「混迷極めるシャープ、銀行と革新機構が牽制(東洋経済より)」
企業会計
混迷極めるシャープ、銀行と革新機構が牽制
液晶事業めぐる最終攻防はどうなる?
シャープの危機を取り上げた記事。
「
2016年3月31日。シャープの5100億円ものシンジケートローン(協調融資)の返済期限だ。2015年9月末時点のシャープの
手元資金は約1750億円で、破綻回避には銀行に借り換えを応諾させる必要があるが、道のりは容易でない。」
まさにがけっぷちです。さしあたり、監査人であるあずさは、第3四半期でどのような判断を示すのでしょうか。
新日本への処分理由の中にもあった「事業計画の合理性について批判的に検討しておらず」ということがないようにしなければなりません。
(注:コメントにて監査人の誤りを教えていただきましたので、修正しました。)
ちなみに第2四半期の四半期報告書(2015年4〜9月)では、以下のように書いています。
「(19)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、前連結会計年度において、多額の営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、中期経営計画の達成が困難な状況になるとともに、連結純資産が著しく減少し、シンジケートローン契約の財務制限条項に抵触する水準となった。
このような事態を受け、平成27年5月14日に「抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築」を図る企業戦略として、新たな「2015〜2017年度 中期経営計画」を策定した。その後、第121期定時株主総会での議案の承認や金融機関等調整に関する同意書の取得を経て、平成27年6月30日に鰍ンずほ銀行及び且O菱東京UFJ銀行に対して総額2,000億円の優先株を発行し、毀損した資本を増強するとともに、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ鰍ェ運用するジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第壱号投資事業有限責任組合に対して250億円の優先株を発行し、投資資金の調達を行った。この結果、連結純資産は、シンジケートローン契約の財務制限条項に抵触しない水準となった。
しかしながら、当第2四半期連結累計期間において、引き続き営業損失、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上し、
重要な営業キャッシュ・フローのマイナスとなった。また当該
シンジケートローン契約の契約期限は平成28年3月末に、
第25回無担保社債の償還期限は平成28年9月16日に到来する。
こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているが、「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているため、
継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない。従って、「継続企業の前提に関する事項」には該当していない。」