新たな試みとして、このページのQ&A表を作ってみました。
11.06.27
ちょびっとだけですが更新。
ただ、2つほどアイデアが浮かんだので、年内にもう一回更新したいなあと。
アイマスMADを中心としたコミュニティの発展に関する研究(2007年1月〜2008年6月)
『ニコニコ動画』という動画共有サービスが登場したことにより、多くのMAD動画が作られることとなった。
そして、MAD動画制作者達はお互いに影響されあうことで、さらに新たな、完成度の高いMAD動画を作っていった。
本研究では、その中でもとりわけ多く作られている「アイマスMAD」に焦点を当て、「アイマスMAD」をキーワードに出来上がったコミュニティ「アイマスMAD界隈(ニコマス界隈)」の構成と発展の経緯、特徴について分析する。
『ニコニコ動画』では様々なキャラクターを題材にした動画が投稿されている。
例をあげると「レッツゴー陰陽師」「初音ミク」「THE iDOLM@STER」「東方」「ドナルド」「ドアラ」「キーボードクラッシャー」など、あげだすときりが無い。
その中でもXbox360専用ソフトとして発売された「THE iDOLM@STER(アイドルマスター:アイマス)」を題材としたMAD動画が「アイマスMAD」である。
「アイマスMAD」の基本は、ある歌に対し「THE iDOLM@STER」のゲーム画面・動画をあわせたものということになる。
この2作は「Perfume」の歌に「THE iDOLM@STER」のゲーム動画を合わせている。
このような形が基本であるが、現在においては自作絵と合わせる「描いてみた」系や、
アイマスキャラを絡ませ、独自ストーリーを展開させたゲームプレイ動画「iM@S架空戦記シリーズ」など、様々な形のものが存在する。
iM@Sには「動画」と「歌」という要素が入っているわけだからMAD動画作成には好条件である。しかし業務用時代は業務用であるが故に、動画をPCに取り込む手段がなかった。 Xbox360版の登場は、iM@S動画をPCに取り込むことを可能にした。さらには業務用よりも圧倒的に良くなった3Dキャラ。これにより多くの個人サイトがiM@Sをとりあげる事となる。そして、ニコニコ動画とSMILEVIDEOサービスの登場・・・
「素材」「宣伝役」「インフラ」。MAD動画作成の好条件が全て高い水準で揃ったiM@Sは数多くのMAD動画を生み出すことになるのである。
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『THE iDOLM@STER』MADの歴史
(当サイト)
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表2−1:アイマス動画の通算アクセス数順位(2008年05月10日AM7:00時点)
*1:「アイドルマスター Perfume パーフェクトスター・パーフェクトスタイル PV風」については旧版が削除された経緯を考慮し、旧版と再アップ版を足した値とした。
「THE iDOLM@STER」は「ゲームソフト」である。そして同時に、MAD動画制作に必要な素材を出力する「ツール」として機能した。
このツールを用いて、MAD動画を作成するMAD職人。MAD動画公開の場であるニコニコ動画。MAD動画とそれを作った職人を紹介する紹介系サイト。
さらには「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドをはじめとする、YouTube@2ch掲示板。
これらが構成要素となり、できたコミュニティが「アイマスMAD界隈」、別名「ニコマス界隈」である。

図3−1:アイマスMAD界隈とその周辺
WEB
├ニコニコ動画
|└アイマスMAD界隈(ニコマス界隈)
| ├動画制作者
| └見る専
| ├外部発信型紹介系サイト
| ├内部発信型紹介系サイト
| └一般視聴者
├ニュースサイト
└2ちゃんねる
└YouTube@2ch掲示板
■ニコマス動画制作者
ゲーム内プレイヤー名称である「〜 P(プロデューサー)」と同様に動画制作者のハンドルネームにも最後にPがつく『アイマスMAD制作者』。
P名を持つ人の数は08年5月現在で約1600名という。
P名文化はVOCALOID系に伝わった。
■外部発信型紹介系サイト
アイマスMAD界隈住民に向けて、動画を紹介するのはもちろんだが、
ニュースサイトにリンクされることで界隈外部にも情報を発信するサイト。
『
敷居の先住民』
『
花見川@ニコニコ部』の2サイトが上げられる。
■内部発信型紹介系サイト
アイマスMAD界隈住民に向けて、動画を紹介するサイト。
内容は界隈住民向けということで外部発信型紹介系サイトより専門的な傾向がある。
『
おっホイ。』
『
空から降ってくるので』
『
荒川河川敷』
『
はじめてのC お試し版』
『
Katzenmusik』
『
書店アルバイターのアイマス日記』
『
思考は現実化する』
『
YaSuYuKiの日記』
『
ティンときた! −勝手にまとめるアイマスMAD−』
『
爽快・楽しくなる動画』
『
はてなで留まってすぐ溶解』
などなど・・・
■ニュースサイト
動画、あるいは外部発信型紹介系サイトにリンクを貼ることで界隈外部からトラフィックを送る。
『
かーずSP』『
(・∀・)イイ・アクセス』
などなど・・・
■YouTube@2ch掲示板
「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドや「【ニコニコ】底辺Pの集い【アイドルマスター】」スレッド、「【ニコニコ】iM@S架空戦記シリーズ【アイドルマスター】」スレッド、「ニコマス 議論隔離スレ」スレッドなどがある。
アイマスMAD界隈における総合情報サイトになりつつある
『
The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki』の更新作業は「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドの住民が中心となっている。

図3−2:YouTube@2ch掲示板内におけるアイマスMAD関連スレッドの発生年月
@「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」(通称ニコマススレ。2007.02.01〜)【
wiki】
A「【ニコニコ】見る専祭りスレ【アイドルマスター】」(ニコマススレ発祥のイベント用スレッド。2008.01.24〜)
B「ニコマス 議論隔離スレ」(ニコマススレから分離。2007.08.27〜)【
wiki】
C「【ニコニコ】底辺Pの集い【アイドルマスター】」(2007.07.19〜)【
wiki】
D「【ニコニコ】 アイドルマスター MAD制作者の集い 【THE IDOLM@STER】」(2007.08.10〜)
E「【ニコニコ】iM@S架空戦記シリーズ【アイドルマスター】」(2007.09.09〜)【
wiki】【
wiki】
F「【ニコニコ】Novelsm@sterスレ【アイドルマスター二次創作】」(2008.02.17〜)【
wiki】
■2007年1月〜5月:コミュニティの形成
@Xbox360版アイドルマスターの登場
「THE iDOLM@STER」は業務用として05年7月に稼動を開始した。この業務用アイドルマスターは一部のコアなファンがいたものの、それほど流行ったゲームではなかった。
06年夏、Xbox360版「THE iDOLM@STER」は「THE iDOLM@STER 一周年記念ライブ」、そして「東京ゲームショウ2006」において公開された。
見た人は、その滑らか動きに驚かされ、多くのサイトがXbox360版「THE iDOLM@STER」を取り上げたのである。
Xbox360版「THE iDOLM@STER」を取り上げたサイトとして『
かーずSP』
『
BRAINSTORM』
『
GUNP.JP』
『
皇帝φ機構-Emperor System Zero-』
などが挙げられる(詳細は当サイトがまとめた『
Xbox360版『THE iDOLM@STER』発表から、MAD登場まで』を参照のこと)。彼らはその影響力を用いてXbox360版「THE iDOLM@STER」の知名度向上に一役買う。
07年1月、Xbox360版「THE iDOLM@STER」が発売された。「THE iDOLM@STER」を家庭用ゲーム機のソフトとして、
他のゲームソフトと同じ視点から評価するとどうしても高い評価を与えづらいところがある(
*1)。
しかし、Xbox360版「THE iDOLM@STER」には他のゲームには無い特徴があった。
それは、ウェブで公開するコンテンツを制作する際に使う素材を吐き出す「ツール」としての優秀さであった。
Aアップロード職人現れ、「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドが立つ
Xbox360版アイドルマスター発売以降、
「THE iDOLM@STER」の動画はYouTube、YouTubeに投稿されたものをニコニコ動画を通じて、あるいはPeerCastで多くの人が目にすることとなる。
投稿していた人として
「
しーなP(
shiena417)」
「
オンナスキーP(
hiro1235B)」
「
maszushi氏(
maszushi)」
「
きゃのんP(
cannon0121)」
「
あにょにゃP(
anoano2007)」
「
ウマP(
umaequus)」
「
GazL氏(
tokatidukushi)」
「
だめねぎP
(
tokachitukuchite)」
などが挙げられる。
投稿された動画の中でも特に
「
THE IDOLM@STER アイドルマスター とかちつくちて ソロ」は「溶かしつくして」の部分がどう聞いても「とかちつくちて」聞こえる舌っ足らずさが話題に、
「
THE IDOLM@STER アイドルマスター relations 演歌ver.」は妙に演歌くさい歌唱法が「ロリ演歌」として話題となった。
「
セクハラP」はニュースサイトにて取り上げられたためアクセス数が多く、2日で20万ヒットというハイペースで視聴され、
YouTubeのMostViewed(1月31日)で2位となった。
これによって「
アイドルマスター You Tubeで第2位の栄冠」
スレッドが『
YouTube@2ch掲示板』に立つ。このスレッドが後に「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドとなった。
BアイマスMAD動画制作者と動画の大量発生
投稿された動画の中にはプレイ動画そのものもあれば、改変を施したものもある。
「
tUNAK M@ster (THE iDOLM@STER アイドルマスター インド版)」
「
アイドルマスター やよい もじぴったん」
「
THE IDOLM@STER アイドルマスター とかちラーメン大盛り 〜望みの限りに〜」
は改変されたもの、まさにMAD動画であった。アイマスMAD動画の登場である。そしてこれらのMAD動画に触発され、動画制作者が次々と現れ、MAD動画が量産されていった。
特に
「
THE iDOLM@STER 「エレクトロ・ワールド」 by 雪歩・伊織・やよい(
再制作の再アップ版)」
「
THE iDOLM@STER 「コンピューターシティ」 by 真・美希・雪歩(
再アップ版)」の2作は
数多く作られた「アイドルマスター × perfume」の先駆け&代表作として、
「
アイドルマスター KOTOKO Princess Bride!」はアイマスMAD初期の集大成的作品としてMAD動画の歴史に記録すべきであろう。この時期に登場した動画制作者として
「
えこP」
「
とかち未来派」
「
mmtsgzkwys氏」
「
マキュロP」
「
RidgerP」
「
桃月P」
「ありすえP」
「
桃邪気P」
「
ATollP」
「
AdobeP」
「
itachiP」
「
トカチP」
「
哀れな小羊P」
「
慧P」
「
しげゆきP」
「
ナオキP」
「
ダムP」
「
桃月P」
「
yotaP」
「
マンタP」
「
レリヲP」
「
ニセP」
などが挙げられる。
C週刊アイドルマスターランキングの開始
5月、「
アイドルマスター CDTV風メドレー5/22」が公開される。これが多くのニュースサイトで取り上げられ、
さらには桃月Pが「
週刊アイドルマスターランキング」を開始。
アイマスMAD動画の知名度はさらに上昇、アイマスMAD動画を中心に紹介するサイトが現れ、アイマスMAD界隈が形成されていったのである。

図4−1:てってってーP 『
アイドルマスター 音無小鳥のデータマスター』より、日毎投稿件数グラフ。青がアイマス全体の投稿。赤がMADPV関連タグがついたもの。橙が再生数1万を越したもの。
6月からアイマスMADの投稿数が増加していることがわかる。
表4−1:発生、登場年月(2007.01〜2007.05)
それにしても、なんか、アイマスのMAD動画の進化が止まりませんw つか、寧ろ加速してますww
みんなみんな、センスが、技術が、ぶっとんでますwwトチ狂ってますwwww
正直、アイマスファンの新人ではありますが、ここまで熱狂的(狂信的w)に愛されるとは思いもしませんでした。
中でも、一番驚いているのは、やっぱり開発元である、ナムコではないでしょうか?
まさか、ニコ動という、ある意味人目に触れるには最高の場所で、その中で、
非常に優秀なプロデューサーを数多く獲得できたのが、思いも依らぬ嬉しい大誤算だったのではないでしょうか?
ファンになった者としては、この流れは非常に喜ばしいことです。
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2007年05月21日-今日のニコニコ10
(蓮華の咲く沼地)
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■2007年6月〜12月:黎明期
@「アイマスMADの紹介役」層の充実化
良い動画を制作しても、それを紹介する者がいなければ動画を見てもらえる機会は限られてしまうだろう。
動画紹介は大手ニュースサイトからのリンクに頼っていた。
大手ニュースサイトは当然アイマス専門ではなく、アイマス関連のリンクは毎日多数貼るリンクの中に少しある程度でしかない。
アイマスMADとなればさらに少ない。2月以降、動画制作者は増え続け、動画が大量生産されるようになったことに伴い、
アイマスMADを中心に紹介するサイトが必要であった。6月以降のアイマスMAD界隈は、「アイマスMADの紹介役」層が厚くなっていくこととなる。
この時期に登場した紹介系サイトとして
『
敷居の先住民』
『
花見川@ニコニコ部』
『
空から降ってくるので』
『
おっホイ。』
『
はじめてのC お試し版』
『
書店アルバイターのアイマス日記』
『
思考は現実化する』
『
YaSuYuKiの日記(nicovideo出張所)』
『
ティンときた! −勝手にまとめるアイマスMAD−』
『
タクヲ日誌』などが挙げられる。
これらのサイトを一つ一つ見たときにアクセス数はそれほど多くない。
アクセス数が一番大きい『
敷居の先住民』ですら平常時PV2500〜5000程度である。
振り返ってみて、かつて快進撃を見せていたFlash界隈(ここでいうFlash界隈とは、2chFLASH・動画板を中心としたコミュニティのこと)において、
その紹介系サイトと言えば『
かーずSP』『
(・∀・)イイ・アクセス』『
ホタテプロダクツ』に代表される「Flashニュースサイト」であった。
『かーずSP』『(・∀・)イイ・アクセス』『ホタテプロダクツ』は強大なアクセス数によってコミュニティを支援していた。
それと比べるとアイマスMAD界隈の紹介系サイト達のスケールは小さく見える。
だからといってアイマスMAD界隈の紹介系サイト達のコミュニティ支援力がかつてのFlash界隈のそれと比べて小さいわけではない。
一つ一つのサイトの力が小さいのであれば数で勝負すればよい。事実、アイマスMAD界隈の紹介系サイトは数多くある。
彼らはアクセス数がそれほど多くないという身軽さによって、有名な動画から無名な動画まで各々の個性で紹介し、アイマスMAD界隈を支援した。
Awakamura氏の帰還
動画制作者数が通算で1000人を超えるアイマスMAD界隈において、その最重要人物といえば「
わかむらP」であろう。
「国際ニコニコ映画祭」の第1回にゲストとして呼ばれたのは彼であるし、
NHKの番組「ネットスター」にてMADについてコメントしたのも彼である。
07年7月、彼は
「
アイドルマスター Perfume パーフェクトスター・パーフェクトスタイル PV風」
によって、アイマスMAD界隈に衝撃を与え、「アイドルマスター Perfume パーフェクトスター・パーフェクトスタイル PV風」は「アイドルマスター × perfume」の代表作となる。
動画制作者のなかでも特に技術力が高い、いわゆる「頂点P」達は他の動画制作者の見本となった。
そして「頂点P」に刺激され、他の動画制作者達は技術を上げていき、
日々多数投稿されるアイマスMADの完成度は全体的に上っていった。
「頂点P」のなかでも特に高い名声をもつのが「わかむらP」である。
04年、有名な
黒作品
である「2ちゃんねる大王」が警告を受け、公開停止となる。
05年、ブームが終わりつつあった2chAA系動画。それに止めを刺した「のまネコ騒動」においてその騒動の原因となった動画「恋のマイヤヒFLASH」は黒作品であった。
もともと肩身の狭かった黒作品であるが、さらに狭くなった。
「パロディは面白い。仕事では作れないものを作りたい」
黒作品を作る理由としてそのようなことを語っていたwakamura氏にとって、彼のやりたいことと時の流れとの間にズレがあった。
そんななか登場した黒作品を公開する場『ニコニコ動画』。『ニコニコ動画』の登場によってそのズレが無くなった。
そしてwakamura氏は「わかむらP」として『ニコニコ動画』に現れる。時の流れは彼に、彼が活躍するに適した場を与え、彼は活躍したのである。
BアイマスMAD制作者の交流場「#ニコニコアイマスPの集い」ができる
「#ニコニコアイマスPの集い」とは、アイマスMAD制作者が接続するIRCチャンネル。多いときの接続数は100人を超える。
会話の内容としては技術的なものもあるが主に雑談。
CTwitterの広がり
ニコマス界隈の交流方法として、この頃はまだ黎明期であったTwitterが6月頃から使われ始める。08年1月にはオンナスキーP、しーなP、わかむらPなどの有名P達がTwitterを始め、Twitterが急速に広まっていく。
参考:
9-T - クラスタとは?ニコマスP流入経緯は?
D動画制作者のさらなる増加とアイマスMADの多様化
週刊アイドルマスターランキングの開始と紹介系サイトの増加によって界隈の情報発信力が増し、それが動画制作者のさらなる増加となって形に現れる。
この時期に登場した動画制作者として
「
orgoneP」
「
クーマP」
「
whoP」
「
透-架P」
「
最東みんくP」
「
観月P」
「
シラカワP」
「
友P」
「
わかむらP」
「
呂凱P」
「
Die棟梁P」
「
東洋人P」
「
時雨P」
「
ディープP」
「
怒首領蜂P」
「
ぴぴるP」
「
影山P」
「
DikeP」
「
ハイドP」
「
dodoP」
「
M@co.jP」
「
狡猾全裸富竹P」
「
DSP」
「
きはるP」
「
TPTP」
「
サーディP」
「
ぎゃわずP」
「
ゆりあP」
「
ulaP」
などが挙げられる。
大量な数の動画制作者がいるアイマスMAD界隈。それは様々な背景を持つ制作者が存在するということであり、
アイマスMADの進化・多様化に繋がった。
「わかむらP」の職業はアートディレクターであり、
「えこP」は前の職場で技術を身につけたと語っている。彼らのようなプロとして実績のある人の作成した動画は
他の動画制作者達の手本となった。これは数多く投稿されるアイマスMADの完成度が全体的に上っていったことの一要因であろう。
さらには絵師の流入により、アイマスゲーム動画を使わずに、音楽・シナリオ・ネタにあった絵を自ら描く「描いてみた系」が目立つようになり、
ゲーマーは「iM@S架空戦記シリーズ」というアイマスキャラを絡ませたゲームプレイ動画を制作するなど
旧来のアイマスMAD形式にこだわらない作品が現れた。
Eイベントの成功と、それによるさらなる活性化
アイマスMADにおけるイベントとしては07年6月以降、各キャラの「誕生祭」がある。
これは各キャラの誕生日に合わせて動画制作者が動画を個別に投稿し、誕生祭タグを付けるという単純なイベントである。
誰かが取りまとめ役となり、参加者を事前に募集し、参加者は決められたテーマに沿って動画を制作するといった本格的なイベントではなかった。
本格的なイベントとしては9月に「底辺P祭」が行われることとなった。
「底辺P祭」は「【ニコニコ】底辺Pの集い【アイドルマスター】」スレッドが発祥のイベントである。「
cx0101P」が取りまとめ役となった。
課題曲は「
蔵人P」が提案した「アナタのヒトコト」。
「cx0101P」は「アイマス避難所掲示板」に祭り専用のスレッドを立て、そこで質問に答えながらイベント規定を詰めていく。
タグやタイトルでの参加形式(誕生祭形式)だと、祭りを開催していた感じが乏しいことから
何作品かを1つにまとめたイベント公式動画を作成し、複数のパートに分けて発表することにした。
スレッドを見てない人のためにイベント告知用動画を制作。さらには「わかむらP」に審査員としての参加を打診した。
こうして念入りな準備を元に行われた「底辺P祭」は好評であり、成功したイベントと評価された。
11月には「iM@S KAKU-tail Party」「im@s MAD Survival Championship」が行われ、これも成功。
これらのイベントの成功により、アイマスMAD界隈ではイベントが活発に行われるようになり、界隈はさらに盛り上がることとなった。
表4−2:発生、登場年月(2007.06〜2007.12)
*2:「アイマスMAD紹介コンテンツ開始年月」とは「本格的に紹介し始めた年月」であり、「初めて紹介した年月」ではない。
例えば『敷居の先住民』の場合は4月のエントリーでアイマスMADに触れているが、
アイマスMADの紹介系サイトと言えるまでアイマスMADの比重が重くなったのは6月からである。
数日前に「ニコ動のアカウント取ったら負けかな団」が結成されてたりして、完全ニコ中のおれとしては「意固地になってないで、とっとと取ればいいのに」と思ったり。この3連休、2日も出社する羽目になって、何が悲しかったってニコ動を思う存分見られなかったことだよ!
つーかですね、個人的には1993年あたり(?)からインターネットを使うようになって以来、ニコ動はかつてないほど最高に面白いサービスだと言い切ってもいい。これに触れずにいるなんて、なんてもったいない人生を送っておるんだ、キミたちは。
(beginエチケットペーパー)おれはニコ動でもほとんどアイマスMAD*1しか見てないので、もしかするとアイマス特有の話になっているかも知れないけど気にしない方向で(エチケットペーパーend)。
まぁ、どうせ2ch発祥だし(違うけど)、素人お断りの殺伐とした雰囲気なんでしょ、と思い込んでる人が多いんじゃないかと思うんだけど、ニコ動のコミュニティはぜんぜん違う。2chだって殺伐としてるのは特定の板だけで、実際はそんなことないんだけど、ニコ動コミュニティの「温かさ」はそれともちょっと違う。
例えば、初めて自作の動画を公開した人がいるとする。まぁ、アイマスMADはスーパー職人が多数入り乱れるハイレベルな世界なので、初心者の作品ははっきりいってしょぼい。そんな動画につくコメントといえは、多くが「ここをこうしたらもっといい」とか「前半はイマイチだけど後半よくがんばってる!」とか、お前ら見ず知らずの人にどうしてそこまで親切になれるんだと呆れるくらいに前向きで、一所懸命いいところを探してあげているものばかり。そして最後には「GJ!」とか「次回作に期待」といった、ねぎらいの言葉できちんと締める。こんな風に言われたら、そりゃ次はもっとがんばろうって思うよな。
自分でもコメントをつけているとわかるけど、これは「自分もこのコンテンツを飾るメンバの一員なんだ」という当事者意識の発露なんだ。この、動画を生かすも殺すも自分次第という場の圧力が、下手なことを言わせない雰囲気を生んでいる。もちろん、たまには空気の読めない荒しも来るけど、大勢の良質な参加者の圧力がそれを無制限にのさばらせたりしない。
動画作者というのは、自分たちがコメントをつけて完成させる「作品」のベース提供者なのだから、大切にしなくてはいけない。だから、ニコ動の動画作者はとても優遇されるし、尊敬の対象だ。これはうまく運営されているOSSのコミュニティに近い。こういうコミュニティでは先駆者が後続を導くのも当然の流れになるから、ノウハウが公開・蓄積されるのはごく自然なことだ。ノウハウ共有のような「実」よりも先に、そういう風土を育てる温かいコミュニティがあったという点を指摘しておきたい。自分のノウハウを公開するモチベーションとして、よいコミュニティの存在は欠かせない。
システム的な面からすると、コメント表示のチューニングがこの風土の成立をうまく助けている。手前味噌になるが、tDiaryという「コメント (ツッコミ)機能」をビルトインした最初期の日記システムを開発するにあたって、おれはユーザに対して「ツッコミは短く鋭く愛を込めて」というスローガンを掲げてきた。コメント機能を搭載したシステムやサービスには、この観点は不可欠だと今も考えている。実はニコ動は、このスローガンにすごくマッチしている。
まず、コメントは長くなるほど画面を早く横切ってしまうので、ちゃんと読んでもらおうと思ったら短く簡潔にしなくてはいけない。かといってぶっきらぼうな書き方に対しては、先に書いたように場を荒れさせたくないという圧力がかかるので、おのずと優しさに溢れたコメントをすることになるのだ。開発陣がここまで狙って作っているとは思えないけれど、結果的にコンテンツをいい雰囲気に保っている。「GJ!」というより他はない。
そんなわけで、痛くないから入っておいで、と言いたいのでした。そりゃまぁ、ユーザの増加にシステム増強が追いついていない昨今、なかなか快適に使うわけにはいかないだろう。でも良質のユーザが増え続けて、良い雰囲気を保ったままで価値が高まれば、社会的にも認められて、投資が増えるかも知れない。 YouTubeみたいに誰でもログインなしで見られるようになるには、やっぱりユーザがこの調子で増え続けるしかないんじゃないの。
なんにせよ、遠くからDISってないで、中に入って盛り上げたほうがよっぽど楽しいよ。
*1 XBOX360のゲーム「IDOLM@STER」の素材を使ったパロディ動画のこと。
|
ニコニコ動画の魅力は、そのコミュニティの温かさにあるんだよ
(ただのにっき )
|
■2008年1月〜:発展期
@
見る専祭りの開催とそれに伴う紹介系サイトの増加
Flash界隈において、表に立って動き、界隈を導く役を担っていたのは、
動画制作者はもちろんだが「かーず氏」や「FLASH50女史」といった視聴者側もいた。
それに対しアイマスMAD界隈は完全に動画制作者側が主導となっている界隈である。
視聴者や紹介系サイトはあくまで裏方、補佐役であった。
イベントに関しても発案、取りまとめ、実行は動画制作者側が行っている。
これに対し視聴者側、いわゆる「見る専」側が主導となったイベントを行おうという動きが出てきた。
08年1月に行われた「見る専祭り」は見る専である「arakawa77氏」が中心となって開催されたイベントである。
「見る専祭り」は「マイリスト」に自分の好きな動画をコメント付きで登録し、公開する。
自分は好きな動画はもちろんのこと、自分は好きなのだがアクセス数が何故か低い動画に対し、もっと見てもらおうというイベント。
さらに「arakawa77氏」は参加者に紹介系サイトの開設を呼びかけた。
このイベントをきっかけに開設された紹介系サイトに
『
荒川河川敷』
『
オレハヤ_19』
『
激刊!アイドルマスター』
『
気がついたら出来てたブログ』
『
とかちつくされる日々』
『
爽快・楽しくなる動画』
などが挙げられる。
この「見る専祭り」や08年4月に起きた「紹介系サイトのあり方についての議論」が元になって
「じっくり語り語られてみよう」「ニコマスファンレター」といった「見る専」側が主導の本格的なイベントが企画されるようになった。
A
『The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki』のポータルサイト化
「見る専祭り」の一環として『
The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki』の強化が行われる。
アイマス動画の投稿数は増え続け、動画制作者の累計は1000を越えていた。
『The iDOL M@STER ニコニコ動画まとめWiki』はコツコツと更新していった結果、
動画制作者の名称が700人以上掲載されているという強力なデータベースとなっていたが、
これをさらに強化し、アイマスMAD界隈の総合情報サイトにする計画である。
まず08年3月に
紹介系サイトリンク集ページが作成された。
08年4月15日から4月27日に行われた第一期補強計画では
動画制作者を571人追加した。

図4−2:てってってーP 『
アイドルマスター 音無小鳥のデータマスター3!』より、
日毎投稿件数グラフ。08年に入ってからも投稿は増え続ける。
表4−3:発生、登場年月(2008.01〜2008.04)
イベントの発生年月
|
2008.01 |
iM@S_Inst祭、
没M@S、
鉄仮面誕生祭、
見る専祭り
|
2008.02 |
疑似m@s、
ideam@ster、
iM@S KAKU-tail Party 2、
再生5000以下宣伝祭り、
CA祭、
千早誕生祭
|
2008.03 |
Loc@lM@ster、
愛ドットるマスター、
im@s MAD Survival Championship II、
まっすぐM@STER、
Maay@s、
やよい誕生祭
|
2008.04 |
iM@S_ReProduce、
高速M@ster、
春香誕生祭
|
制作者あるいは投稿者の初登場年月(リンクは間に合ってないです^^;)
|
2008.01 |
書店P、
オボロP、
あえぎP、
ガンジーP、
神無月P、
ぎょP、
きりかP、
ぐうりんだいP、
国綱P、
午前P、
参遊亭P、
しかばねP、
十字P、
尻上がりP、
せらP、
大自然P、
平良P、
タミフルP、
でんP、
トロツP、
絆創膏P、
フリージアP、
へたれP、
マケイヌP、
メーカーP、
ゆき☆P、
ゆたかP、
らっくP、
燐P、
FenorlP、
OGOP、
RED.P、
sitaP、
WarP、
ZrP、
19P
ATSP、
J.P.P、
jicocyuP、
nackP、
PhaiP、
sakuraP、
TomP、
ZanacNeoP、
顔芸P、
カコP、
カジカP、
かめこP、
ガンジーP、
肝油P、
群馬P、
げーとP、
紅茶P、
ゴキ禅P、
さけP、
ジャバラP、
ソルトP、
千葉日報P、
匿名希望P、
ドナルドP、
どんぐりP、
ナイロンP、
なつくなP、
なやんすP、
成田P、
ねこのめP、
バルキリーP、
ハロP、
ばんかP、
ヒカリーP、
ビギナP、
ひす嬢P、
古木@P、
まるるん。P、
メグメルP、
メーカーP⇒ルイージP、
もにょわにょP、
モロトフP⇒新ドナルドP、
ゆうゆうP、
ら〜くP、
ルカーニP、
ロジックP、
aesoP、
AriaP、
asthmaP、
damP、
johnP、
KalassP、
NoritkP、
ponP、
YellowP、
あっぷ氏、
うぃずP、
エクスデスP、
奥山飯太郎P、
かのP、
かわはぎP、
かーかみP、
黒ジャコP、
ケチャッP、
五百万P、
紫熊P、
少年P、
すいどP、
杉並R代表P、
せんたP、
そのまんまP、
ソフトめんP、
大将P、
たくとんP、
陳公台P、
ツユタカP、
独眼P、
毒シメジP、
ナンデP、
某MP、
ぽーらP、
魔言P、
まさなおP、
ミノリP、
みらP、
ミルP、
めろんぱんP、
もあP、
801P、
ユズリハP、
ゆめぎつねP、
りずもあP、
んごすP、
2万P、
Black-P、
GWP、
nagP、
R@GiP、
yosidP、
明石太郎P、
嵐山P、
浦島P、
えいしんP、
エドP、
おまんひょP、
キドカラーP、
きりかP、
ぐらすP、
ぐり〜んP、
黒男爵P、
サブP、
しまGP、
スガBP、
スニフP、
たろP、
ちゃななP、
なんぎP、
ノアP、
ばいろいとP、
ハバネロP、
ひとP、
ピコP、
ほっちP、
みかんP、
みっくP、
メタルP、
モアモアP、
ユリP、
妖々夢P、
参遊亭P
|
2008.02 |
慈風P、
うぃずP、
エコノミーP、
号泣P、
小鳥よしおP、
サンタP、
仕掛P、
すとれんじらぶP、
ダニ以下P、
ツチノコP、
ヅラP、
ナムコナミP、
にけP、
のぽぽんP、
バンナムP、
ピカソP、
ひととせP、
ひびきP、
フールP、
深月P、
めるりP、
矢夜雨P、
よこわけP、
ロスケP、
AruP、
EuroP、
G様、
HANSELP、
poscamP、
720P、
an3P、
hitonariP、
poteP、
ryutaP、
Shino百翼長P、
藍色P、
浅子P、
あみまみれP、
アンノーンP、
淫の蘭P、
梅干Pと酢S(サブ)P、
似非敬語P、
おいうP、
かくさんP、
かさかささんP、
カズーP、
警部P、
古典派元帥P、
ごまべーP、
ジアースP、
仕掛P、
しずろーP、
しゅがP、
すぴP、
ダグラスP、
月極P、
てくのP、
てんいんP、
どん底P、
トーマP、
はずみちP、
病的歯肉色-P、
ひろ。P、
ぴっかりP、
ピロ彦P、
ふとしP、
ふるぷら〜んP、
ほりえP、
ポイフルP、
マタギP、
光秀P、
みんみんりすぺくたーyuuP、
めいしーP、
もけP、
柚子P、
ゆっきP、
ようP、
ライライP、
ルイ・ド・P、
レオナールP、
(・▽<)P、
?P、
PantuP、
五十鈴P、
いとしいさかなP、
うっきぃP、
8:41P、
風邪薬P、
ガチムチP、
かわづP、
キャタP、
キューP、
くうみP、
けろP、
五月P、
佐渡ヶ島P、
サラワリP、
すえながP、
すたんりーP、
すぬーP、
絶望P、
たP、
だいすP、
だんさみP、
テイラーP、
でこにょんP、
のざわなP、
ノーヴェP、
鼻歌P、
炎の石D&P、
ホームπP、
まさ百翼長P、
湊P、
めるりP、
モルスァP、
ゆうやP、
ラードP、
りっぷるP、
ローガン柴崎P、
3倍P、
DJマサP、
masatosiP、
paseP、
shinP、
tokishinP、
wyrdP、
アトロポスP、
アヴェP、
宇垣P、
かづP、
神月P、
亀口製菓のアレP、
カヴールP、
かーれるP、
きめんP、
きらP、
群青P、
コヤスP、
ごりら★P、
紗羅P、
三蔵P、
斬鉄P、
ジェバン2P、
しゃがみP、
すみすみP、
そるP、
ダホマP、
ちはるP、
中央特快P、
てんやくP、
なまP、
ニコニコP、
20P、
にゅうぽこP、
ぱぃP、
パッカードP、
パンP、
ヒナP、
ピコちょこP、
深月P、
ヨコハマP、
遠藤P
|
2008.03 |
うんこうP、
かずさのすけP、
くーP、
タングP、
hizumiP、
SSMP、
W*E*R*D*N*AP、
.TMP、
タイツP
133P、
771P、
fan代表P、
JFKP、
JINXP、
junP、
kontaktP、
nemujP、
nullP、
PNP、
SUSP、
YSRP、
あみP、
いためしP、
宇宙電波受信P、
えでぃP、
えびねP、
乙狩P、
弟切P、
omusubiP、
かず@ひまりP、
きのP、
愚零闘okEP、
ぐーすかP、
げっこーP、
小型P、
さくらんぽ。P、
サンタP 、
ζ'ヮ')ζP、
すたぁP、
頭脳戦艦ガルP、
諏訪P、
世紀末P、
チキソP、
つだきP、
てづぽP、
といといP、
トロツP、
ながいひろゆP、
日本代表P、
ののP、
はにゅ〜ん♪P、
ハマガイP、
ビットP、
ひろっちP、
ふぇーやんP、
ヘポティーヌP、
暴徒P、
ほっけP、
ぼっちP、
ボリス・P・グリシェンコ氏、
ポピーP、
みんみんP、
メタP、
森キャスP、
ゆとりP、
よあけP、
わたなP、
030P、
765_16P、
nofutureP、
syugoP、
青魚沼P、
あみゅP、
井戸型P、
花月鳥P、
かりふらP、
カルツォーネP、
くゆくゆP、
桑畑P、
虚空P、
ころなP、
催眠エロスP、
サケP、
3歳P、
事務リーダーP、
そーすけP、
辰三P、
駄目人間P、
惇P、
ナイP、
農民プーP、
はんたP、
武安国P、
ふじこP、
ふじまるP、
へべれけP、
まぐろP、
マンモスうれP、
もっちP、
やこぶれふP、
遊介P、
ローゼン宮部P、
話師P、
わるつP、
春雨バナナ君P
72oP、
chicoryP、
evmP、
GBRP、
IKaP、
JohnDoeP、
johP、
makaP、
MikotoP、
NDKP、
PALLP、
satodaiP、
TokuP、
アルデニP、
イモ掘りP、
うてろP、
エグザスP、
えむどすP、
オーレくんP、
かいおうさまP、
きゅうP、
キュロスP、
小島P、
サイトP、
笹水P、
せるき〜P、
高菜P、
ドアラP、
鳶P、
トマトP、
なつP、
ふふふよP、
へもP、
マシシP、
みやけP、
森キノコP、
もろP、
ユルカP、
忍P、
歯ブラシP、
瞬殺P、
@TUP
|
2008.04 |
FarSeer氏、
16×16P、aramaxP、jesP、latisP、RMHP、TaneLtuP、TsuboP、あかべP、アリア社長P、アルテラマスターP、おてもとP、おなみP、かくれんぼP、カズヤP、かねごんP、さりおんP、cyanP、しくP、じじ丸P、紫電P、ジョッシュP、心霊P、ソシアルP、つかP、つんた♂P、定家P、ニ○スイP、PacP、ヒョードルP、ひよこまみれP、真奈葉P、むーむーP、ゆってぃP、ライスP、緑茶戌P、空井P、
225P、417P、dosejP、k-るP、snowP、ya-P、秋路P、お食事券P、外伝P、金魚P、gouzouP、こんP、権兵衛P、さばうにP、聖ジェルノンP、ぜっつP、SevenSlotP、ちびまるP、追放研究員P、東方不敗P、ななかP、南部P、はやとの風P、ほわいとどれすP、まりもP、マヴェP、わん介P、いんこうP、月曜P、
doqoonP、JueP、koetakaP、VogelP、ぃょP、15P、弟P、カレーP、海月P、しみつP、ねこひなP、ハイゴックP(仮)、馬謖P、ぶぅP、まやつかP、むにゃすP、百合P
|
紹介系サイトの開設年月、あるいはアイマスMAD紹介コンテンツ開始年月
|
2008.01 |
荒川河川敷、
激刊!アイドルマスター、
ニコマスファンの徒然日記(仮)、
勅を奉るに請に依れ、
spy108.blog(仮)、
気がついたら出来てたブログ、
オレハヤ_19、
フローレンシアの忠犬、
とかちつくされる日々、
わたしのすきなどうが。、
温泉卓球場、
Katzenmusik
|
2008.02 |
爽快・楽しくなる動画、
シューターホイホイ、懐ゲーMAD@アイマス動画紹介、
## CANCER ##、
異端、
アイマスdrop
|
2008.03 |
飛んでから見れ!、
すたみなあっぷ、
ほめことばです。いや本当に。、
●喝ッ!!
|
アイドルマスターというゲームは、いい大人が金を湯水のように注ぎこんでヴァーチャアイドルに萌えているという、局地的な状況の中にある。ニコニコ動画を見ることは、それに比べると入り易い。でも動画サイトにはまる、という状況も決して普遍的ではない。ニコ動の中でニコマスは最大のジャンルだけども、外から見れば狭いし、しかも深く突っ込めば突っ込むほど、ますます狭いほうへ狭い方へと入り込む傾向がある。そんな局地的な世界でも縦横に動ける機動力や柔軟性に富む人。あるいは狭いところに潜り込んで動けなくなる人。そういう人たちに支えられてニコマスがあると、端的に言えばそうなる。
|
自分のこと(長文&戯言注意)--2--
(Katzenmusik)
|
おっさんがニコニコ動画を見る理由は、まとめればただ1つ。
「才能の無駄遣い」をもっと見たい
これに尽きます。
(もちろん、これを悪い意味で捉える事は、ニコニコ動画ファンはしないと思います。)
就職直後、Windows95が出る直前でしょうか。
短期出向先で見かけた、インターネット+Webブラウザ。(まだWindows3.1でしたから、MOZAICブラウザでした)MXが1.5Mbpsで接続だったので、すでに渋滞が始まっていた頃でしょうか。
始めて見たネットの世界は、「全世界に繋がっている!」ことよりも、「そんな貴重なネットワーク上に、普通の日記とか載ってる!」ことに驚きました。
そしてあっという間にWebの世界に広がった、個人の才能によるエンターテイメント。これが、おっさんをネットの世界にはめた原因です。
日記、掲示板、ネタサイト。インターネットは、個人やコミュニティの能力で、どれだけ人を楽しませることが出来るのかという、実験場になりました。
そして更に、DTMやFlashなど、テキストの世界を超えて発展してきて、その度に楽しい発見や、驚きを体験させてくれました。
そして、ニコニコ動画の登場。
2〜3回は、「ああ、日本版Youtube+αか。。」と、流し見ていた記憶があります。
しかし、ニコマス作品を見て、その作品の製作過程を知ったとき。そしてニコマスに限らず様々な作品を見たとき。このサービスの中に集積されている/発表される動画の、製作に掛けた時間や才能を知り、唖然となりました。
この場に、人を楽しませることを楽しむ人たちが集まっている。集まってきている。
この驚きと嬉しさは、正にインターネット+Webブラウザに出会った時の、あの楽しさを思い起こさせるものでした。
今でも、そして恐らく今後も。ニコニコ動画がこういう人が集まってくる場である限り、おっさんは利用し続けると思うのです。
コメント字幕が流れるという点は、おっさんにとって直接のメリットはそれほど感じませんでしたが、提供者には、これほど製作意欲を増す機能は無かったことでしょう。
そして今では、おっさんも、才能の無駄遣いと言われてみたい…と感じてます。*1
そして、ここでいう才能とは、何も機材を揃えて演出を重ねまくることだけではなく、アイデアと発想であったり、作品にどこか魅力あるポイントがあったりします。
「その発想は無かった!」
「これって実はすごいことやってるんじゃない?」
「これは綺麗だわー」
「うわなんかこれ、すごく自然に見えるけど、加工なんだよね?」
「あはは、スゲーことやってるよ!」
見て、驚くポイントが増えれば増えるほど、また作品を楽しめる。そのスパイラルこそ、今ニコニコ動画に集まっているコンテンツのパワーです。
知れば知るほど、飽きるには、まだ早いと感じることが出来るサービス。掘ればいくらでも出てくる楽しみの泉。
自分なりの楽しみ方は、まだまだきっと眠っているのではないかなぁと思います。
|
それでも私がニコニコ動画を見るたった1つの理由
(おっホイ。)
|
1.情報発信者の多さ
アイマスMAD界隈における情報(を)発信(する)者は動画制作者と紹介系サイトである。
累計で千人を超えた動画制作者。紹介系サイトの数は累計で40を超えた。
もちろん全てが活発に活動しているというわけではなく、動画制作者で言えば1作品のみで終わった人、
紹介系で言えば3ヶ月で更新停止したものなど、短い期間しか活動していないものもある。
だがそれを考慮にいれてもやはり情報発信者の数は多いと言えるだろう。
情報発信者の数が多さが形になって現れるのはイベントである。
当然、情報発信者が多いほうがイベントは成功しやすいし、多くのイベントが企画される。
他界隈ではFlash界隈では
「
紅白FLASH合戦」「FLASH★BOMB」
「
num1000リミックス企画」など、テキストサイト界隈では
「
クリスマス殲滅委員会」「痛い度ランキング選手権」などがあった。
BOTTer、チーターはどこのMMORPGにもいるに関わらず、ラグナロクオンラインコミュニティのみ
抗議イベントが活発に行われたのは、
ラグナロクオンラインコミュニティというものが、そのコミュニティ発生の経緯によって、情報発信者・情報を発信するための技術(イラスト、プログラム、文章・・・)を持つ者が
多いコミュニティとなったからに他ならない。
アイマスMAD界隈も先例に漏れず、イベントが多く企画されるようになった。そしてどのイベントにおいても動画制作者の数が揃う。
100人程の動画制作者が必要な企画でも数が揃う。何故かと言えば、動画制作者の数が多く、イベントを宣伝する役である紹介系サイトの数が多いからである。
これは今のアイマスMAD界隈が活力が満ちていることを示している。
逆に言うなら活力が下がってくるとイベントの数が少なくなってくる、イベントを企画しても数が揃わなくなるということであり、界隈が成熟期、さらには衰退期に入ったかどうかを判断する指標となるであろう。
2.相手に対する否定的な発言が少ないコミュニティ
今のところアイマスMAD界隈では相手に対する否定的な発言というのが少ない。
あるにはあるのだが殆どが「【ニコニコ】 アイドルマスター【THE IDOLM@STER】」スレッドと、
”ニコマス界の肥溜め”こと「ニコマス 議論隔離スレ」スレッド内で収まっている。
事実、アイマスMAD界隈で起きた騒動事と言えば「ツンデレカルタ騒動」しかなく、
後は当人同士の小さないざこざである。
他人に対する否定が少ないということ。
さらには紹介系サイトの動画に対するコメントはポジティブなものばかりであり、
基本的にはネガティブなことを書かない。こういったことがブレインストーミング的な効果を生み出している。
3.力をかけて動画を紹介する紹介系サイト
大手ニュースサイトが面白いコンテンツを紹介する場合、代表的なリンクの貼り方は
@該当ページへリンクを貼る。
Aリンクの下に少しだけコメント。
という方法が主流である。
大手サイトのリンクはリンクしたコンテンツを「消費物」として扱っているため、
一時的にアクセス数を増やすだけで、紹介されたサイトの発展までは結びつかないことがある。
だから「一時的に増えたアクセス数を上手く生かすにはどうしたらよいか」という議論がリンクされた側から生まれることとなった。
それに対し、アイマスMAD界隈の紹介系サイトは該当動画へリンクを貼るだけではなく、それなりのコメントを入れる。
さらには制作者の紹介まで一緒に行うこともあるし、長文レビューをすることもある。
すなわち、アイマスMAD界隈の紹介系サイトはコンテンツを「育てる」ということに力を入れている。
力を入れている理由はアイマスMAD界隈の紹介系サイトの更新目的が「自分が面白いと思った動画を他の人にも見てもらう」ことだからである。
【
例1】
【
例2】
【
例3】
【
例4】
もちろん、アイマスMAD界隈の紹介系サイトにも大手ニュースサイトのようなリンクの仕方もあるが(そういうリンクも必要)、
全体的に見てアイマスMAD界隈の紹介系サイトは紹介という行為にかなりの力をかけていると言える。
そしてこのことが動画制作者のモチベーションをアップさせる効果を発揮している
(*3)。
ただし、これは紹介系サイトに大きな負担が掛かっているということである。
この状態を何時まで続けることができるのかは注目すべき点の一つであろう。
4.「ついてこれるやつだけついてこい」が生んだ「まとまりの良いコミュニティ」
アイマスMAD界隈が意図してそうしようとしたわけではないが、結果として「ついてこれるやつだけついてこい」という状態になっている。
この論文では動画を紹介するサイトを「紹介系サイト」と書いているが、一般的には「紹介系ブログ」と呼ばれている。日本のウェブにおける「ブログ」というのは、言い換えるなら「日記」である。
日記、すなわち「身内向けに、その日に起きたことを語る」方式の紹介というのは界隈内部には話が通じるが、前提知識の無い外部の人には通じない。
界隈外部の人間に対してアイマスMADを紹介する方法は色々あると思うが、例えば
「今までの経緯を説明し、今起きていることを話す。”何がすごいのか”を簡潔に語る(
例)」
ことが、方法の一つであろう。
また、「時々アイマスMAD界隈外にも関係する記事を書くことで大手ニュースサイトからリンクを貼らさせる(
例)」
という方法もあるだろう。
このような、界隈外部の人間に対してアイマスMADを紹介する記事を書くサイトは
『
花見川@ニコニコ部』
『
敷居の先住民』
ぐらいしかない。紹介系サイトは増えたが、界隈外部の人間に対してアイマスMADを紹介するサイトが増えていない。
「アイマスMADの投稿数は増える一方だが、視聴者はそれに比べて増えていない」という報告は各所より上げられているが、
その理由の一つは「界隈外部の人間に対してのアイマスMAD紹介」の部分が弱いということであり、アイマスMAD界隈の課題と言える。
ただし、「界隈外部の人間に対しての情報発信」の部分が弱い、すなわち「内向き」という姿勢というのは、必ずしも悪いことではない。
「内向き」の姿勢というのは「コミュニティの衰退」という言葉と共に語られることが多いことから悪いイメージがあるが、
敷居が高くなることで界隈からアイマスMADに対する思いが弱い人間を弾く「フィルター」として機能する。
このことが先に挙げたような「相手に対する否定的な発言が少ないコミュニティ」に繋がったし、
アイマスMAD界隈特有のまとまりの良いコミュニティに繋がった。
5.ニコニコだのみ
アイマスMAD動画の主要アップロード先は『
ニコニコ動画(SMILEVIDEO)』である。
言うまでも無く、アイマスMAD界隈が持つ一番のリスクは「ニコニコ動画のサービス終了」である。
サービス終了までいかなくても「MAD・黒作品は認めない」という運営方針となればアイマスMAD動画はその運営方針に引っかかってしまう。
『ニコニコ動画』にサービス終了・運営方針変更があったとき、ニコニコ住民は『
zoome』などの動画共有サービスに移住ということになるが、
動画上にコメントを流すことができる動画共有サービスは限られている上、
『ニコニコ動画』も他の動画共有サービスも抱えているリスクは同一のものであり、
『ニコニコ動画』がサービス終了・運営方針変更があった際には、他の動画共有サービスも同じことになる可能性がある。
もし『ニコニコ動画』から他の場所に移住しなくてはならなくなったとして、移住が成功しても界隈規模の縮小は免れないだろう。
現状の「アイマスMAD」は別名「ニコマス」と言われるように、『ニコニコ動画』あってのものである。
アイマスMAD界隈の命綱は『ニコニコ動画』の手に握られている。
■―素材― 「THE iDOLM@STER」はMAD動画制作に必要な素材を出力する「ツール」として機能した
ニコニコ動画でよく作られる動画といえばアイマスMADの他に「初音ミク」が有名であろう。
「初音ミク」というソフトはツールそのものであり、ニコニコ動画で使われることになったのはよくわかる話だ。
それに対し、「THE IDOLM@STER」はシミュレーションゲームである。あくまでも家庭用ゲームソフトである。
しかし、頭の良い人間が「THE iDOLM@STER」の動画に他の歌を合わせると面白いことに気がついたことで
「THE iDOLM@STER」はMAD動画素材出力ツールとなった。
本来「THE IDOLM@STER」はネットゲームではないのだから、大規模コミュニティはできないのだが、
ウェブで活動するためのツールとして優秀に機能したことで情報を発信するための技術を持つ者が集まり、大規模コミュニティが出来上がった。
アイドルマスターライブフォーユー!(X360)は、
MAD ムービー、ニコニコ動画のように、ゲームの外部で楽しまれることを明らかに意図してしまっている(ニコニコ動画のアカウントを持っていないので実は余り良くは知らないのだが)。
> 本作はジャンルを一新。彼女たちの出演するライブのメンバー、衣装、楽曲などを自由な組み合わせでコーディネートしてライブステージを楽しむ内容になっているぞ。
どうせアップロードするのでしょう?という製作側のしたり顔が目に浮かんで来るようだ。アイドルマスターは一作目で既に(アーケード版は無視するが)、シミュレーションゲームとしてでは無く、ウェブコミュニケーションで用いられるコンテンツ(アイドル)を吐き出す為のツールとして、立ち位置を確立してしまっている。従って、二作目がライブ演出に特化しているゲームになっているというのは、予想に易い話だったのかもしれない。アイドルマスターは面白さの大部分をゲームの外部に頼ることが出来るし、実際、頼ることにしたのだ。バンダイナムコゲームスは何て素晴らしく狡猾なんだろう!未だにゲームの面白さがゲームの内部に閉ざされていると思い込んでいる人には、アイドルマスターが何故に評価されるのか、ダウンロードコンテンツが何故に売れ捲るのか、絶対に理解出来ないのだろうなあ。 |
スレノモリ
|
■―制作者― 素材を生かすか殺すかは料理人次第
「ウェブで活動するためのツール」として優秀であった「THE iDOLM@STER」のコミュニティには優秀な技術者が集まった。
技術者の中にはすでに他界隈で実績のある者、プロとして実績のある者がおり、彼らが手本を見せることでアイマスMADの完成度が全体的に上っていった。
そして、様々な能力を持つ技術者が集まったことでアイマスMADは多様化した。多様化したことで、いつかは来る「ネタ切れ」「飽き」が先送りされている。
■―宣伝役― 紹介系サイト
商業作品の場合、宣伝は売り手が広告を打つことで行っている。だから個人サイトは商業作品に対し、宣伝を行う必要が無く、代わりに「評論」を行うということになる。
アイマスMADの場合は商業作品では無いわけだから、個人サイトが宣伝役を受け持つ必要がある。それが紹介系サイトである。
アイマスMADの紹介系サイトは基本的には動画に対し批判的なコメントを言うことを控えている。
これは商業作品が広告を打つときに作品の悪い点をわざわざ言わないことと同じであり、
紹介系サイトは自分に与えられた役割「宣伝役」を忠実にこなすことでアイマスMAD界隈の発展に貢献した。
さらには力を入れて動画を紹介することが動画制作者の「やる気」アップに繋がっている。
界隈の発展に伴い、彼らへの期待は大きく、役割は重くなる一方である。彼らはいつまで負担に耐えられるのか。
■―インフラ― ニコニコ動画の登場
アイマスMADの制作者は画質を追求する人が多い。『ニコニコ動画(SMILE VIDEO)』はエンコードのセッティング次第ではあるが高い画質を得られ、
アイマスMAD向きであった。
『ニコニコ動画』のコメント機能は「感動の共有」という効果を生み出したのはもちろんだが、
「感想を見れることによる動画制作者のモチベーションアップ」という効果も生み出し、
『ニコニコ動画』には多くの動画が投稿されることになった。
そして、「THE IDOLM@STER」はもちろんのこと「初音ミク」「レッツゴー!陰陽師」「東方」「ガチムチ」など色々なジャンルが
『ニコニコ動画』という一つの場所に集まることによって動画同士が強力に結びつき、お互いに影響されあうことで新しい動画が作られていく「進化現象」が発生した。
■未来は? ―どこへ進むのか、あるいは進まないのか―
動画制作には時間と労力がかかる。アイマスMADは商業作品を素材として使っているため、
素材を一から作る動画と比べると制作はかなり楽ではあるが、金にならないことに時間と労力を使ってることは確かである。
アイマスMADに限らず、ウェブでの個人創作は時間と労力を使うが金にはならない。ウェブ内での知名度・地位向上には繋がるものの、
ウェブ外での地位向上には繋がらない場合が多い。
だから「テキストサイトブーム」も「Flash黄金時代」も目指す先は「商業化」「プロとしての道」であった。
「個人創作によって消費した時間と労力を無駄にしない。対価を受け取るシステムの構築」であった。
「今は無理でも、いずれは対価を受け取る」という夢。その夢が先へ進む為の力となった。そして幾つかの試みが成された。
「WEB投げ銭」「書籍化」「MUZO」・・・。
アイマスMADは何を目指し、どこへ進むのか。
紹介系サイトの多くは今の楽しい状態を維持できればよいと言っている。「現状維持」でよいと言っている。
紹介系サイトがこのように言うのは当然であろう。彼らは動画を作らない「見る専」なのだから。
しかし、動画制作者側にとっては必ずしもそうではないだろう。
他界隈の前例から考えれば、「MAD制作が本人の地位向上に繋がるようにしたい」「界隈をより発展させ、対価が受け取れるシステムを構築したい」「プロになりたい」という思いが発生しても、それは自然なことだ。
だが、アイマスMADは「黒作品」であることから、対価を受け取ることが難しい。無理と言ってしまってもいい。
「対価を受け取るシステムの構築」を目指すことが出来ない。であればアイマスMAD界隈は何を目標に進めばよいのであろうか。
それとも紹介系サイトが言うように「現状維持」に努めることが懸命なのであろうか。
2007年6月、私は「
アイドルマスター CDTV風メドレー5/22」を見たのをきっかけに
色々なアイマスMADを見た。そこで感じたことは、
かつての「テキストサイト界隈」や「Flash界隈」で起きた現象と同じことがアイマスMADにおいても起き始めているのではということであった。
7月、記録に残す必要性を感じ、『
『THE iDOLM@STER』MADの歴史』ページを作成した。
2007-07-16
今日からWebsiteMAPの新しいページを作っていて、それはニコニコ動画のアイマスMADまとめみたいな感じのもの。
今回は製作途中のものを紹介。
http://websitemap.michikusa.jp/nikoniko7.html
進行状況は30%ぐらいかと。ようはかなり未完成なのでサイトからはリンクを貼らない。
思うところがあってアイマスMADまとめを作っているわけだが、
これはだいぶ先を見て作ってる。ようは今は必要が無いのだが、後で必要になるかもしれないので。
で、せっかく作るんだから動画紹介を兼ねようと。
そんな感じで作ってます。
|
2007-08-14
アイマスMADのページはもっと作り込んでから公開することを考えたのだが、とりあえず様子を見てみるということでさっさと正式公開した。これが6日。アイマスMADのページは毎月更新予定。アイマスMAD界隈についてはこれから興味深い事象が沢山出てくるのではないかと思っている。ニコニコ動画全体で興味深い事象が沢山出てくるだろうが、研究においては対象を絞り込むことが大事なので自分はニコニコ動画のなかでもアイマス動画に絞って見てみることにする。
|
私があのページで最終的に目指しているところは
「アイマスMADコミュニティの発展(と衰退)、そしてWeb全体への影響」
|
その後、アイマスMAD周辺が急激な発展を遂げたことは予想通りの結果であった。
だが予想外な事もあった。私はアイマスMAD動画の弱点は素材の問題だと思っていた。
アイマスMADは素材としてゲーム内の動画・画面写真を使っている。限られた同じ素材で皆作ってるから、近いうちに見慣れて飽きられると思っていた。
Sakuraba2007/09/08 16:37
アイマスMAD動画の進化を考えた時に大きな壁となるのは、素材の問題だと思っていて。
ようするに素材としてゲーム内の動画・画面写真を使ってますと。
限られた同じ素材で皆作ってるから、そのうち見慣れて飽きられちゃうんじゃないかと。
だから、これからの注目点としては「飽き」に対して職人達がどのようにして対抗するのか。
新鮮さを出すためにはどうすればよいか。
わかむらPのエフェクトや今回のえこPのように絵を弄ったり、先月目立った手書き動画は、その答えの一つでしょうね。
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9月、アイマスMADの快進撃は年内一杯が限界というのが私の予想であった。
11月、桃月Pが「週刊アイドルマスターランキング」の編集から降りると発表。「ツンデレカルタ騒動」の勃発。12月には「ありすえP」の引退。界隈には明らかな「疲れ」が見えており、予想通りかと思った。
だが08年、アイマスMAD界隈は完全に立て直した。新たな紹介系サイトの登場。「
アイドルマスター 「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚) 」」のヒット。
「週刊アイドルマスターランキング」の新編集部は投稿日こそ遅れ気味であるものの、無難にこなす。
そして新たな素材、「アイドルマスター Live For You!」の発売。アイマスMAD界隈はさらに発展した。
3月、目標であった「アイマスMADコミュニティの発展について」を書き始める。「
tUNAK M@ster」が登場してまだ1年。
書くには時期が速いと思う。現在進行形のブームについて書く場合、書けることと書けないことがある。
「出来事を評価するにはある程度時間が経ってからのほうがよい」という私の考えにも反する。
とはいえ、時間が経つと情報が消えていくため調査に時間が掛かる(最悪、調査不可能)こともあり、今のうちに書ける範囲内で書いたほうがよいという結論になった。そして書いたのがこの論文である。
「テキストサイト界隈」「Flash界隈」に代表されるように、ウェブには幾つもの派閥が有り、何年にもわたる歴史が有りながら、その出来事をキチッと本格的にまとめた文はウェブ上に幾つあるだろうか。
せっかく個人創作活動が活発になり、界隈が発生しても、本格的に記録する者がいないためブームの終焉と共に出来事が忘れ去られていく現状は大いなる不幸だと思っている。
本文はそうした現状を打開すべく、まず自分が例となることを考えて制作した。
HTMLで制作しウェブ上に公開する一番の利点は「ハイパーリンク」が使えることであるから、リンクを膨大に貼ることにした。
ウェブにおけるサイト・サービスの発生とそれに伴う文化・界隈の発生、リンクによるサイト同士の接続は「神経回路の構築(自己組織化)」や「生態系」の仕組みと似ており、
研究対象として面白いと思う。この文を読んで、ネット文化について興味を持ってくれる人が少しでも増えてくれれば幸いである。
[ウェブ1]『ニコニコ動画まとめWiki』、2007年〜
[ウェブ2]てってってーP
『アイドルマスター 音無小鳥のデータマスター』
『2』
『3』 てってってーのなんとか、2007〜2008年
[ウェブ3]桃月P 『「アイドルマスター」タグの新旧データ比較』 涸轍鮒魚、2008年
[ウェブ4]桃月P 『「週刊アイドルマスターランキング」データ集 Part2 その他編』 涸轍鮒魚、2007年
[ウェブ5]cx0101P 『第1回底辺P祭り 裏話その1〜4』 NEO EGA、2007年
[ウェブ6]flashboarder 『FLASH・動画板が衰退した理由』 FLASH動画血風録、2007年
[書籍1]釜本雪夫+くぼうちのぶゆき 『テキストサイト大全』 ソフトマジック、2002年
2011.06.26Version1.01
2008.06.07Version1.00公開
2008.03.22制作開始