和歌山県が地震・津波観測情報をメールで自動配信開始

2015年11月10日 13時13分 ニュース, 政治, 社会, 防災


和歌山県は、熊野灘(くまのなだ)沖に設置されている地震・津波観測システムが津波を察知した場合、和歌山県内のスマートフォンや携帯電話に緊急速報メールを自動的に配信する事業を、全国で初めて、きょう(10日)から開始しました。

和歌山県はジャムステック(JAMSTEC)・海洋研究開発機構が熊野灘沖に設置している「ドゥーネット」と呼ばれる地震・津波観測システムのデータをもとに、独自に津波の観測を行っていて、今年度(2015年度)、気象庁から気象予報業務許可を取得しました。

きょうから始まった自動配信システムでは、ドゥーネットシステム観測点の2か所以上で、振幅50センチ以上の津波第一波を観測した場合、和歌山県内全域の、ドコモ、エーユー、ソフトバンクのスマートフォンや携帯電話に、自動的に「大津波が観測されました。高台などに避難をしてください」と呼びかける第一報をメールで配信し、その後、2か所以上の観測点で第二波が10センチ単位で大きくなった場合も、津波の拡大をメールで配信し続けます。

これらの情報は観測してからおよそ数秒から10数秒以内にメールが配信されます。

仁坂吉伸知事は「県は高台移転などにも取り組んでいるが、とくに紀南では一刻を争う状況となり県民の素早い避難意識を高めることが重要で、そのための力強い武器がひとつ増えた」と意義を強調しています。

県では、今後、四国沖の海底観測システム「ドゥーネット・ツー」のデータも判断材料に加えて、予報精度を高める方針です。