでですか?」
「なんか、全部四つ足がメインに見えましたよ」
「……」
そういえば、どの絵も中心は四つ足の生き物だった。
人が描かれていない事さえあった。
でもその理由は僕もわからない。
だから話を変えることにして紙を軽く指で叩き、聞いてみる。
「貴方はここの“大地を喰らう”の意味を何だと思いますか」
すると助手は驚いた顔をした。
「え?そのまんまじゃないんですか?」
動物を食べて植物も食べるなら土を食べる必要はないだろう。
土を食べたと考えるよりは別な意味がある可能性が高い。
「次の文も“自分を喰らう”ですし比喩か何かかと思いました」
「ああ、なるほど。じゃあ……環境破壊?」
「この遺跡の時代に、ですか?」
この遺跡は相当古くそんな新しい時代の物ではない。
「冗談ですって……あ、この辺りですね?」
一旦車を止めて助手は言った。
「ああ……そうですね」
そういって僕は車を降りる。
そして手にしたスコップを掲げた。
「じゃあ手当たり次第掘りましょうか」


数日後、僕が休んでいると助手が声をあげた。
「ありましたよ!」
僕が駆け付けると彼は掘った穴の底でしゃがんでいた。
「何か空洞で地下室みたいになってるようです」
「降りられますか?」
「はい、なんとか行けそうです」
「では先に行ってください。僕もすぐ行きます。」
「わかりました」
そう答えると助手は慎重にロープをつたい下へ降りていく。
僕もとりあえずさっきまで助手がいた位置に降りた。

その時突然助手の叫ぶ声が空洞から聞こえた。
「どうしました!?」
「は、博士ー、来て下さい」
その声に僕も慌てて降りる。
「何があったんですか」
「あ、あれを……」
助手が懐中電灯を前に向ける。
そこには木と石でできた沢山の檻があった。
そしてその中には……。
「に、人間……」
人骨のような形をした物が一つに一つずつ入っていた。
数箇所何も入っていない内側から壊れた檻もあった。
「何で、人が……」
「逆、だったんですよ」
助手が懐中電灯を横にずらしていく。
すると今度は牢屋なら見張りがいる場所に。
遺跡で見た四つ足の生物が首が取れ骨となり、そこにいた。

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