「あの本田から驚くべき本音を引き出した、ゴン中山のインタビュー力」日本サッカー新時代~2018年への旅~
昨日は、録画していた高校選手権の3回戦やプレミアの試合を見ようかと思ったのですが、年末年始の間に溜まったサッカー関係の番組を消化する事にしました。
その中の1つに、1/3の深夜に放送されたテレビ朝日の「日本サッカー新時代~2018年への旅~」という番組があったのですが、元旦のNHKのハリルジャパン特集は期待はずれでしたが、これはなかなか突っ込んだところを見せてくれて良かったです。
香川の長渕熱唱や酸素カプセル、入浴シーンといった一般視聴者受けしそうな(個人的には興味ないですが)内容もありましたけど、何と言ってもゴン中山のインタビューによる切り崩し方が秀逸でしたね。サッカー記者とかアナウンサーだったら、ちょっと身構えて本音をボカしてしまうような質問でも、ゴンのキャラクターと突っ込みのスピード感で、あの本田でさえ素の自分を出してベラベラと饒舌に話してしまう。
ゴンは、ザルツブルクにいる南野も訪問していたのですが、北朝鮮に負けてU-20W杯出場権を逃した時のインタビューについても鋭く突っ込んでましたし、チームの練習での競争や、日本代表へのギラギラした野心を包み隠さず引き出す手腕は、インタビュワーとして見事というしかありません。
何より、ああ見えて(笑)意外にサッカーの戦術的なポイントが分かっていて、先日も書いたハリルジャパンに対する私が持っている疑問点について、本田から「アジア向けではなく、あくまで世界を見据えたサッカーをやろうとしていて、最終予選になると効果が出て来るのではないか」という観測を引き出していましたね。個人的にはそうだろうなと予測はしていましたが、本田の口から聞くのとでは確信度が違います。
もう1つ、引いた相手に対するボランチの必要性にもゴンは的確に突っ込んでいて、「アジアのような引いた相手では名波や遠藤のようなパサーが必要だけど、今の代表にはそこまでの選手がいない事が苦戦に繋がっている、でも世界では守備の強さが必要なので、また違った人選になるだろう」と、ここでも本田の裏付け的な発言がありました。
そして何と言っても、ゴンが「本田ボランチ説」を押してくれた事。個人的にも、もし本田がこれ以上のステージを目指すのであれば、ウイングやトップ下ではなくてボランチに転向すべきだと常々思っていたので、この質問が出た時には思わず拍手喝采しましたね(笑)。ただし、本田の答えは、ボランチはやりたくないし、そんな簡単なポジションではないので転向するには遅すぎるというものでした。
まあ予想通りではありましたが、転向には遅いという理由には納得出来ませんね。中田はローマ時代はカペッロ監督に今で言うインサイドハーフを任されましたが守備は酷いものでしたし、小笠原もイタリア移籍前までは守備はからきしでした。しかし彼らは本格的な転向後、1年もかからない内に立派なボランチになってましたからね。だいたい、香川もインサイドハーフになってから半年ですが、それなりに守備が出来るようになりました。選手に戦術眼さえあれば、転向にはさほど大きな障害はないというのが私の考えです。
ただ、一番の問題は「やりたくない」という部分。ローマでの中田も、CSKAモスクワでの本田もボランチをやった事はありましたが、プレイを見ていれば嫌そうに守備をしているのは丸わかりでしたからね(笑)。好きこそものの上手なれと言いますが、やはり本人がやる気にならないと決して上達はしないでしょう。最後にあった今年の抱負に、ボランチ挑戦という言葉が本田に生まれる事を期待したいところですな。
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2016/01/05 | コラム・書評
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