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 中央自動車道の笹子トンネル(山梨県)で2012年に天井板が崩落し9人が死亡した事故で、トンネルを管理する中日本高速道路(本社・名古屋市)と子会社の過失を認め賠償を命じた横浜地裁判決について、中日本高速側は5日に控訴しないことを決めた。

 死者のうち5人の遺族が原告で、5日は控訴期限だった。昨年12月22日の一審判決は、事故の2カ月前の点検について「甚だ不十分」と中日本高速側の過失を認め、事故発生との「相当因果関係も認められる」と判断。計約4億4千万円を遺族側に支払うよう命じていた。

 中日本高速はこの日、「判決で示された事故以前の点検・維持管理体制への指摘を真摯に受け止めるとともに、事故発生から3年が経過し、ご遺族のお気持ちに改めてしっかりと向き合わなければならないとの考えに立ち、控訴を行わない」とのコメントを出した。