■阪神大震災(1995.01.17)
6,434名の死者を出した「平成7年兵庫県南部地震」。このとき、安否確認・被災地からの情報発信手段の一つとして使われたのが「パソコン通信」であり「インターネット」であった。
軍事攻撃に耐える通信網として研究された技術が元になっているインターネットであるから、強固な情報通信基盤の構築が可能である。
先の阪神淡路大震災では, 情報技術者を含む130万人もの人々が様々な形で, 救援ボランティア活動を行った。 その体験の予想外の成果の一つが,大災害時の通信手段の一つとしてパソコン通信やインターネットが意外に役立つことの発見であったと言える。 実際には役に立った人 (ネットワークが使えた人) の数は少なかったのであるが, それでもこの結果は, 例えば1995年7月に改訂された国の 「防災基本計画」 (中央防災会議) の中にも盛り込まれ, これによって正式に, 各自治体によるパソコン通信 (インターネットを含む) の利用が防災計画の中に位置付けられ, その利用が要請されることになった。
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パソコン通信等の通信手段が, このような震災救援活動において, これほど役に立ちうることは, 当時としては予想外であり,その話題性のためにマスコミの好意的報道も多数あった。 このような経験を社会的なものとするためには,これらの活動を積極的に評価することは重要であろう。 神戸新聞社の情報センター長, 光森氏の言葉を借りれば,パソコン通信やインターネットは大災害において 「役に立つことが分かった」 と評価すべきである。 例えば神戸市内の状況を写しだしたWWW (神戸市立外国語大学のサーバー) へは, 地震発生後20日の間に50カ国からアクセス数が約36万件あった。 これは WWWへのアクセス数としては非常に多い。
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インターネットと情報ボランティア ―これまでとこれから ―(ひょうご経済研究所)
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1995年の阪神淡路大震災は、情報通信ネットワークの脆弱さを露呈させましたが、一方で、情報通信ネットワークの重要性を示しました。
今回の震災のような都市型の広域災害では、情報が水や電気、ガスなどと並ぶ重要なライフラインとして、重要な役割を担っていることが、あらためて認識されました。情報を正確にそして迅速に伝達することは、被災者の生命や生活を維持するためになくてはならないものとなっていることがわかりました。
さらに、情報も従来の警報や誘導といった政府や自治体からのトップダウンの情報や、マスコミからの情報だけでは、不十分で被災者による草の根レベルの情報と、その伝達も非常に重要であることがわかりました。
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インターネットは、被災地域の情報流通、被災地と外部との通信など、災害時の情報伝達手段として、優れた特性を持っています。災害時に発生する通信の急激な混雑にも強く、また、無線やその他の通信手段と組み合わせることにより、頑強な通信網を構築することができます。また、草の根レベルでの、情報発信、伝達手段としても優れています。
一方で、このような特性を生かし、災害時に有効に機能させるためには、技術的、運用的、制度的な課題を解決する必要があります。
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1995年 1月17日、阪神・淡路大震災が起こり、ガスや水道は絶たれてしまいました。電話は、安否の問合わせなどによって回線パンクの状態になりました。このようにライフラインが絶たれた状況においても、インターネットでは生存者情報や被災状況などが世界中に公開され、一躍注目を浴びることになりました。しかし、
* インターネットでなければできないことをしたか?
* インターネットを充分に活用できたのか?
といった点を考えると、阪神・淡路大震災の後に行なわれた利用は、単に他のメディアによる情報をインターネットでも流したということにすぎませんでした。つまり、インターネットとしてのメリットを活かした利用は充分にはできていなかったと考えます。
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第1回インターネット災害訓練報告(IAA project)
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まだWindows95発売前であった当時、インターネットという言葉を知るものは少ない。
インターネットを使える人は極少数。
阪神大震災において、その被害者救援にインターネットがした貢献は小さい。
だが、「可能性は見せた」。インターネットが一般に注目され始めた。
資料:阪神大震災 -- 情報ボランティアとコンピュータ・ネットワーク --
(金田 泰のハブページ )
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